学祭 ~一回生:柊の彼女編 3 ~
女の戦いは、男が触れちゃあダメだ・・・
何とか、3人で座れる空いている席を見つけて、
そこに3人が並んで座った。
正直・・・
俺は1人で演奏を聞きたかった・・・
そもそもカップルの中にいるって言うのは、カップルに取って邪魔すぎじゃないですかね?
しかもたまにしか合わないカップルなんて言ったら、
ホント、空気を読んで離れる方がいいと思うんですけど!!
ど、どうしようかと思っていると、
1人の女性が俺達に声をかけてきた。
その声をかけてきた女性の顔を見ると・・・
戦いの予感を感じたのだ・・・
やっぱり逃げるべきだった!!
「こんにちは!」
「ああ、こんにちは、岩崎さん。そう言えば、こっちが俺の彼女です。」
「初めまして。」
ニッコリ微笑む彼女さん。
その笑みは本当に純粋無垢でまぶしすぎるほどだ!
・・・邪な気持ちで近づいていてすいません・・・
そう懺悔しながら、思わずその場でひれ伏しそうになるのだ・・・
「初めまして!いつもお世話になっております。」
・・・
どうしてただろう・・・
こちらも美人である岩崎さん・・・
その笑みはいつにも増して・・・
どす黒いモノを感じてしまうのだけど・・・
何か駄々洩れですよ!岩崎さん!!
そう叫ばずにはいられない・・・
そう言えば、いつも美人だと思っていた岩崎さんなのだが、
今日に関しては、いつもに比べて一段と美人だと思える。
服装も化粧もいつもより一段上なのかな?勝負服ってやつか?
・・・いや、俺が評価するのもどうかと思うのは知っている・・・
女子でもないし!
何よりイケメンじゃない!
だから、お前が査定すんじゃねえ!と言われるのは甘んじて受け入れよう!!
だけど、よく飲みに行ったり、家庭教師でお世話になっているのだから、
結構な頻度で話していると思うし!
ちょっとくらい査定してもいいじゃないですか!!
そんな俺がいつもよりも一段上と思えるのだ!!
・・・
もしかして男と一緒にいるとか!?
俺は周りを見回すのだが・・・
うん!
いつもの取り巻きズの面々しかいない!
10人ほどの男性が伊藤さんのために席を確保し・・・
喉が渇いた時用のジュースを持っており・・・
お腹が空いた時用のご飯を用意している・・・
うん!
いつも通りだ!!
・・・なあ?
工学部の男連中はあんなバカばっかりじゃないのだろうか?
何で、そんな1人の女性にみんなで尽くしてるんだよ!?
・・・え?
もしお前が岩崎さんが近くにいたらどうするかって?
もちろん、取り巻きズの中にいて、団扇係として暑い時は扇ぎますとも!!
・・・
そんな目で見るな!!
俺だってしがない男なんだからな!!
もし美人に優しくされるなら俺は全財産をつぎ込む!!
そんな男なんだぁ~~~!!
・・・話が脱線しすぎました!
さきほどから柊の彼女さんと岩崎さんが会話をしているのだが・・・
気のせいだろうか?
俺には2人の視線上で火花が散っている気がするんですけど?
・・・
ダメだ・・・
これは触れちゃあダメな奴だ。
ここに男が参戦してもロクでもない結果しか見えてこない。
柊もこの戦いには不参加を表明しているかのように
手元にある演奏スケジュールを見ているし!
俺もスケジュールを・・・と思ったところで、
ステージについに藤本が登場したのであった!
俺は声をかけようと思ったのだが・・・
あれ?
動きがおかしい・・・
っていうか、あいつ・・・
柄にもなく緊張してないか?
だって、朝会った時は、
「俺が緊張するわけないだろう!今日もガッツリとカレーを朝から食べれたぞ!」
いつもと変わらず大食漢をアピールしていたけど・・・
・・・普通に緊張してるじゃねえかよ・・・
楽器を持ち運んできて、調整を始める藤本。
柊は彼女にアレが藤本だと教えているのだが・・・
「「あ!」」
岩崎さんと柊の彼女が同時に声をだした。
その声を出した両者は、また同時にお互いを見つめあうのであった。
その視線はまた火花を散らしているようにみえるんですが・・・
「どうしたの?」
2人に聞く柊に、
「音がズレてるのよ。」
「チューニングしてないのかな?」
・・・え?
何を言っているんだ2人とも?どういうこと?
だって、オーケストラ部のみんなが一斉に調整をしてるんだよ?
そんな中で藤本だけの音を聞き当てるわけ?
さっき俺がギター弾けることを褒めてくれたけど、
そっちの方が凄くないですかね?
それ絶対音感ってやつですよね?
・・・ちょっとスペックが高すぎて引きそうなんですけど・・・
「2人ともやっぱりすごいんだね。」
柊が2人をほめる。
すると岩崎さんが、
「柊君の彼女さん凄いんだね。」
「いえいえ、岩崎先輩もすごいですね。」
2人がお互いを讃え合う。
普通は讃え合う姿は素晴らしいとよく言うが・・・
そんなこと全然ないじゃんかよ!!
寒い!
寒いから!!
何か、ここ、絶対零度の空気が流れてますから!!
だれか!
誰か毛布!
毛布あるたけ持ってきてください!!
じゃないと、俺、ここで凍死してしまいます!!
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。