クリスマス:1回生 ~5~
初詣の合コン・・・
「そう言えば2人とも正月は実家に帰るの?」
「俺は帰る予定だ。藤本は?」
「俺はギリギリまでこっちにいて、すぐに戻って来る予定だ。」
「なんじゃそりゃ?それなら帰らなくてもいいじゃないのか?」
「いや、帰らないとお年玉がもらえないだろう?」
「・・・え?そのため?」
「それ以外何があるんだ!!
どうせ、往復の交通費も親が出してくれるんだ!
それなら俺の顔を拝ましてやろうと思ってな!」
「俺がお前の親なら、遠慮なくお前を殴ってるよ・・・。」
「な!?自慢の息子が帰ってきたら、十分だろう!
どうせ・・・
老い先短いんだからさ!」
「ほんと・・・お前を息子に持ったご両親は不幸で仕方ないだろうな・・・。」
「まったくだ・・・。」
北谷と俺はお互い同意するのだが、
藤本だけは頑なに納得はしなかったのである。
先ほど正月の話を聞いてきた北谷が、
どうやら俺達に言いたいことがあるようで、話を続けだした。
「この間、小学校時代のクラスメイトに会ってんねんけど、
今度友人を紹介してくれって言われてん・・・。」
「北谷様!肩!揉みましょう!」
「北谷様!コップが空いておりますよ!
ささ、飲んで、食べてください!!」
俺と藤本はすぐに全力で媚を売るのであった。
当然だろう!!
北谷は関西の高級住宅地に家があるボンボンだ。
テレビにも紹介されるエリアで、
北谷が俺の部屋にいた時に、その辺りを紹介されているのを見て、
北谷はまったく似合ってないな~っといったのを覚えている。
いや、街並みはキレイだった・・・
海も山も隣接していて・・・
だけど・・・
北谷のイメージには全く合わない・・・
・・・猿?
俺のイメージはそんなものだ・・・
さて、北谷のことはこれくらいでいいのだが、
そんな北谷も一応お坊ちゃんである。
中学・高校は男子校に行っていていたというらしいが、
小学校の時の同級生なら、そのエリアの生徒だろう!
きっと金持ちに違いない・・・
お嬢様・・・
あの女子大に通っているニセお嬢様とは違うよな・・・
ちょっと北谷を見ると不安になってしまうのだが・・・
そんなことを考えていた俺だが、
一応、そんなことを聞くのは野暮かと思っていたのだが・・
「その方々はお金持ちでしょうか?」
・・・さすがは藤本・・・
躊躇がない・・・
こんな奴が大物になるのだろうか・・・
「金持ちやねんな。俺に声をかけてきた子は、家が医者だったはずやで。」
「「マジか!?」」
俺と藤本の声が思わずハモってしまうのであった!
「まじまじ、大きな病院の院長か何かをしてねん。
その子は次女やねんから、旦那サンが医者じゃなくてもいいって言ってたわ。」
「あわよくば逆玉の輿だな・・・。」
・・・俺も北谷も思っていただろうことを・・・あえて言わなかったのに・・・
まあ、確かにそう思っていたのだから、何も言うまい・・・
「で、いつ行くつもりなんだ?」
「今、調整中やねんけど、2日か3日に向こうの都合がいいらしくて
その辺りで、みんなで初詣に行って、そのあと食事でもって話をしているところやねん。」
「いく!!」
「当然俺も行くぞ!!」
「だけど、2日になった場合は、朝から行くねんけど・・・。」
「大丈夫だ!新幹線で1時間半ほどでこっちに戻ってこれるからな!」
藤本の言葉に俺もうなづき、
「這ってでもくるから、宜しく頼むよ!」
俺は北谷力強く頼むのであった。
「了解、あとは数人連れて行かなあかんねんけど
誰か年末年始にこっちにおるんかな?」
「分かった。まあ、明日の授業中にでも聞いてみるよ!」
「宜しく~!」
俺と北谷が人数集めを約束した時に、藤本は仏頂面をしていて、
「・・・他に人が来ると俺の取り分が減るんだけどな・・・。」
・・・ああ、そう言う理由?
「大丈夫だ!藤本!
お前に・・・
取り分なんてないからな!」
「ば、馬鹿な!!」
「・・・今までに取れたことあったか?」
「くぅぅぅ!!だが、今回は違うかもしれないだろう!?
いや、絶対に違う!!
だから、見ておれ森永!!
今度の合コンでは必ず俺がお持ち帰りをしてやるからな!!」
声高々に宣言する藤本だが、
「・・・ないな・・・。」
「ないわ・・・。」
俺と北谷の意見が一致するのであった。
俺達は邪な考えを持ってクリスマスの夜を過ごしていった・・・
絶対に来年はここにいないからな!!
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。