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ご当地ラーメンで異世界の国おこしって!?  作者: 忠六郎
第五章 始まりの大陸編
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第168話 参戦

投稿が遅れてしまって申し訳ありません。

出張先の金沢にて、久しぶりに8番ラーメンに行ってきました。

町中華っぽいラーメンもやはり大好きです。


「だって、あの導師様が転移魔法をこのままにしとくとは思えないわ。

そうでしょ、アンナ?」


「ど、どうでしょう…?

ムーア、けっこうおじいちゃんですけど…」


アンナにはクレアがなぜこんなにもムーア導師に全幅の信頼を寄せているのか、いまいち理解できなかった。


「ですね。導師ことですから、すでになんらかの改良をしていると思います…」


そう言ったのは、こちらもなぜか陸自の礼服を着たシャノンだった。

基地の開放日を一通り見終えた二人は、芹沢家ではなくこちらに帰ってきたのだ。


「シャノンもそのお洋服、めちゃんこ似合ってますね…」


「ありがとうございます、アナ」


「あの…アンナちゃん、その女の子たちは?」


「あぁ。二人ともすっげぇカワイイけど…誰?」


当然ながら、澪と亜里沙は突然部屋に現れたこの美女二人が誰なのかを知らない。


「そうでした!お二人にご紹介しますね♪

まずこちらがシャノン、私の護衛をしてくれてます」


「シャノン・ランケットです。

よろしくお願いします」


シャノンはそう言って深々と頭を下げた。

それに合わせて、亜里沙と澪も緊張気味にお辞儀を返す。


「そしてこちらの子はクレア。

私の国のお隣、リーズ公国の王女です」


「はじめまして♪クレア・ローズナイトよ♪」


と、クレアはアンナの紹介に合わせ、スカートを摘みながらお辞儀をする。


「それでこの子たちは由紀のお友達?」


「はい、クレア様。

こちらが亜里沙でその隣が澪です」


「ひ、広川澪です…よろしくお願いします」


「臼井亜里沙…です。よろしくお願いします…」


「フフッ♪ミオにアリサね♪

こちらこそよろしくお願いするわ♪」


クレアはニッコリ笑ってそう言って、二人と握手をする。


「…っと、それで、そのおじいちゃんっていうのは誰なの?」


「ちょ!ちょっと亜里沙!ムーアさんはとっても偉い人なんだよ!」


「えっ!そうなの!?

だって、さっきアンナが…」


「アナは導師から本当の孫のように扱われていましたからね…」


アンナが昔からムーア導師をおじいちゃんとしか認識していないのは、先に生まれた二人の姉よりも思いっきり甘やかされていたからである。


「そうなんだ。

けど、その人ならなんとかできそうなんでしょ?」


と、亜里沙はシャノンに聞いた。


「はい。導師ならば必ずやってくれるはずです」


「えぇっ!シャノン、本当にっ!?」


「シャノンさん…本当か?」


由紀と幹太は思わずそう聞き返す。


「だったらどうして…これまで帰って来れないなんて言ってたんだ?」


幹太がそう聞くのも無理はない。

昨日だって、彼はそのつもりで柳川家に結婚の挨拶をしたのだ。


「いえ…前々から導師ならどうにかできるんじゃないかなとは思ってたんです。

ですけど…」


「けど、なんなんだ?」


「…寿命が…」


「「「「「あぁ〜!」」」」」


これには事情を知らない亜里沙と澪の二人と、うっすらシャノンと同じことを考えていアンナ以外が納得の声を上げた。

ムーア導師によって転移魔法の改良がどれだけ成されるかは、迫る死期とのチキンレースなのである。


「た、確かにちょっとギリギリっぽい気もするかな…?

