二十九話 協高祭編 Ⅹ
先月に上げれたらと思いつつ書いていましたが、そう上手く行くことはなかった神蔵です
石嶋のいる第1東都高等学校、エリアビーコン作戦会議室。
1校の生徒とその協力している高校で作戦会議をしていた。
そこで、明日戦う4女と彰吾達のいる高校の対策会議の話し合いの最中。
「今、一番危険視とされているのが第4チームだ。その中でもアタッカーとガンナーのこの二強は非常に危険とされている」
確かにと声を漏らす生徒、頷く生徒がいた。それを見た議題を出した生徒は、
「なにか対策はないか? みんな案を出してもらいたい」
と言うと、早速手を上げた人物がいた。
「なんかいい案でもあるのか? 石嶋」
余裕の態度を取りながら立ち上がり、自信に満ちた表情で議題を出した生徒を見る。
「俺が強化アーマーでアイツらを荒らす。そして、そのままアタッカーとガンナーを離して俺がアタッカーを処理。これなんかどうだ?」
石嶋が言うと、全員が少し黙り考え込む。
「相手も強化アーマーを出すかもしれないのだぞ?」
一人の生徒が石嶋に言うと、
「かも、知れない。だが、俺の事を忘れてはいないか?」
石嶋のその発言で全てを察した生徒達。そこに石嶋はニッと笑う。
「公認のテストドライバーだぜ? 俺は」
「……今の現状石嶋の言った案が有効だと私は考えたんだが、みんなはどう思う?」
全員に問い掛けるが石嶋以上に良い案が無い為、黙り込んだ。それを見た生徒は石嶋を見る。
「っと言うことだ石嶋。要はお前だ。やってくれるな?」
「任せろって」
「では、次に各チームの対策会議としよう」
次の議題になった所で石嶋は座り、内心で勝ちを確信していた。
フッ……相手が強化アーマーを出してきた所で俺の方が強化アーマーの装着歴は長いんだ。
それに俺の強化アーマーはカスタム済みだ。ジャミング対策、凍結対策、衝撃対策、電撃対策とな。元々俺の持っている強化アーマーをそのままデータ化して競技に持ち込んでいるからな! 公式で配られる強化アーマーとは訳が違う。さぁて、デートコースでも考えて置くか。
と思う石嶋であった。
彰吾達は4女の取っているホテルにいた。そこで協高祭で使われているバーチャルルームで指定したユニーク武器を扱っていた。
「重くないか? それ」
彰吾が俊に言うと、
「んー、増えれば増える分相手はそれに対策しなきゃ行けないからなぁ……。まぁ、でもこれが俺のとっておきの武器にしようと思う」
その武器を見た彰吾はフッと笑う。
「それが一番だな」
「だろ?」
と言ってからお互いに笑うと、
「二人共、作戦なんだがもう良いか?」
会議の為に入ってきた賢次が二人に言った。
「あいよ」
「今から落ちて、一緒に行くか」
「了解」
賢次に言われた俊と彰吾は落ちる。それを確認した賢次も落ちた。
三人はバーチャルルームを出て、合流してから対策会議室に向かう。
そして対策会議室に着くと、他のチームと凛花、沙由莉が既に待っていた。
「お待たせしてすまない」
「いえ、お気になさらず。では、皆さん対策会議と行きましょう」
賢次が言うと、凛花が返答してから話を進めた。
まずは、明日の出てくる生徒の情報、戦術、ステージの対策に話が進んでいく。
「ある程度話しましたが、一番危険なのは石嶋堂寺です。彼は強化アーマーの専属ドライバーで、今回の協高祭には自身の強化アーマーを出してくるでしょう」
凛花言うと、会議室にいる全員が黙り込む。だが、一人手を上げる。
手を上げている人物を見た凛花は口角を上げて、
「どうぞ、彰吾さん」
「石嶋は俺達の部隊で相手させて貰えないかな?」
「なにか策でも?」
「まぁ、それなりに。あと、少し石嶋とは戦わないと行けない理由が出来たって言うのもある」
それを聞いた全員は少しだけざわめいた。
