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ご当地ラーメンで異世界の国おこしって!?  作者: 忠六郎
第五章 始まりの大陸編
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第123話 浴場にて…

先日、台風被害を受けた父方の実家の片付けに行って参りました。

ラグビー日本代表もそうでしたが、結束した人の力に改めて驚きました。

あと少し頑張りたいと思っております。

「でも、よく考えたらシャノンがお付き合いしたことないって、もしかして当たり前なのかな…?」


「それはそうですよ」


と、由紀とアンナは服を脱ぎながら話す。

食事を終えた女子四人は、王宮の浴場で女子トークを続けていた。


「軍の所属とはいえ、シャノンは王族の一員ですし、そう簡単に恋愛などできません」


「…いえ、アナ。それ以前に、私にはそのような機会が…」


「でもシャノンさん、マーカス様は貴方のことが気になっていたような〜?」


と言って、ソフィアは豊満な胸をきつく締めつけていたブラを外す。

他人の恋愛について疎いソフィアからみても、隣国の王子の好意はわかりやすかった。


「たぶんあれは、幼い頃の想いを勘違いしているだけかと…」


「アンナ、シャノンって本気でそう思ってんの?」


「えぇ、それは間違いなく」


「マーカス様が不憫です〜」


「…あの、さすがの私にも好意そのものは伝わっていますよ。

かと言って、すでに王族としての権利を放棄した私が、マーカス様と親密になるなどあり得ません」


「えっ!じゃあそうじゃなければお付き合いしたって…」


「それはないですね」


「やっぱりかぁ〜」


くい気味に返ってきた親友の答えに、由紀は苦笑する。


「マーカス様、カッコいいのになぁ〜」


四人全員が服を脱ぎ、巨大な湯船に入ったところで由紀は話を再開した。


「まぁ恋人にするにはちょっと頼りないですよね、マーカスは」


「はは〜ん、だからアンナは婚約しなかったの?」


「そうなる…のですかね?」


と、なぜかアンナはシャノンに聞いた。


「私は知りませんよ。

まぁ、マーカス様は元々ビクトリアお姉様の婚約者になる予定でしたからね」


「あ、そういえば最初はそうでしたね」


「それをお姉様が突っぱねてアナの婚約者にとなったのですが、アナがお断りをして、さらに…」


「あぁ…確かマーカスからも断られたんでしたね、私」


王族の中ではよく聞く話だが、そもそもマーカスとバーンサイド家子女の婚約は、本人達が希望していたわけではないのだ。


「でもそっか…正蔵おじさんがタイプっていうなら、やっぱり幹ちゃんの方がいいよね」


「由紀さん、一応言っておきますけど、私はそれほど幹太さんとお付き合いしたいわけでは…」


「いいではないですかシャノン♪

とりあえず幹太さんと一緒にお出掛けしてみては?」


「しょ、正気ですか、アナっ!?

幹太さんはあなた達の婚約者なのですよっ!?」


アンナが言った一言に、珍しくシャノンが動揺する。


「ん〜?私もそれは大丈夫かなぁ〜」


「私もです〜♪」


「お、お二人まで…あのですね、婚約者が他の女性とデートするのですよっ!?」


「まぁシャノンですから♪」


「まぁシャノンだしね♪」


「シャノンさんならいいです〜♪」


「う、嘘で…って、誰ですっ!」


と、シャノンが笑顔の四人に眩暈を覚えそうになったところで、脱衣所の方に人の気配がした。


「ん〜?誰か入ってますかぁ〜?」


「「「えっ!?」」」


「幹ちゃん!?」


由紀が叫んだ通り、脱衣所から聞こえた声は間違いなく幹太ものである。


「どどど、どうしましょうシャノン!?

わ、私!裸ですっ!」


「それは私もですっ!」


そんな慌てふためく姉妹の横で、生まれたままの姿のソフィアが立ち上がる。


「でしたら私が引き留めに〜♪」


「だ、ダメだよ、ソフィアさん!ぜんぶ見られちゃうっ!」


由紀は懸命に自分の体を隠しながら、必死でソフィアを湯船の中へ引きずり込んだ。


「まぁいっか…入るよ〜♪」


ガラッ!!


中の状況などわからない幹太は、ズカズカと浴室へと入って来た。


「うぃ〜♪」


どうやら彼は酔っているらしく、その足元はフラついている。


「あ〜♪ゆーちゃん♪」


「か、幹ちゃん…」


幹太はそのまま歩みを進め、浴槽に浸かる由紀の前までやって来た。


「幹ちゃん…も、もっとちゃんと隠さないと…みんなが…」


由紀の目の前で仁王立ちする幹太は、小さなタオルを腰に巻いているだけだった。


「ん〜?みんな…?

