特別以上な俺
「う~ん、ここは!!」
俺はガバッと勢いよく起き上がると、そこにはよく見慣れた病院の個室のような空間と見慣れないとても綺麗な女の人が立っていた。
「夢か……。」
そう言うと俺は再び掛け布団の中に潜り込んだ。
「おい、ちょっと待て。」
そう綺麗な女の人は綺麗だか低めの女性の声で、俺が布団の中に潜り込むことを制止した。
「う~ん、何なんですか~。」
意識がはっきりしているどうやら夢ではないようだ。
「ああ、私はアトロナーヘ。アトラ特別学園の特殊教員だ。」
そう言うとアトロナーヘと名乗る人物は慣れた動きで小洒落た名刺を渡してきた。
「あ、どうもです」
不慣れな動きで俺は名刺を受け取った。
「ところで、アトラ特別学園とは何か知っているか。」
アトロナーヘ質問してきた
「それは、俺を馬鹿にしているんですか。」
少しムッとした表情で俺は答えた。
「すまないな、ルールなんだ答えてくれ。」
少しだけ申し訳なさそうに言葉を返してきたので初等生でも知っているようなことをわざわざ説明するのは癪に障るがいちいち文句を言うのもめんどくさいので答えることにした。
「特別学園とは魔法協会が管轄する学園であり、その文字どうり魔法に関して特別な才能、体質などがあるものが強制で入学させられるものである。そして、アトラ特別学園とはアトラにある特別学園のこと。これでいいですか。」
そう答えると。
「ああ、すまないね、極まれに知らない子もいるからね。」
そう返してきた。
「あの、じゃあ俺は特別な才能が目覚めた……つまり覚醒者になったということですか」
覚醒者つまり読んで字のごとく生まれた後、突然なにかしらの力に目覚めたものことだ。
「ああ、しかもお前はただの覚醒者ではない。始祖だ。」
「始祖!!」
俺はあまりのことについ声を荒らげてしまった。
「ああ、始祖だ。」
始祖。人間が突然で別の種族になること、つまり俺はもう人間ではないということか……。
俺は別に人間であることに喜びを感じるタイプではないがしかし突然あなた人間やめましたなんて言われたら流石にちょっとショックというものだ。しかし、それと同時に始祖の強大な力にワクワクしている自分もいる。人間とは難儀なものだな~なんて考えてみる、もう人間じゃないけど。
「まぁ、私が言うのもアレだが、気にすることはないと思うぞ別に差別されるわけでもないしな。」
そう俺のことを慰めてくれている。
「ま、それもそうだな。じゃあここはアトラ特別学園なのか。」
そう俺は話の腰を折る質問をしてみると。
「いきなりだな~、まぁ、いつまでもウジウジしているよりはいいか。質問に答えるがここは、アトラ特別学園ではなく飛車の中だ、行く場所はそのアトラ特別学園だがな。」
「へ~。」
ベットから降りて少し歩いたところに窓があるため覗いたら雲が広がっている光景が見えた。しばらくのあいだながめているとお城のような広大な建物が目に付いたところで。
「おっ、着いたか。」アトロナーヘが呟いた。