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ご当地ラーメンで異世界の国おこしって!?  作者: 忠六郎
第6章 四人の花嫁編
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第256話 みんな一緒に

「キャー!」


「わっ!クレア様っ!な、なんでこんな時間に幹ちゃん部屋にっ!?」


由紀は慌ててベッドサイドに置いてあった寝巻きをパーカーを取り、布団の中でなんとか羽織った。


「ちょ、ちょっと思いついたことがあって…」


とクレアは顔を隠した手の指の間からチラチラと二人を見ながらそう言う。


「ぜ、絶対誰か来るって思ってだけど…まさかクレア様だとは…」


そう言いつつ、幹太も床に落ちていた寝巻きを拾い、布団の中で身につける。


「今日、姫屋と紅姫屋で一緒に屋台をやらないって提案しにきたんだけど…」


昨晩遅く、そう思いついたクレアは、まだ夜が明けたばかりのこの時間に幹太の部屋にやってきたのである。


「あ、なるほど…それでこの時間なんですね」


「ほぇ?どうしてこの時間なの?」


「この時間からスープを仕込めば、ギリギリ昼に間に合うから…ですよね?」


「そ、そうだけど…ごめんなさい…」


と、クレアは真っ赤な顔で幹太と由紀に頭を下げる。


「結婚式の翌朝ですもの…そりゃこうなるわよね…」


「大丈夫ですよ、クレア様♪もうとっくに済んでますから♪」


「す、済んでるって…ゆーちゃん?」


「大胆ね…由紀…」


「で、どうするの幹ちゃん?今日もお店はやるの?」


「そうだな…」


「…ちなみに、ダニエルはやる気だったわ」


昨晩お父さんになったばかりのダニエルは、クレアの提案に二つ返事で賛成していた。


「あ、でしたら俺も賛成です」


「フフッ♪やったわ!

