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ご当地ラーメンで異世界の国おこしって!?  作者: 忠六郎
第三章 シェルブルック王国編
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第六十五話 男の見せ所

そして翌朝、


「ん…あれ?」


目が覚めた幹太は自分の置かれた状況に驚いた。

まず第一に、服を着て寝たはずの自分がパンイチになっている事。


ガチャガチャ!


「あれ…?どうなってんだ?」


そして第二に、どうやら幹太の両腕と両足は広げた状態でベットに固定されている。


「これは…動けないぞ…」


寝起きでまともに回っていなかった幹太の頭が、この状況がいかに危険なのかをだんだん理解し始める。


「えっと…俺がこうなる理由は…?

まぁ…完全にお姉さんの仕業だな…」


「その通りだ!芹沢幹太っ!」


幹太が全てを理解した瞬間、彼の頭の上からビクトリアの声がした。

そして、彼女は逆さまに幹太の顔を覗き込む。


「フハハッ♪よく私だと分かったな、芹沢幹太!」


ビクトリアは朝から元気な大声だ。


「いや、だってお姉さ…」


「キサマにお姉さんと呼ばれる筋合いはないっ!」


「…すいません。このお城の中でこんな事が出来るのはビクトリア様しかいないと思いました…」


「そうか…なかなかに鋭いな芹沢幹太」


「いや、誰でも…」


「うるさーい!今は私が話しているんだ!」


「…はい」


幹太は色々と言いたいのをグッと堪えた。

というより、四肢を縛られて自由のきかないこの状態では、おとなしくせざるを得ない。


「芹沢幹太…今回、ローラお母様の条件をクリアした事はひとまず褒めておこう。

準備期間も短い中、立派だったと思う」


ビクトリアは腕を組み、幹太の縛り付けられたベットの周りをウロウロと歩きながらそう話す。


「ありがとうこざいま…」


「しかーし!それはアンナや他の女性達の手伝いがあったからに過ぎないっ!

わかっているかー?芹沢幹太?」


「えぇ、それは…そうですね。

アンナと由紀、ソフィアさんとシャノン、それから王妃様達の協力があっての条件達成だったと思います」


幹太は素直にそう認めた。

もし幹太が一人で出店したとしても、当然、今回のような成果は得られなかったであろう。

全員が協力し合ってこそ、この結果を掴んだのだ。


「….う、うん、そうだぞ。わ、分かっているならばよい」


「それで…その、俺はなぜ縛られてるのでしょうか?」


「それはだな…」


そう言って、ビクトリアは背後から一晩かけて念入りに研いだナイフを取り出した。


「ビ、ビクトリア様…?」


幹太は焦った。

まさがビクトリアがそこまで思い詰めているとは思っていなかったのだ。


「安心しろ、芹沢幹太。

なにも殺そうという訳ではない…。

その…先をちょこっと切るだけだ」


彼女の視線が幹太のリトル幹太に注がれる。


ガチャッ!


幹太は股間にゾクっと寒気を感じ、思わず両手で隠そうとするが、縛られているため隠せない。


「び、ビクトリア様…?本気で…?」


「あ、あぁ、ほ、本気…だ」


ビクトリアは若干青ざめつつ幹太の上に乗り、後ろを向いて馬乗りになった。

どうやら彼女自身も腹をくくり切れていないらしく、ナイフを持つ手が震えている。


「まずはこの下着を…」


ビクトリアはゴクリと唾を飲み、幹太のパンツに手を伸ばす。

早朝の男子の一番センシティブな部分に、ビクトリアの両手が迫った。


「んっ!?ビクトリア様っ!そこはっ!?」


「キャー!なんか柔らか固いっ!」


ビクトリアは恥ずかしさの余り、目をつぶって幹太のパンツを脱がそうとしているため、他の色々な部分に触ってしまっていた。

そもそも足が縛り付けられているいまの状態で、彼のパンツを脱がす事は不可能なのだが、彼女はそれにも気づいていない。

しばらくの間、爆乳の金髪美人お姉様が縛り付けられた男をまさぐるという、一部のマニアには堪らない状況が繰り広げられた。


「キャー!キャー!?

