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藤本の初デート ~1~

勝負服のコーディネートはどうします?

「今日は人生の初デート記念日だ!!奢りだから好きなだけ頼んでくれ!」


「おぉ!!!マジか!」


「おめでとう!」


今は森永と柊と一緒に居酒屋に来ている。

俺の初デート記念を祝ってもらおうと思ってだ!!



「で、1つ質問なんだが・・・。」


柊が俺をマジマジと見ながら何やら聞きたいことがあるらしい。



「藤本は、その格好でデートに行ったのか?」


「ああ、この格好だが・・・何か問題でも?」


?柊の質問の意図が分からずに聞き返す。

何がいいたのだろうか?


ちなみに今日の俺のコーディネートは・・・


黒の革靴 (サラリーマンが良く履いてそうな靴)


白いシャツ (ここはおしゃれに胸元に可愛らしいライオンの絵が入っております)


赤いネクタイ (勝負の日は赤だ!!!)


そして・・・


白いジャケット (もちろん胸元には赤いバラ(造花)を入れている!!)


このコーディネートなのだが・・・


「何か問題があるか?」


「・・・問題しかないだろう。」


「どこを見てもイケてる服装だと思うけどな??」


どうやら柊には俺の服装のセンスにはついていけないようだ。


・・・いい友達なのに・・・残念だ・・・



「・・・何か言えよ、森永。」


「ノーコメントだ。

 それにこのコーディネートを受け入れてくれる人もいるはずだしな。

 だって、お笑いにもこんな格好した芸人いるじゃろ?」


「・・・ちなみに今日のデート相手から聞いていこうか。」


「おう!!その話を聞いてくれるか!!」


なぜかコーディネートの話はそこで終わってしまい、今日のデートの相手へと話が移る。

まあ、俺としては話したいのでその話題に乗って話すのだが・・・



「今日のデートの相手は同じ部活で、更には同じ楽器をやっている先輩だ!」


「・・・一応確認だが・・・女か?」


「当たり前じゃないか!・・・森永、俺が男に興味があるとでも?」


「いや、一応女性と本当にデートしたということを確認したくて・・・。」


「どういうこと?」


「森永は藤本が本当に女とデートしたということにショックを受けてんだよ。」


「ああ!そういうことか!!!

 すまない、藤本・・・俺は一歩大人の階段を上っているんだ。」


親指を立てて、右手を突き出すと、何とも言えない顔をしながら藤本は飲み物を飲み干す。



「で、それでデートはどうしたんだ?」


「ああ、今日は同じ楽器を扱う者同士ということで、

 弦を買いに行くことにしたんだ。

 それで一緒に電車に乗って、楽器店まで行ったんだよ。」


「・・・なんだか普通のデートだな・・・。」


「ああ。だから、普通のデートだって言ってるだろう!!」


「そうだけど・・・。」


「そう言えば、藤本、お前に助言がある!

 柊には釈迦に説法になだろうがな・・・。」


「なんだ?」


「女性は花束を貰うと喜ぶと言うのを知っているか?」


「・・・まあ、女性ならそうじゃないのか?」


「そう思うだろう・・・だけどな!違うんだよ!!」


「・・・マジでか!?」


「・・・お前ら二人の発言がマジでかだよ・・・。

 別に花束を好きな女の子もいれば、好きじゃない子もいるだろうに。

 それに家に持ち帰っても、花瓶とかなかったら、

 その準備からしなくちゃいけないじゃん。」


「「マジでか!?」」


俺と森永の声がハモる。



「・・・お前らに俺がマジか?って言いたいわ。」


「それでか・・・。」


「何がだ?」


「いや、花束を渡したのだが、あまり喜んでくれなかったんだ・・・。」


「じゃあ、その先輩はあんまり花が好きじゃなかったんだろうな。」


「そういうことだな・・・。

 ところで、相手が花が好きかどうか知るにはどうすればいいんだ?柊。」


「え?・・・聞いたらいいんじゃないの?それか普段の行動を観察するとかさ・・・。」


「「はっきり言おう・・・。」」


ここで俺と森永のシンクロ率が急激に上がっていく・・・



「「それが出来たら苦労せんわ!!!」」


「・・・え?」


「え?じゃないぞ!そんなことを聞けたら、最初から相手の好きな物を渡すだろう?」


森永の意見に俺も追加する。



「それに相手の好きな物が高価なモノだったらどうするつもりだ!

 俺はそんな金はないぞ!!」


「・・・藤本・・・何か怒るポイントがズレている気がするけど・・・。」


「・・・そうか?それで恋愛マスター柊よ、じゃあ、俺はどうすればよかったんだ?」


「恋愛マスターを名乗ったこともないし、今後も名乗ることはない。

 ってことだけをまず全力で否定させてくれ。」


「そうか?この3人の中で、彼女がいるのはお前だけだし、

 そもそも女子と付き合ったことがあるのもお前だけだ。」


「・・・森永に聞いたことがあるのか?」


「ない!!が、森永は俺と同じ男子校に中・高通っていたんだ。

 きっと経験はないだろう」


そう言いながら、森永を見ると森永が何か気落ちしたような雰囲気を醸し出していた。


「・・・どうした?」


「・・・確かに中・高は男子校だったけど、

 藤本の場合は更に予備校に行っているじゃないか!

 そこはさすがに男女共学だろう?」


「・・・ふ・・・予備校だからといって、男女共学とは限らないんだぞ・・・。」


「え?そうなの?」


「ああ・・・ちなみに言っておくが、国立理系を目指すクラスでは男子が圧倒的に多い!

 というか、男子しかいない塾があるんだ!!」


「・・・まじか!?」


「ああ、そして俺はもちろんそこ出身だ・・・

 なんで・・・


 7年間も女子がクラスにいない生活をしなくちゃいけなかったんだ!!!」


「え?それ選んだのお前じゃない?」


柊からの厳しいツッコミが入る。


「・・・ああ、俺だ・・・だが、俺はその時は未来を見ていたんだ・・・。」


「未来を?」


「そうだ・・・。

 皆が知っている大学入る・・・。

 そうすれば・・・」


「そうすれば?」


「女子から話しかけられる!!!ってな!」


「・・・で、結果は?」


「・・・皆無なり・・・。」


「・・・自分で何とかする気はないのかよ。」


「ああ、俺も大学に入って2週間経ったから学んだよ!」


「お!じゃあ、積極的に声をかけていくんだな?」


「ああ!そうしなければ・・・めぼしい女子が盗られてしまうからな!!」


「・・・やけに力が込められてるな・・・。」


その声には切実な思いが込められていたのであった。


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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