覚醒者の目覚め
「お〜い、起きろ〜。」
体が揺さぶられる。
「う〜ん。」
俺は惰眠をむさぼるため唸り声をあげてささやかな反抗の意思を見せる。
「いいから、起きろっと!」
布団を強い力で剥ぎ取られる。
「う、う、う〜〜ん」
今はまだ朝は意外に肌寒い時期であり、掛け布団を剥ぎ取られると、意外なほど寒い。
「うぐぅ。」
俺は身震いしながら
「あう〜ん。」
と体を伸ばしながら緩慢とした動きで起き上がった。
「やっと起きたか。」
起き上がりで非常に意識が曖昧な意識のの俺の前にたっていたのは昨日、俺の専任の教師と名のった、までは覚えているが、肝心名前が思い出せないので
「え〜っと、なまえなんだっけ?」
そう問いかけてみると。
「え〜!ひどいな〜、名前ぐらい覚えてもらえたと思っていたのだがな〜。」
そう残念がり
「アトロナーヘだぞ。」
とちゃんと教えてくれた。
「あ〜!そうだった、そうだった。アトロナーヘ、アトロナーヘ。思い出した、思い出した。」
とまくしたてるように言った。
「ちゃんと覚えてくれよ〜、結構傷つくんだぞ、名前を忘れられるって。」
と涙目になってこっちを見てくる。
「だいじょうぶ、もうちゃんと覚えたから。」
とりあえず言っておく。
「で、何か用。」と今俺が一番気になることを聞くと。
「ああ、これから助互衆の仲間をお前に紹介したいと思うんだ、と言っても今日、私が作った助互衆だがな。」
「助互衆?」
と俺は首をかしげる。
「あ、知らなかったのか助互衆というのはな、この特別学園に正式に認められた集団の事だ。そしてその活動内容は様々だ、自治のため、自分の趣味のため、特に何の意味のない集団、いろいろなのがいるぞ。」
などと、解説してくれるのはいいが勝手に変な集団の仲間にしてもらっては困るので
「いや、俺そんなの入るとか言ってないし。」
と至極真っ当なことを言う。
どういう組織だろうが本人の承諾なしに勝手に仲間にする事は許されないのだからな。
「いや、お前は特殊教師である私が作った助互衆なら、学園からの許可を得れば、強制的に加入させられることもできるんだぞ。」
と俺の言葉は一瞬で粉砕された。
「そ、そんなー!」
「大丈夫、お前のよく知った人もいるし、今日きたばかりの子もいる、その子を見たらきっと自分から入りたいと言い出してくるぞ。」
とありえないことを言ってくる。
「いやでも。」
なんて言葉も聞かず
「さ、いくぞ。」
先生に引きずらねながら、部屋を出たのであった。