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欠陥と超能力者  作者: 神蔵 悠介
~協高祭編 上 ~
24/32

二十四話 協高祭編 Ⅴ

遅くなりました。申し訳無いです……。


い、忙しいものですね、はい……。

遅れましたが完成です、どうぞよろしくお願いします。

 彰吾は協高祭の特殊競技ルールブックを、4女の図書室で読む。

 その近くに俊と賢次がそれぞれの行動をしている。

 俊はクーラーの効いた図書室でのんびりと机に寝そべっていた。

 賢次は英文が基本の本を読んでいる。

「ふぅ……」

 ルールブックを読み終えた彰吾は本を閉じてから一息付く。

 その後、背筋を伸ばしてから俊と賢次を見る。

「俊、のんびりしすぎだろ」

「だって、ここ涼しいし快適だろー」

「ん、まぁな」

 と二人で話した所で賢次に目が行く二人。

「お前何読んでるの?」

「You wil never understand what I mean to say(お前に言っても分からない)」

「は?」

「あー、はいはい。俺は?」

「I wonder if Shogo wil understand?(彰吾なら分かるかな?)」

「え?」

「何て、本よ?」

「A book about unidentfied organisms does exist, or not!?(未確認生物はいるか!?って本)」

「そういうの興味あるんだ。意外だな」

「いや、俺達みたいのがいるんだからさ、いても可笑しくないだろ?」

「あーそれは確かに」

「……」

 アハハハと笑う彰吾と賢次に何が何だか分からず、固まっている俊。

 途中で「は?」「え?」と言いながら彰吾と賢次を交互に見ながら、ポカーンとしているしかなかった。

 そんな俊を見た賢次は、

「あぁ、今の会話分からなかったのか」

「お、おう……」

「まぁ、難しいよな。流石に今回のは馬鹿にするつもりはない」

「賢次……!!」

 ここに来てとうとう賢次が俊に優しく接する。

 それに感動した俊は握手を求めようとした。

「――が、ある程度は、分かったよなぁ~?」

 突然悪い顔になりながら、俊に聞く賢次。

 焦った俊は視線を横に逸し、

「う、うん……!」

 それを聞いた賢次はニタァっと笑う。

「You I`m really stupid。答えてみろ?」

「あ、あな……たは――」

「お前は本当に馬鹿だよな。だよッ!」

「テメェ……良い度胸してんじゃねぇか?」

「今の英語、英会話の授業でやってる最中だろうが」

「まずは、答えを聞けや?」

「どうーせ間違えてる答え何かに時間を割くのも勿体ないんだよ」

 二人は睨み合いながら、火花を散らす。

「とりあえず、そこまでだ。一応ここ図書室だからな」

「「そうだな」」

 声を揃えて同時に言う俊と賢次は睨み合う。

「お前ら、仲いいんじゃ……?」

「「それはない」」

「ほれ」

「「……」」

 互いに無言になりながら、睨み合う二人であった。

 三人は図書室から出て、彰吾の働くケーキ屋兼喫茶店に行くことになった。

「お前の所のケーキ屋、10段階評価、9.9だぞ」

 突然賢次が彰吾に言い出す。

「ほー、結構いい評価出てんのね。で、何で、9.9?」

「簡単だ。行きづらいのが最大の理由で、0.1の理由」

「それ以外は良いんだ」

「あぁ、イケメン店員との会話。お悩み相談とか、あの座敷の所あるだろ? あそこが有名なんだよ」

「イケメン……先輩の事か」

「「……」」

 彰吾が言うと、俊と賢次は黙って彰吾を両ワキから見る。

「え、何?」

 二人に見られた彰吾は左右交互に二人の顔を見る。

 彰吾の反応を見た二人はため息を付きながら歩く。

「え、ため息付くレベル!?」

「「おめぇだよッ!!」」

 両方からツッコまれた彰吾は戸惑いながら、「俺ぇ!?」と驚く。

 そんな話をしている内に、彰吾のケーキ屋兼喫茶店に着く。

 ドアを開けるとドアに付いてるベルがカランと鳴る。

 ベルの音が聞こえると、カウンからター「いっしゃいませー」と言われた。

「お、天月か、どうした?」

「今度、協高祭に出ることになってですね。それの作戦を立てようと」

「おぉ! なら、俺録画しとくわ」

「止めて下さいよー」

