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学祭 ~一回生:屋台編 4 ~

はしまきってメジャーじゃないことに驚きが・・・

未だ先ほどのショックから抜け脱せずに呆然と歩く藤本であったが、



「おい!藤本、柊のいる天文部の屋台だぞ!」


「・・・うあ?ああ、柊のところか・・・しかたない行って、冷やかして帰るか。」


そう言いながら、天文部の出す屋台に行く。

こいつが冷やかしと言ったら、本気で冷やかしに行くつもりだろう・・・

ホント、みょうなところでケチな男なのだ。



「お!藤本と森永じゃん!買いに来てくれたん?」


「いや!冷やかしに来た!」


そう胸を張って断言する藤本に思わず苦笑する柊。

俺も横にいて恥ずかしいんだけど・・・



「まあ、俺は買いに来たけどな。はしまき一本くれ。」


「まいど~、200円になります。」


そういいって、手際よく巻いていく柊。

慣れた手つきで作ってくれる。



「そういや森永、こっちじゃあ、はしまきって全然有名じゃないみたいだぞ!」


「え!?どういうこと?こんなポピュラーな食べ物がか!?」


「だろ~。みんなはしまきなのに、箸から外して食べるんだよね~。」


「・・・マジでか・・・。」


驚愕の事実が突きつけられた。

はしまき程のメジャーな食べ物が関西では知られていないなんて・・・


そこにちょうどいいタイミングで、

坪倉さんが天文部の屋台にひょっこりと現れた!



「おいちゃ~ん!遊びにきたで~。」


「お!買っていってくれるん?」


「いやや。」


「お前も冷やかしか!!邪魔するんなら帰って~。」


「ほな、帰るわ!・・・って、どうしてせっかく来たお客を帰すんで!!

 むむむ、せっかくおいちゃんに差し入れ持ってきてんのに・・・。」


「うそ!うそです!

 楽しみにしてたんだんよ~!

 さすがは坪倉ちゃん!気がきくね!!」


「もっと褒めたってや!」


「今日も可愛いね~。ここまで来るまでの間に色んな人から声かけられたやろう?」


「せやねん!なかなかここまで来れへんかったんやわ~。

 なかなか気分がいいでおいちゃん!

 しゃあないな~、じゃあ、1つ貰おうか!」


「まいど~。」


そう言って手際よく柊がはしまきを坪倉さんに渡す。

俺は坪倉さんがはしまきをどうするのかを固唾を飲んで見守っていた。



「いくら?」


「いつもお世話になってるからいいよ。」


「ええ!?いやいや、払うし!?」


「え、いいよ。別に・・・。」


そういって、出来立てのはしまきいを渡すのだが・・・


柊・・・


俺からはキッチリと金を取ったよな?


・・・まあ、女子と男子の差か・・・


というか、たぶん坪倉さんの持ってきた差し入れのせいだろう・・・


どんだけ詰めてるんだあのカバンに!?


パンパンなんだけど!!


あれ・・・全部やったぱり差入だよな?


ジッと坪倉さんを観察していたのだが、

はしまきを受け取った坪倉さんの次の行動に驚く!!


坪倉さんが、はしまきの箸を抜こうとしたのである!?



「スト~プ!!!坪倉ちゃん!!」


「え?」


「それはそのままかぶりつく食べ物なんだよ!!」


「ええ!?」


・・・本当にこっちの人は知らないんだ・・・


今、躊躇なく箸を抜こうとしたぞ・・・


それに屋台の前に置いてある天かすや紅ショウガなどのトッピングも使わなかったし、

本当に知らないんだな・・・


その後、オーケストラ部からは御船さん、前田さん、武田さんの3人組も

天文部の屋台に来て、はしまきを注文するのだが、


3人とも箸抜こうとするし!!!


本当に関西人ははしまき知らないんだ!?



「ちょっとストップ!!3人ともこれはこのまま食べるもんなんだよ!!」


柊が毎回慌ててストップをかけるのであった。


その後も岩崎さんや熊谷さんも抜こうとする。


ただ、日暮さんや田中さんは西日本出身のため

はしまきを知っており、そのまま食べていたのである・・・



「どうやら西日本では通じるらしいな。」


「みたいだな・・・。俺1つ賢くなれたわ。」


俺と柊がはしまきについての認識を改めている中で、

藤本は1人、こちらを見て震えていたのたである。



「どうした藤本?」


「どうしてなんだ・・・。」


「うん?」


「どうして、柊の傍には女子が寄ってくるんだよ!!


 俺が求めている大学生活はまさにこれだよ!!!

 

 何で俺には近づいてきてくれる女子はおろか、

 差し入れくれる女子が現れないんだ!!」


・・・どうやらいつも通りの藤本であるようで、心配する必要はないようだ。


平常運転のようで良かったよ。


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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