じゃあ私、ダニエルに言ってくるわね!」


そう言って、クレアは慌ただしく部屋から出て行く。


「よし。そんじゃ俺もアンナのとこに行ってこないと…」


「フフッ♪やっぱり今日も営業するんだね♪」


「まぁな…ダニエルさんとお店をやる機会なんてなかなかなさそうだし、実は前から一緒に働いてみたいなって思ってたんだよ」


幹太はそう言ってベッドから降り、由紀の方へと手を差し出した。


「せっかくの朝なのに慌ただしくしてごめんな、ゆーちゃん」


「ううん、大丈夫だよ♪」


由紀はニッコリ笑いながら差し出された手をグッと引きつけ、勢いよく幹太の胸に飛び込む。


「これからはこうしてずっと幹ちゃんと一緒にいられるんだもん♪」


「うん…そうだな。

今までもこれからも、ゆーちゃんとはずっと一緒だ」


「これからは四人になるけどね♪」


「よし!そんじゃ俺はアンナのとこに行ってくる」


「うん♪いってらっしゃい♪」


そうして幹太はアンナの部屋へと向かったが、アンナは部屋にいなかった。


「あ、つーことはもしかして…」


幹太は次に城の厨房へと向かった。


「ほらな、やっぱりいた!」


「ほぇ?あ、おはようございます、幹太さん♪」


そして幹太の予想通り、アンナは王宮のキッチンで麺を打っていた。


「フフッ♪幹太さん、昨晩は由紀さんとお楽しみでしたか?」


と、アンナはニヤニヤしながら幹太に聞く。


「朝っぱらからそれかよ。なんかおっさんくさいぞ、アンナ…」


「ひ、ヒドイです!私は家族の良好な関係のために…」


アンナは粉だらけの手で顔を覆い、グスングスンと泣きまねをする。


「まぁ俺が話すわけにもいかないから、どうしても聞きたきゃ由紀に聞いてくれ」


「そう言われれば…りょーかいです♪」


アンナはあっさりと泣きまねをやめ、再び麺を仕込み始める。


「そういや…なんでアンナは由紀と一緒にいたって知ってるんだ?」


「昨日の夜、ソフィアさんとゾーイさんから聞きましたから」


「あ、そっか…二人はアンナの部屋に行ったんだな」


「はい。ですから、ソフィアさんもゾーイさんもまだ私の部屋でお休みになってますよ」


由紀以外の奥様たちは、アンナの部屋で昨晩遅くまでこれからの夢を語りあっていたのだ。


「なるほどな…けど、早起きして麺作ってるってことは、アンナはクレア様から昨日うちに今日の話を聞いてたの?」


「ほぇ?今日の話ってなんです?」


「聞いてないんかいっ!?」


恐るべきことに、アンナはクレアの提案を知らないにもかかわらず、結婚式の翌日の早朝から麺を打っていたのだ。


「するってぇと、お嫁様…」


「フフッ♪はい♪なんでしょう、旦那様?」


「その生地はいつ寝かせたんで?」


「昨日の夜ですけど…」


と、なぜそんな当たり前のことを聞くんだろうと言った顔でアンナは答える。


「えぇっ!じゃああの後生地を作ったってことか?」


「はい♪アンナ、がんばって作りました♪」


つまりアンナは最初っから、今日営業するつもりだったのだ。


「あれ…?だって、ソフィアさんが無理って言ってなかった?」


「ん〜?言ってましたけど、幹太さんならやりそうだなって思ったんで…」


「そ、そうなんだ…」


実を言うと幹太は、クレアから話を聞くまでソフィアの言う通り今日ぐらいは休んでも良いのではと考えていた。


「それに、なんだか私もやりたいなぁ〜って思ったんです♪」


「そ、そっか…」


もしかしたらアンナのラーメンに対する情熱は、すでに自分を超えちゃってるかもしれないと幹太はこの時はじめて思った。


「で、クレアの話というのはなんだったんです?」


「あ、あぁ、それな。実は…」


そうして幹太は、先ほどのクレアからの提案をアンナに伝えた。


「フフッ♪クレアにしてはいい考えですね♪」


「おぉ!じゃあアンナも賛成ってことでいいのか?」


「もちろんです♪

そうなると…ラーメンはどれでいきましょうか?」


「ん〜?とりあえず…一番早くスープが決まるのは街道ラーメンだな」


街道ラーメンに使う豚骨と鶏ガラと野菜のミックススープは、濃い豚骨スープや鶏ガラのみを使ったスープよりも具材が多いため、比較的に煮出す時間は短くて済む。


「じゃあそれでいきますか?」


「いや…できれば刻み角煮の豚骨ラーメンもやりたいんだけど…」


「フフッ♪でしたらやりましょう♪

なんていっても、あれはこの街のご当地ラーメンですから♪」


「そうだな。スープの量を調整すれば、なんとか昼までに間に合うだろうし」


そうして幹太たちは急いで仕込みをし、いつもの時間にいつもの市場へと到着した。


「来たわね、アンナ!」


幹太たちが屋台村に入ると、すでにいつもの出店場所に紅姫屋の屋台が置いてあり、その前でクレアが仁王立ちで待っていた。


「えぇ、来ましたよ。

それで一緒にお店をするって、屋台はどうするんですか?」


「どうするって…紅姫屋の屋台じゃないと無理でしょ?」


「…

ですね」


そもそも姫屋の屋台には、寸胴鍋を置くコンロが二つしかない。

つまり姫屋と紅姫屋でメンバーで一緒に屋台をやるためには、コンロの数とスペースに余裕のある紅姫屋の屋台を使う以外に選択肢はないのだ。


「おはよう、幹太♪」


「おはようございます、ダニエルさん」


「良かった…幹太、ちゃんと元気そうだね♪」


そう言って、ダニエルは幹太の背中をポンっと叩く。


「へっ?ちゃんと元気って…どいうことです?」


「い、いや…僕の時は、結婚式の翌日ってほとんどベッドから動けなかったから…」


「そ、それは、もしかして…?」


「うん…僕、あんなすごい格好したメーガンって初めてだったから、ちょっと興奮しすぎちゃって…」


結婚するまで最後の一線を越えることを我慢していたダニエルとメーガンは、結婚式の後、お互い獣と化してしまったのだ。


「あ!もしかして…幹太はなんにもなかったの?」


「い、いや…ないわけではなかったんですけど…ほどほどだったので…」


普段は恥ずかしがり屋なダニエルのあまりの開けっぴろげさに驚きつつ、幹太はそう答える。


「あ、そうなんだね…幹太はすごいなぁ〜、ほどほどで我慢できるなんて…」


「は、はい…」


なんとかそう返事はしたものの、幹太の頭の中は、あのお淑やかなメーガンがどんなにすごい格好をしたのだろうということでいっぱいだった。


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