ブタフダダダダーン
オークが土下座している、きれい土下座だ。
いやまあ顎が砕けてるせいで血とか汚いのだけど。
「モグゥゴゴ!」
口の中が酷いから恐らく正規の発音とは違うんだろうが……たぶん謝罪に類した言葉なのは分かる。
歯とか全部折られるとすごい滑舌わるくなるんだよな、数歯でも悪くなるけど。
「オーク語わからないです」
とりあえずこちらの言葉が通づればある程度情報引き出せるんだがな。
てかこいつも異世界人ではないか?イチロースタイルとか土下座とか。
ならば日本語でならこちらから一方的には話しができるんじゃ……
日本の話題を振ってみるか。
「TOKYOを知っていますか?もしくはJAPAN?」
日本以外の可能性も含め英語の単語を投げかけてみたがどうだ?
「ウモモモモ?」
分かりづらいな。
「知っているなら、なんかしろジェスチャーで反応してください」
今度こそどうだ?
「モブゥマ?」
ジェスチャー無しか、よし止め刺そうか。
さっきの自分の攻撃を思うに、この相手なら十分通じる。
動体視力がまだ難があるがとりあえず目先の不安の種を摘み取っておくか。
「情報源にならないなのなら、ここで命とはお別れです」
俺の攻撃なら十分致命傷みたいだしな。
「モブモモモラブ!?モモヴ!」
体を揺らしながら手を組み拝んでるな…随分と人間くさいなこのオークは。
「そんなに死にたくないのなら、私に有益な物をよこしなさい。……あと何か不自然の点があったら生きたまま皮をはぎますので」
石を拾い握力に任せ握ってみたが大した感触もなく砕けていった。
「……ブモ」
ドン引きからのYes反応かな?
オークが先頭を、私があとに続く形で洞窟の奥に向い歩く。
もちろん待ち伏せや洞窟の罠には警戒してだが、もしかしたら最深部に仲間オーク達が反撃の準備をしてる可能性があるし。
30分くらい歩いただろうか?もう有益とかどうでもよく早く休みたいと思い始めた頃、ついにオークが立ち止まり何の変哲もない岩の突起に触る。
「……なんと言ったかこう言うのは、そうだアラビアン………アラビアンナイトに出てくる隠し部屋みたいなギミックだな」
岩壁が左右にわかれて開いたのだ。