んっ? これは…?…ギャー!!なんかブルンッてしたっ!!

もーいい!こんなモノ切り裂いてくれる!」


パニックに陥ったビクトリアは、幹太のパンツの隙間にナイフを差し込んだ。

そして、それを一気に上へと引き上げ、彼のボクサーパンツをスパッと切る。


「あぁっ!ヤバいっ!」


幹太はなんとか隠そうと暴れるが、逆にそれによってするりとパンツが横にズレでしまう。


『もうだめだ!』


幹太が色々と覚悟したその瞬間、


「はっはっは!これで貴様のキサマ自身を…?

えっ…?やだっ!?なに…これ…?

こ、こんな形のみたこと…きゅう〜」


と言って、ビクトリアは突然気を失ってしまった。

いつもは凛々しいビクトリアではあるが、男性に対してはまだまだ純情可憐であり、精神が限界を迎えてしまったのだ。


「あ、危なかった…でも、これどうすんだ…?」


幹太はそう言って、なんとかこの状況から抜け出そうともがく。


とそこへ、


「幹太さんっ!」


とアンナが部屋へ飛び込んできた。


「幹ちゃん!」


「幹太さん!大丈夫ですか!?」


アンナの後ろには由紀とシャノンの姿も見える。


「あ、あぁ、良かった…助かったぁ〜。

誰かビクトリア様をどかしてくれ」


幹太は首だけ動かしてアンナ達を見た。


「か、幹太さん…?」


「か、幹ちゃん?」


「幹太さん、アナより先にビクトリア姉様と…?」


引きつった顔をする三人にそう言われ、幹太は自分のお腹の上に視線を戻した。

今、幹太の視界いっぱいに広がっているのはビクトリアのお尻だ。

なぜか彼女は寝巻きで幹太の部屋へ来たらしく、スケスケのベビードール姿であり、幹太から見るとビクトリアのシークレットがとても危うい状態だった。

さらに彼女は幹太の上に後ろ向きで馬乗りになっていたため、気を失った時に頭が幹太の股間の辺りに乗ってしまっている。


「ご、誤解だ!」


幹太はプロポーズから一晩で、浮気男定番のセリフを吐いた。


「幹太さん、やっぱりお姉様のようにオッパイのおっきな人が…」


「幹ちゃん…縛られて喜ぶなんて…私…亡くなったおじさんとおばさんになんて言えばいいの?」


「アナ、由紀さん…この状態、よく考えたらこれはお姉様が…」


「い、いいから!とりあえず早く解いてくれー!」


その後必死で弁解をして、幹太はようやく解放された。


「いや〜ナイフを出された時はさすが死ぬかと思ったよ…」


「お姉さん…やっぱり反対なんだねぇ〜」


由紀は部屋の片隅で、気絶したまま縛られたビクトリアの方を見た。


「お母様達で説得していただけるというお話でしたが、やっぱり私も少し話してみます」


「そうですね。では私も一緒にお話します」


「ありがとう、シャノン♪」


「俺もビクトリアさんとちゃんと話してみたいな…」


「そうだね♪家族になるんだから、ちゃんと話しておかないとね、幹ちゃん♪」


「それで幹太さん、今日はどうしますか?」


アンナがビクトリアに毛布をかけながら幹太に聞いた。


「いや、今日は休みにしようと思ってたんだけど…。

なんか用事あったかな…?」


「でしたら、お昼にお母様達からお食事に誘われています。

お返事してもいいですか?」


「うん、こちらこそぜひ。

昨日はちゃんとお話できなかったからな」


「では、そう伝えておきますね。

じゃあシャノン、とりあえずお姉様を連れてお母様達の所へ行きましょう」


「えぇ、では幹太さん、由紀さん、後ほど。

お食事の件、ソフィアさんにもお伝え下さい」


