パスタ屋さん ~1~
大学の近くにはちょっと大学生にとっては、お高いパスタ屋さんがある。
金額としては、だいたい1000円以上で、
セットにするとランチでも2000円近くになってしまう・・・
だから、俺は行ったとことがなかったのだが・・・
「なあ・・・本当に行くのか?」
「何でそんなに緊張してるんだ森永?」
俺の目の前には藤本と柊がいる。
今日は柊の誘いで、そのちょっとお高いパスタ屋さんにいくことにしたのだ。
すでに柊が予約を入れているということで、
まあ、もう行かないという選択肢はないのだが・・・
「ふ、服装ってこれでいいのか?」
「いや、たかだかパスタ屋さんだぞ?正装でもしていくつもりかよ。」
柊はそんな風に笑って言うのだが、
俺からしたら未知なるお店である!!
それもちょっと高級だと聞いているのだから、
どうしたらいいのか不安になってしまうじゃないか!!
「そうだぞ、森永。いつも通り行けばいいんだよ!
まったくこれだから、デートもしたことない男はまったく・・・。」
「ちょっとまて!柊に言われるのは分かる!
だけど、藤本!お前にだけは言われたくない!!
だって・・・
勝負服を着ているお前にだけはな!!」
「な!?な、なぜ分かる!?」
「いつもよれよれの服を着ているのに今日に限って、ピシッとした服着てるじゃないか!!」
「くぅ!!・・・こ、これは、いつでも俺との運命の出会いがあっても
いいように常日頃から心がけているんだよ!!」
「そんな奴がパンツ一丁で寮内をウロチョロしてんじゃねえよ!!」
「だ、だって男子寮だろう!!」
「だけど、たまに女子もいるじゃんか!!」
「そ、それはそうだが・・・。
だが、入ってくる女子はたいてい彼氏がいるから、入ってくるだけだろう?
俺はそんな中古は女子として見てないからな!!」
「・・・お前、その発言はどれだけの女子を敵に回す発言だと・・・。」
「ふん!森永に言われても全然響かんわ!!
女心の分かっていないお前に言われても!」
「お前も分かってないから、彼女がいねえんだろうに!!」
俺と藤本の醜い罵り合いが始まった頃に、
ちょうどお店の傍に来ていて、
「そこまで!とりあえずお店に入るよー。」
「お、おう!」
「わ、わかった。」
俺達は柊の言葉で急に現実に引き戻されて、
強張った表情になって、柊の後ろをついていくだけだった・・・
「いらっしゃいませ~。何名様ですか?」
「3名ですけど、予約を入れてる柊です。」
「少々おまちください・・・柊様・・・柊様・・・あ!」
どうやら予約表に俺達の名前があることを確認したようで、
笑顔となり、俺達を予約している席へと案内してくれる。
「それではこちらへどうぞ。予約の3名様入ります!」
・・・こういう時、柊が慣れているのがうらやましい・・・・
女子の店員さんにも物怖じせずに普通に話せている・・・
俺だと・・・挙動不審になる・・・
藤本だと・・・硬直する・・・
うん!俺達に彼女が出来ない理由が何とかなく分かるな・・・
店員さんに案内されて席に座ると、
すぐに俺達の方へとメニューを見せてくれた。
・・・藤本は自分だけでメニューを見る。
2冊しかメニューがない・・・
この差ってでかいな・・・
先ほどから何だか、柊がモテる理由を垣間見ている気がする・・・
そんな時だった。
「おいちゃ~ん、来たんやったら声かけてえやぁ~。」
そういって、水を持ってきてくれたのは坪倉さんであった!!
「さすがに、お昼時で忙しい時は声はかけれんやろう~。」
「ううう・・・、せやけど・・・。声かけてくれた方がうれしいねんで。」
・・・
・・・とりあえず・・・
柊・・・
埋めようかな?
何!彼女がいるのに何か春みたいな空気を2人で出してるんだよ!!!
いや、まあ、坪倉さんからってのはわかるけどさ!!
そして、坪倉さん!!
その恰好ごちそうさまです!!
タイトな白いシャツで、髪をアップにまとめている姿!
更には黒のタイトスカートって!!
可愛らしいです!!
・・・これはうちの大学のでも屈指の可愛らしさじゃないか???
となりの男も完全に鼻の下を伸ばして坪倉さんを見ているし・・・
「・・・どんなに頑張ってもお前の入る隙は微塵もないからな!」
「なぁ!?ば、馬鹿な俺なら・・・・。」
「現実を直視しろ・・・あの二人の中に入れるか?」
「・・・だ、だが諦めん!!」
やっぱり藤本は、坪倉さんに恋をしているようだな・・・
だけど、あの坪倉さんのラブラブがすべて柊に注がれている中で、
お前が入るには・・・
10000%無理だ!!
不満そうな顔をしても無理なものは無理だからな!!
そんな俺達が話している声も2人の耳には届いていないように会話をしていた。
ただ、そんな2人でもすぐに邪魔は入ってきて・・・
「坪倉さん!仕事仕事♪」
「あ、はい!!おいちゃん、また後でな~。」
そういって、片手を振って去っていく坪倉さん・・・
ああ・・・
女子の残りがって凄い男を引き付けるんですけど・・・
俺と・・・となりの藤本も坪倉さんの匂いの余韻を楽しんでいた!!
・・・変態だな・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。