学祭 ~一回生:屋台編 5 ~
唐揚げとフライドポテトは学祭の定番ですな!
天文部の屋台でいつもの藤本に戻ってくれたので、
そのまま屋台を練り歩くのだが、
俺は一つだけ気になる屋台を見つけた・・・
これは藤本にも間係するはずだ!!
なぜなら・・・・
オーケストラ部が屋台を出していいるのだが!?
「おい、藤本!あれはどういうことだ?」
「?あれはオーケストラ部の屋台だが?」
「いやいや、何を落ち着いて回答してるんだよ!お前の部活だろう?」
「ああ!その通りだ!!」
「で、なんでお前は手伝ってないんだよ?」
「あれは、やりたい奴がやるだけで
やりたくなかったらやらなくていいんだよ。」
「・・・ホントか?」
「ホントだっての!!しかもあそこにいるのは基本的には男達だけだからな!」
「いやいや、それなら尚更お前がいろよ!
確かオーケストラ部って男子が5人しかいないんだろう?」
「バカな!!どうして男しかいない屋台を俺が手伝わなければならないんだ!!!」
「・・・もし企画したのが女子部員だったら?」
「もちろん参加したよ!!当たり前だろう!何を言っているんだ森永!」
「・・・ある意味期待通りの回答をありがとう。」
「どういたしまして!」
バッチリな決め顔で俺に返事をしてくれるのだが、
自分が言っていることがどれだけ最低なことなのかを
こいつは理解しているのだろうか?
しかし・・・藤本の言う通り、希望者で
しかも男子が運営していると言っていたのだが、
それにしては、ひっきりなしにお客さんが
屋台でフライドポテトや唐揚げを買っていくのだが・・・。
確かに温かい食べ物が好まれる気温ではあるのだが、
それにしても多い気がする・・・
「・・・ちょっとオーケストラ部の屋台を見て行かないか?」
「うん?見ても男しかいないところだぞ?そんな所に見る価値はないと思うがな。」
・・・こいつの性格は本当に分かっているとは言え、
自分の部活が出している屋台について本当にケチョンケチョンに言うなこいつ・・・
「まあ、少し見るだけだから。」
「・・・ふぅ~む、仕方ない。」
本当に興味がないんだろうな・・・
あからさまに態度に出てていて、めんどくさそうに歩いている。
ただ、その態度も俺達の視界に屋台の人が見えるまでであった!
屋台に近づく俺達の目に飛びこんできたのは・・・
「どうして女の先輩達が手伝ってるんだ!?」
驚く藤本!
どうやら本当に女子の先輩が手伝っていることは伝えられていなかったのだろう。
っていうか、屋台には女子しかいない気がするのだが・・・
俺と藤本が屋台を見ているのに、
受付をしていた女子生徒が気づいたようで、
「あれ?藤本くん!?藤本くんは大丈夫だったの?」
「何がですか?」
「男子部員、みんな腹痛で立てないらしいじゃない!」
「・・・え!?」
「だから、急遽私達が対応しているのよ。
材料も機材も準備し終えてたからね~。」
「・・・マジですか!?」
話を聞くと、どうやら昨日試験的にからあげやフライドポテトを作って、
一応練習をしたようなのだが、どうやら唐揚げがうまく火が通っていなかったようで、
試食に参加していた4人全員が下痢となったようだ・・・
そこにも参加していない藤本は無事だったと・・・
一応、オーケストラ部での参加しているということで
部長を含めた先輩達で運営をしているらしい。
・・・女子だけでだな・・・
こうなるとこの男の行動は・・・
「僕も手伝いましょうか!!!」
・・・やっぱりそうなるよな・・・
そんなに長い付き合いでもないのだが、
次に藤本の行動がどんどん読めてくる。
・・・なぜわかるのに、こんなに体が拒否るのかはわからないけど・・・
さっきまで誰が手伝うか~!!って言ってた奴のこの変わり身の早さ!!
女子が絡むと本当に掌を返すのが早すぎる!!
「え?いや、邪魔だし。」
「・・・え?」
「藤本君は・・・いらないかな。」
そう言って、笑顔で手で犬に向こうに行くようにシッシとする・・・
呆然とする藤本・・・
・・・お前の信用は・・・
すでに底辺にいるようだな・・・
さっきの最初に言った『邪魔だし』がきっと部長の本心なんだろう・・・
お前・・・部活でいじめられてないか?
俺はそれが心配になってきたぞ・・・
「どうやら・・・俺はみんなから大切に思われているようだ・・・。
油で跳ねる屋台で火傷をしたり、更にはこんな寒空では
俺が風邪を引いてしまうという配慮なんだろうな~・・・。」
・・・
うん!大丈夫だ!
こいつは、いじめられていてもきっと幸せに過ごすだろう!
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。