「ハハハ、んじゃとりあえず、社割でケーキ出すから選んでくれ」

「どうも~」

 彰吾がケーキを選んでいるが、俊と賢次は置いていかれていた。

 それに気付いた彰吾は、

「あぁ、この人がここのバイトの先輩。伊月いづき作間さくまさん」

「どうも」

「で、この二人が俺の友人。宮下俊に有原賢次」

「どうも、宮下俊です」

「有原です、よろしくです」

「よろしく、せっかくだから二人も選びな?」

「「ありがとうございます」」

 三人でカウンターのショーケースにあるケーキを見る。

 どれも美味しそうで、迷う俊と賢次。

「ダブルチョコケーキで」

 直ぐに決めた彰吾に驚く二人は焦る。

「俊、ミルクレープ美味しいぞ。賢次は無難にショートケーキでも」

「「お、おう」」

「また、来れば良いからさ。な?」

「そうだな」

「それなら、彰吾の勧めたモノにする」

「って、事で伊月さんお願いします」

「あいよ」

 伊月はトングでケーキを優しく掴んで、トレイの上に乗せる。

 三つのケーキを三枚のトレイに置いて、会計をする。

「三百円な」

「ここは俺が出す」

 彰吾が三百円を伊月に渡してから、彰吾達はトレイを取って隣の休憩スペースに行く。

 休憩スペースに行くと、何名かお客さんがいる。

 彰吾達は、休憩スペースを通過して座敷の休憩スペースに行って座った。

 座敷の休憩スペースに入ると、一人の女性が入口で顔を覗かせている。

「どうしましたか?」

「え!? い、いえ……」

 どうしたのかと思い、女性客に聞く彰吾だが、女性客は何処か歯切れの悪い返答をした。

 だが、何かを決めたのか女性客はギュッと、自分の手を握る。

「しゃ、写真と握手して貰っても良いですか……!!」

「はい、大丈夫です」

「ありがとうございます! では、失礼します」

 そういうと女性客はスマホのカメラを起動してから二回程写真を取る。

 撮り終えると、彰吾は女性客に近付いて握手をした。

 握手をしてもらった女性客は顔を真っ赤にしながら座っていた席に戻った。

「人気だな。彰吾」

「そうとはあまり思わないけどね」

「自覚はしとけ」

「了解。さてと、エリアビーコンの話でもしよう」

 賢次が自覚の無い彰吾に言って、彰吾はエリアビーコンの話を進ませようとした。

 そうでもしないと、先程から物凄い顔で彰吾を睨む俊が怖くなった彰吾であったからだ。

「うん、結論から言うと。人が足りない」

「その問題だよな」

「そう、まずこの三人。他二人はどうするか、だな」

「難しいよな」

 彰吾と賢次で話を進ませていたが、人が足りないと言った辺りから俊が誰かに連絡している。

「賢次、誰かいるか?」

「俺は……いないな。彰吾は?」

「いや……、人はいるけど、これに参加ってなるといないのよねー」

「そうか……」

「……あ、一人。いるな、多分やってくれる」

「マジか」

「ああ、多分いけ――」

「彰吾、電話」

 二人で話していると、突然通話していた俊がスマホを彰吾に渡す。

 何が分からない彰吾はとりあえず、電話に出て変わる。

『ちょっと! 俊兄!! 意味分かんないからッ! 何でそんな事しなきゃいけないの! 面倒臭いじゃん!』

 電話を変わって出たが、突然通話している相手が怒っていたが、何処かで聞いたことのある声に彰吾は考える。

「……杏華ちゃん?」

『……え?』

「ん? ち、違ったかな?」

『あッ、え、お……しょ』

「しょ?」

『彰吾……さ、ん?』

「あ、ああ……。彰吾だよ」

『あ! いえ! 先程のは何でも無いんですよ!! ハハハハ!!』

 彰吾と分かった瞬間に驚きを隠せず、先程の怒鳴っている事は勘違いと彰吾に伝える。

 そんな杏華に彰吾はフフッと笑い流す。

「やっぱり、杏華ちゃんは面白いね」

『い、いえ、そんな事は……』

「ううん、十分に面白いし女の子らしくていいと思うよ」

『あ、ありがとうございます……!』

「それで、俊に急に変わられたんだけどさ。どういう事?」

『実は、突然俊兄が協高祭に出ろって言うんです。人が居ないからとか、本当に分からなくて』

「あーなるほど、その件ね困ってるんだ」

『っと言いますと?』

「ん? 人が居なくてね。協力してくれる人が入れば、その人は競技に参加出来るだけで無く交通費が支給されるんだ。まぁ、後日払われる形だけどね」