そう言ってシャノンはビクトリアの首根っこを掴み、ズルズルと引きずりながらアンナの後を付いて行った。

スケスケの下着を着けたお尻が床に擦れ、とても痛そうである。


「そんじゃ俺達はソフィアさんを起こしに行くか?」


「そうだね、そうしよっか♪」


そうして二人がソフィアの部屋へ行くと、隣の部屋でリトル幹太の暗殺未遂があったにもかかわらず、ソフィアは幸せそうな顔でスヤスヤと眠っていた。


しばらくしてお昼になり、幹太達は王宮の中庭をローラの私室に向かった。

幹太とソフィアが先頭を歩き、その後をなぜか微妙な表情で、アンナ、由紀、シャノンの三人が歩いている。


というのも、


「ふ〜♪ふ〜ふん♪

お庭、綺麗ですね〜幹太さん♪」


「あ、あぁ、そうだな…、

で、ソフィアさん…もうちょっと離れて…」


「え〜いいじゃないですか〜♪

ほら、あっちの池にはお魚が〜♪」


と、先ほどからソフィアが幹太にピッタリとくっついて離れないのだ。

三人の表情が微妙なのはこれが理由であった。

どうやら幹太にプロポーズされた事で、ソフィアの中で何らかのタガが外れたらしい。


「アンナ、ソフィアさんって旅してる時もああだったの…?」


「い、いえ、私もあんなソフィアさんは初めて見ました…」


「ソフィアさん、本当は甘えたがりだったのでしょう。

やはりお三方でお嫁に行くならば、色々と譲り合いが必要そうですね」


「その通りです、シャノン。

とりあえず、お母様のお部屋まではソフィアさんのターンということで。

由紀さん、帰りはジャンケンですよ」


「そうだね。私もたまには幹ちゃんとくっつきたいし♪」


そんな話をしている内に、四人はローラの私室に着いた。


「みなさん、いらっしゃい♪」


「ローラのお茶、美味しいわよ〜♪」


二人の王妃は部屋の中心にあるテーブルに座りお茶を飲んでいた。


「お待たせ致しました、お母様」


五人はアンナを先頭に部屋に入る。


「あら?さっそく仲が良いのね♪」


ジュリアにそう言われ、アンナが後ろを振り返ると、ソフィアが幹太と手を繋いだままローラの私室に入る所であった。


「お、俺は離して下さいってお願いしたんです…」


「ダメです〜♪」


「そのままでいいわよ♪

それじゃこっちに座って、実は今日はお話しもあるの」


幹太達はジュリアに促され、二人の座るテーブルの席についた。


「ローラ、お昼ご飯前にお話しちゃうけど、いいわね?」


「そうね。ご飯は後でゆっくり食べましょう」


「じゃあまずは芹沢幹太さん。

貴方はアンナと由紀さんとソフィアさんを愛している。

これは間違いないわね?」


ジュリア王妃、いきなり直球の質問であった。


「愛してっ!?その…」


好きというならまだしも、日本人である彼に「愛」という言葉はなかなかハードルが高い。

幹太は助けを求めて女性陣の方を見たが、シャノン以外の三人は目をキラキラ輝かせて彼の方を見つめるだけだった。


「は、はい。それで間違いないです…」


幹太はヘタレた。


「「「えー!もっとちゃんと言って下さ〜い!」」」


「まぁまぁ三人共、今はそれで我慢しなさい。

っと、それじゃ続けるわね。

約束通り、私達二人は三人の婚約を認めるつもりです。

ビクトリアは…そうね、今朝の責任を取るという事で認めさせちゃいましょう♪」


よく考えれば、一国の姫がナイフを持って男性の部屋を訪れるなど、王家の信頼を揺るがしかねない大事件である。


「イヤッホゥ!アンナやりました!これで本当に結婚できます!」


「やったね!アンナ!ソフィアさん!