「彰吾さん、貴方のチーム……いえ、部隊ですね。貴方達の部隊は私達の主力部隊ですよ? その部隊が強化アーマーを使ってくるであろうチームと対峙させたくないのは分かりますね?」
「俺等はただ荒らしているだけだよ。ほぼ個々に、ね。ワンマンアーミーみたいな部隊だよ」
「その部隊でも連携は取れているじゃないですか」
「それはウチの司令塔兼リーダーが優秀だからさ。だからこそ、俺と俊の二人で強化アーマーと戦う。それなら、他の奴は他で援護が出来る」
「それは無謀です。分かってますか?」
凛花は口角を上げながら俺達に言う。彰吾は凛花が口角を上げて笑っている時点で何かするな。と確信していた。
「分かっているさ。けど、俺達ならアイツに勝てる手段がある」
「なるほど。では、それをここで教えて貰ってもよろしいですか?」
凛花が聞く。先程から沙由莉は黙り続けて俺達の話を聞いてるのに、少し彰吾はまた怒っているのかと思いながらも話そうとする。
「俺は強化アーマーの事をよく知っている。それに俊はユニーク指定された。俊にはユニーク武器を扱える事が出来る。それに俺と俊は今まで共に行動しなかったのは理由がある」
「その理由とは?」
周りの視線がこちらに集まり、全員が納得するように話せている凛花に彰吾は「さすが」と思う。
「二人で暴れては俺もマークされる可能性があるからだ。俺もマークされればそれだけで辛い、そもそも俺はハッカーだからな。只でさえハッカー自体が警戒されているのに、更にされるのはもう辛いを超えた何かだよ」
と彰吾が言うと、他のチームメイトが「確かに天月は一人で一チームは壊滅状態もしくは、弱らせる事は出来るからな」と言う。
彰吾の話を聞いた全員は納得した表情を見せ、それを見た凛花はフフと笑う。
「では、皆さん。石嶋堂寺の相手は彰吾さんと俊さんにお任せしてもらいましょう。では、これで解散です」
会議が終わり、彰吾達は部屋に戻ろうとすると、スマホにメールが届く。
なんだ? と思い、彰吾はメールの差出人と内容を見る。
「俊、605号室に後で行こう」
「ん、おう」
話してから30分後、彰吾と俊は605号室の扉の前に来ていた。
彰吾は扉を三回ノックをする。すると、数秒後に扉のロックが外された。
「どうぞー」
と言われた彰吾は扉を開けて中に入る。
「はいり――」
「シッ……!」
彰吾達が入りますと言おうとした瞬間、凛花がそれを止めた。
この部屋に呼んだのは凛花である。先程の彰吾にメールを送った張本人。
彰吾達は言われた通り黙って中に入る。黙って入る俺達を見ている凛花は何処か悪い笑みを浮べながら先導してくれる。
かなり広い部屋で、広いリビングみたいな場所に出る。
三人が座れる位のソファーが一つと一人用のソファーが二つに、広い木製のテーブルが置いて有り、絨毯が惹かれて居てそこにはクッションも置いてあった。
それだけで無く、キッチンと冷蔵庫も置いてあり、彰吾達は圧巻する。
すると、凛花が手招きしながら右に移動し、着いて行くとベッドが二つ置いてある部屋に着く。
そのベッドの上で黄色い寝巻き姿をした女子がこちらにお尻を向けた状態で足をパタつかせていた。
フフフ……と悪い笑みを浮べながら笑う凛花を見た彰吾。因みに俊は部屋の広さに圧巻してポカーンとしている。
「ただいまー沙由莉ー」
「んー、お帰りー」
その名前を聞いた瞬間彰吾は凛花の顔をバッと見ると、それを分かっていたのかこちらを見ながら悪い笑みを浮かべていた。
「誰か来た感じ?」
「うん、まーねー」
「ふぅん」
沙由莉は未だこっちを見ないでタブレットを弄っているのか、彰吾達に気づかない。
「……あ、凛花ー冷蔵庫に自作の紅茶入ってるから持ってきてくれる?」
「うん、いいけど。そろそろ挨拶したらー?」
「え、深月なの?」
「確認すれば良いじゃないかな?」
ニコニコしている凛花。沙由莉は「んー?」と言いながらこちらをみると、
「……」
「……」
