Ⅰ.プロローグ[月の海]
私の小説執筆初期になる頃の作品になります。
月の海…。ノワールの海。
それも観える地球という惑星。そこにある海洋の痕跡。そんな場所。何かに聞いた。それは凡ての生命体が虚宙というそこから生まれて来たという…。
死星…月。そこにノワールに見える月の海。そこはいつかにあった海というような黒い海の痕跡があるようだというようだった。そして地球の表面。地上にいる生命体はそこにある死星…月に死を連想してはそれに思う事をして来た。
そんな地球という惑星の生命体もいつか行き着く場所なのか…。何故か…そんなようにも思う事をした。
仄暗さがある月明かりのなか。…ぼんやりと観えるノワールの月の海。そこにいつか想いも辿り着くような…何か…そんなような気がしていた。
目醒めればそこは現実なのか。それとも儚い睡夢のなかなのか? ノワールの月は、今日も中天の宙に浮いていてはその生命を見つめているような気がした。
それは限りある生命に運命づけられた地球という惑星の終焉にまでに囚われ続けるのであろう死星…。月は…。それと限りあるようにも繰る。曉に訪れるその刻の一点の振り子の移り変わりで揺れている事にある明るさによって、そこで段々と消えて観えなくなってゆく。
どこかそれもいつかに見ていたと感じた。そんな物語に重なってもいると思えた事だったような気がしている。