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ご当地ラーメンで異世界の国おこしって!?  作者: 忠六郎
第五章 始まりの大陸編
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閑話 おねショタ天国 中編

すみません。中編も入ることになりました。

「忘れてた…」


由紀は水滴の滴る髪を搔きあげながらそう呟いた。


「この頃の幹ちゃんって、水遊びが大好きだったんだ…」


「そういうことは早く言っておいて下さいっ!」


由紀に向かってそう叫んだのは、こちらもびっしょり水に濡れたシャノンである。


「わぁ〜!このふんすいすっごいおっきいね、リンネおねえちゃん♪」


「う、うん。そうだね〜。

でも…ここって入っていいのかな?」


「大丈夫ですよ、リンネちゃん♪お母様はそんなこと気にしません♪

ね、シャノン?」


そう聞くアンナは、薄いブルーのワンピースを膝上までたくし上げ、幹太と共に噴水の中へ足を踏み入れている。


「はぁ…大丈夫に決まってるでしょう。

一応言っておきますけど、幼い頃のあなたもそうしてよくこの噴水に入ってましたよ」


「えっ!そうでしたっけ?」


「えぇ、なんていうか…小さな頃のあなたは、なぜか水があると突撃していく子でしたからね…」


そんなアンナを、噴水からビショ濡れになって引きずり出すのが、その頃のシャノンの主な仕事であった。


「しかし、こうやってリンネさんと遊んでいると姉と弟のようですね」


シャノンは噴水で戯れるリンネと幹太に、在りし日の自分たち姉妹を重ねた。


「フフッ♪確かにそうですね♪」


「そういえば、おっきな幹太さんとは髪の色がすいぶん違いますね〜♪」


隣で二人の会話を聞いていたソフィアは、濡れるのも構わず噴水の外から幹太を抱っこして捕まえる。


「わっ!ソ、ソフィアおねえさん…またおむねが…」


「フフッ♪幹太くんはお姉さんのお胸が気になっちゃいますか〜?」


「そ、そんなっ!そんなことないよっ!

お、おねえさんにだっこされると、な、なんかドキドキするだけだし…」


どうやらショタ幹太は、ちょっとだけ女の子が気になるお年頃らしい。


「あ〜そういえばこれもあったか…」


「こ、これもってなんなんです?」


嫌な予感がしたアンナは、恐る恐る由紀に聞いた。


「この頃の幹ちゃん、オッパイが好きだったんだよね…」


大人だとかなり問題はあるが、幼稚園児ならばセーフである。


「…この頃からですか?」


「う、うん。どうしたのアンナ?

なんか怖いけど…?」


「いえ、別に…」


「そ、そっか…。

えっと…もうわかってると思うけど、ちっちゃい幹ちゃんって、なんかギュッてしたくなるでしょ?」


「えぇ、それはまぁ…」


アンナの見立てでは、自分の好きな人の過去の姿ということを差し引いても、今の幹太はかなり可愛い子供の部類に入る。


「態度も生意気じゃないし、可愛げがあるっていうか…だからかな、同級生のお姉ちゃんとかお母さんに大人気だったんだよ」


「そうなるのもわかりますね」


「うん。それでね、お迎えに来た女の人たちが、いっつも幹ちゃんをギュッってしていくの。

それで…」


「…オッパイの素晴らしさを知ったと?」


「う、うん」


二人が幹太の方を見てみると、彼は恥ずかしがりつつも、ブラウスが濡れ、赤い下着が透けて見えるソフィアから離れようとはしない。


「幹太くん〜♪」


「な、なに? 」


「お姉さんを幹太くんのお嫁さんにしてくれませんか〜?」


「えぇっ!」


幹太は困った。


『ぼく…ゆーちゃんとずっといっしょってやくそくした…』


幼い幹太の中で、ずっと一緒にいるということは自分の両親のようになることだ。


「ダメですか〜?」


「ダ、ダメじゃないけど…ぼ、ぼくゆーちゃんとやくそくしてるから…」


そう言って、幹太は助けを求めるように由紀を見る。

そんな幹太に、由紀はニヤニヤしながら近づいた。


「フフッ♪どうするの〜幹ちゃん?

ソフィアさんと結婚しちゃう?」


「えぇっ!こ、こまるよ!だってぼく、ゆーちゃんが…」


「ゆーちゃんがなに?幹ちゃん♪」


「お、およめさんになってくれるとおもってたから…」


幹太は顔を真っ赤にしてうつむきながらそう答えた。


「そっか、この時にはもうそう思ってくれてたんだ…」


「ゆ、ゆーちゃん…だめだった?」


「ううん、ダメじゃない。

私、幹ちゃんのお嫁さんになりたいよ♪」


「そっか〜♪よかったぁ〜♪」


ホッした幹太は、ソフィアの腕の中でニッコリと笑う。


「でも、幹ちゃん、それじゃソフィアさんはどうするの?

ソフィアさん、誰か他の人のお嫁さんになっちゃうかもよ?」


由紀にそう言われ、幹太は自分を抱きしめるお姉さんを見上げた。


「そ、そんな…私、どうしたら…オヨヨ〜」


と、ソフィアはワザとらしく泣き真似をする。


「だ、だいじょうぶ!ぼく、ソフィアおねえさんもおよめさんにしてあげるから!」


幹太はモゾモゾ動いて振り返り、泣き真似をするソフィアの頭を撫でた。


「ウフフ♪やりました〜♪」


「ソフィアおねえさん…もうないてない?だいじょうぶ?」


「はい♪もう大丈夫ですよ〜♪」


とそこで、一人出遅れたアンナが二人の間に割って入った。


「ハイ!ハーイ!私!幹太くん!私もあなたのお嫁さんになりまーす!」


「えぇっ!おひめさまも?」


「そうでーす!実はもう決まってまーす!」


アンナはなぜか、大人げなくなるほど焦っていた。


「ほっ、ほんとにっ!?」


「もちろん♪ほんとですよ♪」


「…ゆーちゃん、ほんと?」


「そうだよ♪

私とソフィアおねえさん、それにアンナ姫もみーんな一緒♪」


「そ、そっか…ぼく、おひめさまにもおよめさんにきてもらうんだ…」


「うん♪だから頑張らないとね、幹ちゃん♪」


「がんばる…?」


「そ♪ずっとカッコイイ男の子でいられるようにね♪

できるかなぁ〜?」


と、由紀に聞かれた幹太は、由紀、アンナ、ソフィアの顔を順に見た。


「うん♪ゆーちゃん、ぼくがんばってカッコよくなる!」


「よろしい♪」


その後も女性陣は散々幹太を連れ回し、結局その日の夜になっても、彼の体が元に戻ることはなかった。

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