ね、幹ちゃん?」


「えっ?ま、まだそこまで限界じゃないんじゃないかなぁ〜?」


幹太の言う通り、そうでなければ新しい生命を生み出す魔法など作れない。


「なら、由紀ちゃんと芹沢君はまた帰って来れるの?」


「はい。私はそう思います」


シャノンはそう言って、澪の肩に手をかけた。


「だいたいアナは導師を信頼しなさ過ぎなんですよ」


「えぇっ!それはシャノンだって一緒じゃないですかっ!?」


「た、確かにそうだったね…」


そう言われてみれば、この二人がムーア導師をおじいちゃん扱いしているのを由紀は何度か見た事がある。


「フフッ♪だからあなた達は、二人がこっちに帰って来れるものとして話をすればいいのよ♪」


そう言って、クレアは亜里沙と澪にウィンクをした。


「そっか…だったら話は早えぇな♪」


「うん♪亜里沙ちゃん♪」


亜里沙と澪は、笑顔で顔を見合わせる。


「お祝いだな♪」


「お祝いだね♪」


そうして幹太たちは、二日連続で祝宴を開くこととなったのだ。


「久しぶりだぁ〜♪」


と、部屋に入った澪はそう声を上げた。

二日連続ということもあり、宴会会場を移すことになった九人は、山ほど買い物袋を提げて芹沢家の居間にやって来ていた。


「へっ?広川さん、そんなにウチ来たことなかったっけ?」


「うん。私、小学校ぶりだよ♪」


「マジ…?」


「フフッ♪覚えてない?芹沢君の誕生日会の日に♪」


「あー!あった!あった!」


幹太たちの小学校では、各班ごとに班員同士がそれぞれの誕生日をお祝いする決まりがあったのだ。


「由紀は…いなかったかな?」


「うん。私は班が違ったからね〜♪」


とは言っても、由紀は誕生日の夜に今でも必ず幹太の家を訪れている。


「ねぇアンナ…」


「なんです?」


そしてそんな風に昔話で盛り上がる同級生たちの向かいでは、アンナたち異世界組がヒソヒソとなにやら相談をしていた。


「…ミオはどうするのかしら?」


クレアが聞いているのは、澪が幹太の為に自分たちの世界に来れるのかということだ。

察しの良いクレアは、澪が幹太に対して並々ならぬ好意を持っていることを、この短時間であっさり見抜いていた。


「わかりません。ただ…」


「ただ…?」


「澪さんが幹太さんをあきらめることは絶対にないと思います…」


「まぁそりゃそうよね…」


クレアだって、義理の兄妹だからといってマーカスへの気持ちを諦めるつもりはない。


「でも、どうやってお誘いしましょう〜?」


そう聞くソフィアは、慣れた様子でハイボールの缶を片手で開けている。


「ん〜?どうしましょうかね…?

澪さんの幹太さんへの気持ちの強さからいって、一緒に結婚するのはそれほど難しくないとは思うんですけど…。

ゾーイさんは何かありませんか?」


「わ、私ですか?」


と、突然アンナに聞かれ、どれにしようかチューハイの缶を選んでいたゾーイはビクッと背筋を伸ばした。


「えぇっと…そうですね…」


頬に手を当てて考えながら、ゾーイは幸せそうに幹太と話しをする澪を見る。


「…たぶん芹沢様とヤッてしまうのが一番早いです」


「ちょっ!何言ってんのゾーイ!?」


いつもはおとなしい側近からの爆弾発言に、クレアは思わず大声で叫んだ。


「そういえば…ゾーイさんには前科があるんでしたね?」


「ア、アンナ様!誰からそれをっ!?」


ゾーイは以前、とある事情から、幹太を色仕掛けで籠絡しようとした過去があった。


「いえ…その…実はクレアからどうしたらいいかと相談を受けて…」


「ク、クレア様!お隣の王女様に何を相談しちゃってるんですかっ!?」


「だ、だってだって!まさかゾーイがそんなに大胆な子だったなんて、どーしたらいいかわかんなくなっちゃったんだもんっ!」


「私、そんなに大胆じゃありませんっ!あ、あれはもう必死で…」


そう言いながら、ゾーイは真っ赤な顔をして俯いてしまう。


とそこで、


「…だったら明日さ、澪も芹沢の屋台手伝ってみたら?」


という亜里沙の声が、幹太たちの方から聞こえてきた。

アンナたちが色々と脱線しまくっている間に、こちらでは幹太が明日から屋台の営業を再開するという話をしていた。


「へっ?なんで広川さんが?」


「ん〜?単純にバイトにもなるし、それだけ芹沢んとこ通ってんなら、やってみたらどうかなって思ったんだけど…」


「あ、それいいかも♪」


と、即座に亜里沙の意図を汲んだのは由紀だった。


「えっえっ?亜里沙ちゃん?由紀ちゃん?」


「やってみなよ、澪♪」


「んで、芹沢は大丈夫なの?」


「う、うん。そりゃ手伝ってくれたらありがたいけど…」


新しいキッチンワゴンでの営業ということもあり、最初から幹太は誰かに手伝いを頼むつもりだった。


「でしたら澪さん♪明日は私と幹太さんのお手伝いをしましょう♪」


そう言いながら、ガシッと澪の両手を掴んだのはアンナだった。


「私も久しぶりの日本ですし、澪さんがいてくれたら助かります♪」


と、アンナは期待に満ちた表情で澪の手を上下にブンブンと振り回す。


「だ、だったら頑張ってみようかな…?

芹沢君、本当に私で大丈夫?」


「もちろん!」


「良かった…♪」


そう言った澪の顔は、まさに花が咲くような笑顔だった。


「……」


澪の正面にいた幹太は、ポカンと一瞬その笑顔に見惚れてしまう。


「ひ、広川さん、明日はいつもの場所に四時だから…」


「うん♪わかった♪

芹沢君、アンナちゃん、明日はよろしくお願いします♪」


「おう!」


「ハイ♪」


そんな三人の背後では、地球人と異世界人の合同チームが早速ミーティングを始めていた。


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