お互いに目が合うとその場で静止する。
「あ……」
と沙由莉が声を漏らすと、ドンドン顔が赤くなって行く。そして今の自分の格好を見ると直ぐに彰吾達の方へ向くように女の子座りをする沙由莉。
「よ、よう……沙由莉」
耐え切れず、彰吾は沙由莉に挨拶すると、
「え、あ、な……にゃんで?」
驚きすぎて呂律が可笑しくなってる沙由莉を見た凛花は沙由莉に背中を向けて笑いを堪えるのに必死で震えている。
「あー凛花に後で部屋に来て。大事な話があるから、と言われて来た感じ、なんだ」
アハハハ……と少し乾いた笑みで彰吾は沙由莉に言うと、沙由莉は涙目で凛花を睨む。
「な、なんで! 早く言わないのよ!!」
「プクク……! だ、だって、だって……!! プッ……アハハハッハハハハッハハ!!」
と沙由莉が凛花に言うと凛花は大笑いした。それを見ていた彰吾はふと、沙由莉の方を見ると赤いフレームのメガネを着けていて、黄色い寝巻き姿の沙由莉を凝視していた。
「あ、あの……彰吾、さん?」
「え、ああ。どうした?」
「そ、そんなに、凝視されると、です、ね」
「すまん……!」
顔を赤くして恥ずかしそうな表情を浮かべている沙由莉に言われた彰吾はハッと我にかえり、視線を逸らした。
すると、誰かが彰吾の肩に手を置いた。その数秒後、思いっきり肩を握りつぶす様に掴まれ、誰が掴んでいるのか直ぐに察した。
「い、痛いんだが俊……」
俊の方を見ると、満面の笑みで口の端から赤い何かが流れていた。
「イタイッテナニ? ワタシ、ニホンゴワカラナイ」
「お、おう……す、すまん……」
謝ると直ぐに手を放してくれる俊であった。気まずい空気を彰吾は一つ咳払いをし、
「で、何のようで呼んだ凛花?」
「ああ、それの事ですか。こう立ってるのも何ですし、リビングで座りながら話しませんか?」
そう言うと、凛花は沙由莉に一つウィンクをしてから彰吾達をリビングへ案内する。
その間に白のストールを羽織り、リビングに出てからキッチンに向かい、ティーカップを5つ取り出し、予め温めてあったポット内のお湯をハリオールに入れた。
彰吾と俊は二人用のソファ
お湯を入れたハリオールをテーブルに持ってきた沙由莉は先にお湯をティーカップに注いだ。
数十秒経ってからお湯を別の容器に移し、そこに紅茶を注ぎ、茶菓子も出した。
「どうぞ」
「頂きます」
「どうも」
「ありがとね」
彰吾、俊、凛花は沙由莉の注いだ紅茶を飲む。
「……うん。やっぱり美味しい」
笑顔で沙由莉に言う彰吾。
「ありがとうございます」
嬉しそうな表情を浮べながら言う沙由莉。
「あの、沙由莉」
「なに? 凛花?」
「こ、これ、渋くない?」
少し困った表情を浮べながら言う凛花にニコニコ笑っている沙由莉。
「だって、ストレートだもん」
「渋いよッ! いつもの沙由莉がやる甘さが欲しいんだけど!?」
「いい? ストレートだからこそ、自分好みに後で出来るの。だから、凛花の近くにはお湯が置いてあるでしょ? それで薄める用なんですよ」
実は凛花にはティーカップの隣にただのお湯が置いてあった。理由は先程のお返しと、自分好みに飲んで貰う為でもある。
と、説明する様に言った沙由莉。
「まぁ、ひとまず話は置いといて。エリアビーコンの事についての話を聞きたくて今日は呼びました」
真面目に話をし始める凛花に彰吾と俊も真剣な表情を浮かべる。
「お二人は1校のテストドライバーに勝てる。と言う事で本当に良いんですね?」
「はい」
「策はここでは聞かない事にするけど。理由はなに? 戦わなければいけない理由を少しは聞かせて貰えるよね?」
「それは俺から話させて下さい。凛花さん」
凛花が彰吾に聞くと、俊が言う。
「実は、石嶋の奴はウチの杏華の事を惚れたそうで、強引にデートとかをこぎ着けようとしているのを見たので、許せなくて」
「ふむ、それで理由は分かったけど。戦う方の理由は?」
