学祭 ~一回生:柊の彼女編 4 ~
ポンコツ’ズ!
そろそろ演奏が始まるという頃になると
岩崎さんが自分が確保していた・・・違った!
下僕たちに確保させていた席へと戻っていった。
ふぅ~・・・やっと絶対零度が止んだぞ・・・
危うく凍死してしまいそうでした・・・
何とか命があったことを本当に幸せに感じています・・・
その後、オーケストラ部の演奏が始まるのだが・・・
初めて藤本が演奏をしている姿を観た!
・・・が!!
俺はあることに気づく!!
あいつ・・・
難しい所を・・・
弾きやがらねえぞ!!
明らかにエアー弾きをやってやがる!!
丸わかりだ!
周りが動きが早い中で、なんであいつだけゆっくりと弾いてるんだよ!!
同じ楽器を弾いている隣のマネをしろよ!!
自分流でっとか思ってるんだけど、駄目駄目な大根役者だぞ藤本!
せめてフリをするなら、もっとちゃんと演技をしろよ大根役者!!
・・・あ!?
ついにフリをするのも止めやがった!!
完全に手を止めてんじゃねえか!!
しかも前のチェロ奏者の後ろに微妙に隠れて、
自分の姿を見えないようにしてんじゃねえよ!!
お前、弾けないなら演奏会になぜ出たんだ!?
明らかに練習不足で弾けてねえじゃねえか!!
っていうか、そんなに弾けてないのに
何で俺と一緒に外食しに行ってんだよ!!
しかも・・・
週5で俺と外食してただろう!!
いや、俺も気づいていたよ・・・
お前が練習してないことは・・・
それで本当にこいつ大丈夫なのか!?って思ってたよ!!
一緒に食べに行ってたのに俺は大丈夫だったのかって?
俺は夜中に学校に行って練習してたんだよ!
何で夜中にって?
だって、誰かに聞かれるのイヤじゃん!
恥かくのイヤじゃん!
・・・え?
なら、軽音部に入るなって?
だって・・・
俺だってモブを卒業したいじゃん!!
取り巻きAなんてもう嫌なんだよ!!
せめてサブキャラがいいんだよ!!
勇者と一緒に旅するメンバーくらいにはなりたいんだよ!!
村人Aはもう嫌なんだよ!!
軽音部に入れば、俺にもスポット当たるかもって可能性を掛けたいじゃん!!
・・・え?結果?
・・・
俺はさ・・・
結果よりも努力している姿が素敵だと思うんだ。
そんな結果なんて些末なことを気にする必要なんてないだよ!
俺がバンドを結成して、ボーカルは俺がやってんだよ!
だけど・・・
俺だけ彼女が出来てないんだよ!!
バンドの花形ってボーカルじゃないのかよ?
ならなんでボーカルが一番モテねえんだよ!!
俺はどうして主人公ポジションになったとしても、モブにしかならないんだよーーー!!!
ああ・・・
今日も目から汗が流れて止まらねえや・・・
そんなことを考えていると気がつけばオーケストラ部の演奏が終わっていた。
オーケストラ部の部員一同がお辞儀をして、部員がステージを降りていた。
・・・
俺、そんなに長時間凹んでいたのかな?
ま、まあいい!
俺と藤本の本番が今から始まるんだ!!
ここまでは序章にすぎないのだからな!
クヨクヨするのはここまでだ!
ここからは気合を入れて行かないといけない!!
だって、俺と藤本の未来がここからの行動にかかっているのだからな!
演奏を終えて、一目散に楽器を持って舞台から降りた藤本から
俺に電話があり、俺達がステージの観客席にいることを伝えると
『じゃあ、そこに居てくれ』と言われたので柊達と藤本を待つことに。
ちなみに藤本との電話では、
「で、森永、首尾はどうだった?」
「・・・だめだ・・・俺は何もできていない。」
「な!?結構な時間があっただろう?」
「・・・すまない・・・。」
「この役立たずが!!まあ、俺が行くんだ、待っていろ森永!!」
「ああ、頼む。」
藤本には嫌味を言われてしまったが、
自分でもわかるくらいに使えない結果であることはわかっているのだ。
だから、甘んじてその評価は受け入れよう・・・
期待しているぞ藤本!!
あれだけ図々しいお前ならきっとやれると信じている!!
電話を切り終えて5分ほどで藤本が俺達の前にたどり着いた!!
まだまだオーケストラ部の面々は片付けをしているのだから、
どれだけ急いできたかがよくわかる。
藤本・・・それだけかけているんだな・・・
俺が見た藤本の顔には、やる気が満ちた顔をしている!!
その顔を見ると俺は確信する!
これならやってくれる!
こいつなら仲良くなって・・・
連絡先を交換して・・・
新たなコネクションを作ってくれると!!
そう期待できるだけの予感がするのだが・・・
「は、は、はじぇ・・はじめました!」
・・・何をお前は始めたんだ藤本よ・・・
その一言だけで俺はすべてを悟った・・・
だめだ・・・
こいつもポンコツだ・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。