あぁ、私が幹ちゃんと結婚する日が来るなんて…」


「お父さん、お母さん、ソフィアは幸せになります〜♪」


条件をクリアしたとは言え、実のところまだ三人は不安であった。

それが昨晩の幹太からのプロポーズとたった今、王妃二人に認められたという事で、ようやく心から安心できたのだ。


「あら、まだ喜ぶのは早いわよ。

ね、ローラ?」


「そうね。まだちょっと早いかしら♪

アンナちゃん、貴方達はまだ大切な人にご挨拶してないわ」


「大切…?あっ!ムーアですか!?」


王国魔法協会の重鎮、久しぶりの登場である。


「うふふっ♪確かにムーアは泣いて反対しそうだだけど…ムーアじゃないわね♪」


「あ〜なんだか私達の時の事も思い出すわね、ローラ♪」


と、ローラの肩に手を置くジュリアはとても楽しそうだ。


「うん、そうね♪」


二人の王妃は、少女のような表情でその時の事を思い出す。


「そ、そうか…それがあったな…」


と、そこで幹太が何かに気付いた。

彼の手はテーブルの上で固く握り締められ少し震えている。


「幹太さん?」


「アナ、ご挨拶しなければならないのはお父様にですよ」


「あっ!そうでした!

私、指輪のお話しをしてから、お父様になんにもご報告してませんっ!」


「そうよ〜アンナ♪

トラヴィス、とっても心配してたんだから♪」


「うん。最近は食欲もなくなってるぐらいね」


「そ、そうですか…それはお父様に申し訳ない事をしました」


「でもね、今回頑張らなきゃいけないのはアンナじゃないの。

婚約で男親と言えば、すごーく大事な儀式があるじゃない?」


「確かに、私達の時もトラヴィスが頑張ったわ」


「そ、そうですよね…。

アンナのお父さんという事は…俺は国王様に…」


幹太はすでにプレッシャーに押し潰されそうだ。


「か、幹ちゃん…」


「幹太さん…」


由紀とソフィアも、気の毒そうに幹太を見つめる。


「フフッ♪そうです!

幹太さんにはこれからトラヴィスに挨拶していただきまーす♪」


「マ、マジか…」


幹太は思わず王妃にタメ語だ。


「そうマジ!なんかわかんないけどマジよっ♪

あ〜トラヴィスになんて言うのかしら〜?」

楽しみね、ローラ♪」


ジュリアは人生初の娘の婚約イベントにノリノリであった。


「どうかしら?やっぱり定番の娘さんを僕に下さいっ!がいいんじゃない♪」


いつもは控えめなローラも、ニコニコと楽しそうに話をしている。


「こ、国王様に挨拶って…?俺、ラーメン屋だぞ…」


当の幹太はほぼ意識を失い、お茶目な二人の王妃の目の前で茫然自失の状態だ。


「あの幹太さん…」


そんな幹太の袖をアンナがクイクイと引いた。


「その…無理しないで下さいね。

お父様なら、私がなんとかしますから…」


そう言うアンナの表情は、心底申し訳なさそうだ。


『プロポーズした矢先にこんな表情をさせてちゃダメだ!』


幹太はなんとか意識を取り戻す。


「だ、大丈夫だよ、アンナ。

俺、ちゃんとトラヴィス国王様にご挨拶する。

あと…」


そう言って、幹太は自分の後ろに立つ由紀とソフィアへと振り返る。


「すぐには無理かもしれないけど、由紀のおじさん、おばさんにも。

それからジャクソンケイブのソフィアさんのご両親にも必ずご挨拶に行くから」


「うん、そうね。

出来るかはさておき、私も幹ちゃんのご両親にちゃんと報告したいな♪」


「よ、よろしくお願いします〜幹太さん」


「それじゃお腹も減ってきたし、ご飯にしましょう。

ローラ、お願い♪」


「はーい♪」


そうしてようやくローラの素晴らしい料理での昼食会が始まったが、究極に緊張していた幹太には、その味がまったく分からなくなっていた。


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