「明日のエリアビーコンに俺達のチームが全滅と、俺を倒す事が出来たら杏華は石嶋と付き合うって理由になったのです。それで俺達はアイツを戦わなければ行けなくなりました」
俊の話を聞いた凛花と沙由莉は悩む。
「凛花さん、これはある意味被害が最小限に抑える事が出来るんです」
「なんでかな?」
悩んでいる所に彰吾が口を開く。
「石嶋は俺達の事しか頭に入っていない。いや、最優先で俺達を潰しにくるでしょうね。そこで俺達のチームが隠れる様に動けば石嶋は視界に入る俺等の味方チームを掃討していくと思う」
「……確かにその可能性は非常に高い」
「なら、最低条件の一つでもある。俊をアイツと対面させればそれだけで時間も稼げるし、倒す事も出来る」
「そこで、彰吾さんと組ませれば勝てない敵はいないって事ね」
「あー……実は、それ嘘なんです」
「は?」
「え?」
彰吾のまさかの一言に驚愕した二人。
「二人も必要無いんですよ。むしろ俊だけでアイツを倒すことは出来る」
「彰吾さん、流石に強化アーマー……いえ、テストドライバーの事を舐めてはいませんか?」
「いえ、舐めてませんよ。むしろ、相手がこっちを舐めていますから、それをついてやるんです」
と彰吾が自身満々に言うのを見た凛花は「はぁ……」と一つため息を着くと、それを見た沙由莉が「フフフ」と笑う。
「何が可笑しいの? 沙由莉」
「だって、彰吾さんですよ?」
それだけで全てを察した凛花はハッと気付く。
「何か面白い策でも思いついたからこそって事ですね」
「決まれば、強化アーマーといえど、逃げる事も耐える事も不可能ですから」
「分かった。じゃあそこはよろしくね彰吾さん、俊さん」
「「はい」」
凛花に言われた彰吾と俊は同時に答える。その後、凛花がスマホを取り出し操作し始めた。
それを見た沙由莉はフフフと笑う。
「何かあった感じですか?」
「いえ、なんでもないですよー」
彰吾は沙由莉に聞くと、沙由莉は笑いながら誤魔化した。
すると、来客用のベルがリンゴーンと鳴り、凛花が迎えに行く。
「誰が来たんだ? もしかして俺達邪魔だった?」
「ううん、大丈夫。すぐに分かるから」
彰吾ははぁ……と応え、沙由莉はフフフと笑う。俊は黙って紅茶を飲んでいる。
「連れて来たよー」
「突然なんですか? 近くの部屋に泊まっているからと言って、今は協高祭中でしょ? そういうのは良くないとおも――」
凛花に言いながら彰吾達のいる部屋に着いた瞬間言葉を失う。
彰吾と俊は来訪者の方を見ると、俊が口に含んでいた紅茶を少し吹き出す。
「――! 深月!?」
「しゅ、俊!? って、ああ! もう! 吹き出しちゃって! タオル借りるね」
俊はテーブルに置いてあったティッシュを数枚取り、深月は近くにあったタオルを取ってお互いに床を吹く。
お互いに床を拭くが、タオルより吸水性の高いティッシュはすぐに床を拭けなくなり、新しいのをとろうとした。
「取らないで下さい。私がタオルなのでお気になさらず」
と深月がティッシュを取ろうとした俊を止めた。
「なら、俺が拭くからタオルくれないか? 汚いだろ?」
俊は深月に手を差し出し、タオルをくれ。とアピールした。だが、それを見た深月は無視して床を拭き続ける。
「聞いてんの?」
「ええ、聞きましたよ」
「じゃあなんで?」
「このまま、私が拭いてる方が早いので」
「じゃあ、俺は除菌ウエットティッシュで拭くわ。って事であったりはー……?」
俊は立ち上がり、後ろを振り向いて沙由莉の方を見ると、
「ごめんなさい。ウエットティッシュは置いてないんです」
「そ、そうですか……」
沙由莉に聞いた後、俊は彰吾の方を見る。
「いや、持ってきてないぞ?」
「だよなぁ……」
ハァ……と一つため息を付いてから、床を拭いている深月を見る。
深月はピンク色の寝巻きにベージュのストールを着ていた。