ゆーちゃんしかいないよ…?」


「えっ!?」


由紀が振り返ると、そこに先ほどまで一緒にいた三人はいない。


「…ソフィアさん!そっちはダメですっ!」


「でも由紀さんは〜?」


「こ、ここは幼馴染の由紀さんに任せましょう」


幹太の一瞬の隙をつき、アンナ、ソフィア、シャノンの三人は浴槽の中心に立つ女神像の裏側に回っていたのだ。


「ゆーちゃんとお風呂って久しぶりだね」


そう言いながら、幹太はそのまま浴槽に浸かった。


「う、うん。

幹ちゃん…どうしたの?も、もしかしてお酒飲んでる?」


「うん♪あの後、ムーアさんに誘われたんだ〜♪」


「そ、そうなんだ…」


「ゆーちゃん♪」


「…な、なに、幹ちゃん?」


「洗いっこしようか?」


「えぇっ!?そ、それは無理だよ…」


混乱の極致にありつつも、由紀はなんとかそう答えた。


「ダメか〜。残念だなぁ〜」


「だって恥ずかしい…」


「そっか〜。じゃあお背中だけだったら?」


「そ、それでもダメだよっ!」


「う〜ん、それもダメかぁ〜」


と、由紀の隣で落ち込む幹太は、心底残念そうだ。


「じゃ、じゃあ背中だけだったら…いいよ…」


「ホントにっ♪」


笑顔でそう聞く幹太に、由紀は幼い頃を思い出す。


「…フフッ♪うん。本当だよ、幹ちゃん♪」


「よかった。こっち来て、ゆーちゃん♪」


「…うん」


由紀は片手で極力体を隠しつつ、幹太に手を引かれて浴槽を出る。


「じゃあ洗うよー!」


幹太は浴室に置いてある海綿を手に取り、由紀の体を洗い始めた。


「あんっ♪幹ちゃん、ちょ、ちょっと強い」


「あ、ごめんごめん。

えっと、このぐらいかな…」


「…うん、そのぐらい…」


幹太に優しく背中を流され、由紀は再び昔を思い出す。


「ちっちゃい頃はよくこうやって洗いっこしたっけ…」


「うん?なんか言った?」


「ううん、なんでもな…あっ、えっ!?幹ちゃん!?」


「なに〜?」


幹太は平然とそう聞くが、いま彼がゴシゴシしているのは、由紀の背中ではなく完全に横チチだ。


「ちょ、幹…やっ♪あっ、あんっ♪」


幹太が海綿を上下させるたびに、由紀の胸がフルフルと揺れる。


「よーし!終わった!

じゃあ次はゆーちゃんね♪」


「…はい」


幹太が洗うのを終える頃には、由紀はすっかりのぼせ上がっていた。

彼女は朦朧とした意識のまま渡された海綿を手に取り、まずは桶に入ったお湯を幹太にかける。


「わっ!冷たっ!」


と、幹太はブルっと身を震わせた。


「あっ!ごめんっ、幹ちゃん!」


朦朧としていた由紀がかけたのは、お湯ではなく水だったのだ。


「…あ、あれ?ゆーちゃ…由紀?」


「はいはい。なに、幹ちゃん?」


「お、俺もしかして…」


「…幹ちゃん?」


とそこで、由紀は幹太の様子が元に戻っている事に気がついた。


「もしかして…酔いがさめた?」


「…うん」


「…で、どうするの?」


「ご、ごめんなさいっ!由紀様!」


幹太は振り返らずに、由紀の前に座ったまま頭を下げる。


「えぇっ!幹ちゃん!お、お尻がっ!」


「で、でも、いまそっちに向くわけにはっ!」


「だったら最初から入ってこないっ!」


「ご、ごめんなさいっ!」


葛藤の末、幹太は微妙な角度で頭を下げることした。


「…フフッ♪」


そんな彼の背中を見た由紀に、ちょっとしたイタズラ心が芽生える。


「もう…ホンっとーにビックリしたんだから♪」


そう言って、由紀は幹太の背中に密着した。


「ちょっ!ゆーちゃんっ!?あ、当たってるよ!」


思わずそう叫ぶ幹太の背中では、巨乳ではないがそこそこの大きさの由紀の胸がプニュプニュと形を変えている。


「当ててるんだよ〜♪」


「ゆーちゃん!あたしゃそんな子に育てた覚えはないよっ!」


「だね〜♪幹ちゃんとは一緒に育ったんだも〜ん♪」


「もう!ゆーちゃん!いい加減に…」


堪らなくなった幹太が振り返ると、そこには一糸纏わぬ姿で恥ずかしそうに微笑む幼馴染の姿あった。


「…うん。ごめんね、幹ちゃん。

でも…でもソフィアさんが…結婚するならこういう気持ちをアピールしてもいいって…」


「由紀…」


幼い頃から由紀と一緒いた幹太は、下手をすれば両親よりも彼女の色々な顔を知っている自信があった。

しかし、こんなにも魅力的な彼女の姿を幹太は今まで見たことがない。


「幹ちゃん…いいよ…」


由紀が精一杯の勇気と共に紡いだその言葉をキッカケに、二人の顔がゆっくりと近づいていく。


「じゃーん!おっふっろー!」


「コラッ!お風呂で走らないっ!」


「「つっ!!」」


と、いきなり浴室に響いた声に、二人はババッと距離を開けた。


「あれ…お兄ちゃん?」


「えっ!幹太っ!?」


浴室に入ってきたのは、リンネとルナのヘルガーソン親子だった。

リンネにアンナ達と一緒にお風呂に入りたいとせがまれたルナは、王族と同じ湯に浸かる覚悟を決めてここへとやって来たのだ。


「あ、あんた達…お城のお風呂でなにを…」


「「いえ!まだ何もしてません!!」」


「まだってなんだいっ!

とにかくっ!幹太は今すぐ出ていきなっ!」


「はいっ!」


と、父親の生前以来のいい返事をして、幹太は一目散に脱衣所へと走る。


「はぁ、まったくもう…あれで三人の嫁をもらうってんだから、信じられないよ…」


港町で育ち、漁師達の裸を見慣れていたルナは、幹太のような若造の裸を見てもいちいち動揺などしないのだ。


「それで…由紀さんだっけ?」


「は、はい…」


「あんたも初めての時はもっと大切にしなっ!」


「えぇっ!ルナさんなんで知って…」


「なんだ、違うのかい?」


「は、初めてですっ!」


柳川由紀、人生初の処女宣言であった。


そして、そんなルナと由紀の後ろでは、


「あれ?なんでお姉ちゃん達浮いてるの?」


と、リンネがすっかり茹で上がって湯船に浮かぶ二つ高貴なお尻と、意外にしっかりと筋肉のついた村娘のお尻に話しかけていた。



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