それを見た俊は、
「……結構可愛いな。その服」
と零す様に言うと、深月は勢い良く俊の顔を見た。
「ん? どうした深月?」
俊は心の中で呟いたつもりだが、口にしている事を自覚していない。
俊に言われた深月は少しずつ顔を赤くしてから、立ち上がって凛花の後ろに物凄い勢いで隠れた。
その光景を見ていた凛花はプクククと笑いを堪え、沙由莉はほっこりして、彰吾はフフと笑いながら紅茶を飲んでいた。
「え、一体なにが?」
その後、床は立ち上がる時に既に終わらせていた深月。
そして、深月を呼んだ理由。それは、
「ただのお茶会ね」
「私達はすぐに集まれるけど、深月は遠いからこういう機会でないとね」
「そういう事ならありがたく参加させて頂きます」
と言いながら深月は沙由莉に入れて貰った紅茶を飲む。
「で? なんでお前が俺の隣にいるんだよ」
深月はソファーに座っている俊の隣に座る。右端に凛花が座り、真ん中に深月、左端に俊と座っている。
彰吾と沙由莉は一人用ソファーに座りその光景を見ていた。
「てか、何で退いたんだよ。彰吾」
「いや、邪魔になるかと思ってな」
「はぁ? そんなこ――」
「彰吾さんに迷惑掛けない様にしてくださいね。俊」
深月が俊の言葉を遮った。遮られた俊は彰吾を睨むが、はぁ……とため息を付いてから、茶菓子として出されたシュークリームを一つ取って食べた。
「――! これ美味いな」
「ありがとうございます」
美味しいと答えると沙由莉が俊にお礼を言う。俊はそのままシュークリームを頬張る。
頬張って食べていると、口元にクリームが付いている事に気付いた深月。
「クリームついてますよ、俊」
「ん?」
と言って俊は深月の方を向くと、深月ははぁ……とため息を一つ付いてから俊の頬に付いているクリームを人差し指で取る。
「はい、取れました」
「あ、すまん」
「いえ、気になさらず」
と言ってから深月は人差し指に付いているクリームを舐めた。
それを見て驚く彰吾達。何かと思い深月は彰吾達を見てから、ハッと気付き顔を真っ赤にしていった。
「大胆だね、深月」
と満面の笑みで言う沙由莉。
「た、たまたまやっちゃっただけなんです!」
顔を真っ赤にしながら言う深月であった。
その後軽く話してから、解散することになり彰吾達は明日の試合に備えて寝ることにした。
そして次の日。
『さぁ! やってきました! 今日でエリアビーコン最後の試合。1校対4女の戦いです! どうですか、久能さん!』
『そうですね。今回は面白い人達が私達の中にいますからね。そちらの方に期待しています。それだけでなく、他の皆様も例年よりも士気が高いので、どうなるか私も予想出来ません』
『ほほう……! これは見ものになる試合になるかと思います! では、皆様も一緒に盛り上げて行きましょう!!』
と言うと、観客席にいる人達が「おおおおおお!!!!」と声を上げ盛り上げる。
それを聞いていた彰吾達。既に彰吾達はバーチャル世界に入っていた。
「いい具合に盛り上がってきたな」
「ああ」
彰吾が言うと俊が答える。
「……」
話しているが黙っている杏華を見た俊は杏華の頭に手を乗せる。
「俊兄」
「任しとけ」
杏華はプイッと顔を横に逸して、俊と顔を合わせない様にした。
それを見た俊は優しく微笑みながらフ……と笑い、頭を撫でる。
「信じてるから」
「おう、勝ちに行ってくるからな」
俊が言うと、
「すまんが、時間だ行くぞみんな」
賢次が全員に言うと、準備完了ボタンを押してスタートを待った。
石嶋は強化アーマーを着てスタートを待つ。
「さぁて、杏華。今から騎士様がお迎えに行くから待っていてな」
と呟いた。
つづく
もうすでに最新話を書いている最中ですので、早ければ今月かなぁ。。。など思っている神蔵です。
ワガハイ=ワガママハイスペック面白いです。
ありがとうございました。