 彰吾が言うと、杏華は黙り何か呟いているが、彰吾は聞こえなかった。

『……、それって彰吾さんはその競技に参加する感じで。その人探しをしている最中と?』

「ああ、そうだよ。頼もうと思えば、まぁ……居ないことないからね。どうしたの?」

『私手伝いますよ』

「え? 良いの?」

『はい、全然大丈夫です。むしろ行かせて下さい』

「分かった。ありがとう杏華ちゃん、こっち来た時は何かご馳走するよ」

『はいッ、楽しみにしてます!』

「いつぐらいに来れそう?」

『んー、最短で明日の朝にはそっちに着きそうです』

「分かった。じゃあ、確実に着く時間が分かったら教えて」

『了解です! では、失礼します!!』

 杏華が言うと、通話が終了する。通話が終了すると、俊にスマホを返す。

 その会話を俊と賢次はケーキを食べながら聞いていた。

「上手く行った様だな」

「だな」

 俊は賢次に言う、彰吾はため息を一つ付いてから座る。

「突然すぎるだろ、杏華ちゃん驚いてたぞ」

 ケーキを食べている俊に向かって彰吾は言う。

「ん……っでも、これで一人確保したな。後ひとりは?」

「確かにそうだけど……はぁ、とりあえずもう一人は今連絡する」

「了解」

 そして彰吾はその場でスマホを出して協力してくれるであろう人物に電話を掛ける。




 電話を受けた杏華は学校の授業が終わり、友達と帰ろうと教室で支度してる所に俊から電話が掛かってきた。

 その電話に出て、内容を知ると杏華は急いで荷物を支度する。

「杏華ー、今日皆で帰りに行く買い物何だけど、どこ行く?」

 教室の扉から杏華を呼ぶ杏華の同級生。

「ごめん……ッ! 急用が出来て行けなくなっちゃった……!」

「えぇ……どうしたの?」

「えっと……、その、海上都市に用が……」

「遠いじゃん……何で?」

「その、た、頼まれて……」

「何を?」

「きょ、協高祭の手伝いを、ね?」

「そういうのは普段は断るのに、どうしたの?」

 同級生、杏華とは幼い頃から一緒にいる麻間あさま日奈ひなが言う。

 いつもの杏華なら場所にもよるが、遠い場所へ遠征などはしない。

 しかし、今回の杏華は何か別の理由で行こうとしていると感じた日奈である。

「あ」

「――!?」

 何かを思い出した日奈に何かを気づかれたと思った杏華は日奈を見る。

「天月さん?」

「違います。違いますから」

「あー、天月さんかぁ……それなら、仕方ないよねぇ」

「違います。違いますよ」

「あのね、杏華?」

「は、はい? なんでしょうか?」

 日奈はニコニコしながら杏華に近付き、

「図星の時だけ真面目になって誤魔化そうとする癖は見抜いてるし、他の事を考えても天月さん以外に杏華が遠くまで行くことはないからね。それくらい分かる」

「……、そうです……。彰吾さんです……」

「よし、分かった。とりあえず、買い物して必要な物揃えてから向かおうねー。おーい、みんなー今から行くからー」

 廊下で待っていた杏華と日奈の友達達に伝えると、「わかったー」と返ってくる。

「いこっか」

「うん、ありがと」

「気にしない気にしない」

 そして、杏華と日奈は教室を出て友達たちとみんなでデパートに向かう。

 デパートに着くと、すぐにファッションコーナーに行き、服を見る。

 その後、大きめの鞄を買い、下着を買っていく。

 ある程度買い物を済ますと、フードコートにあるアイス食べ放題のある店に入り一休みした。

 杏華はアイスを取って皆のいる席に座り、スプーンでアイスをすくって口に運ぼうとする。

「そういえば、杏華って海上都市に行くんでしょ?」

 突然の友人からの発言にスプーンを持つ手を止める杏華。

 杏華はゆっくりと日奈の方を見ると、テヘペロっとした顔でいる。

「どうしたの?」

「本当にそれ」

「だって遠いよ?」

「「「なんで?」」」

 それぞれが言い終わると同時に杏華に聞く三人。

「その、頼まれて」

「誰に?」

 友達Aが杏華に聞くと、戸惑う杏華。

「俊兄さんの友達に……」

「へー? どんな人?」

 友達Bがそれに返事をする。

「ど、どんな? カッコイイ、人だよ……?」

「写真ある?」

 友達Cが気になったのか写真があるかどうか聞く。

「あるよ」

「「「見せてッ!!」」」

 身を乗り出す様に杏華に迫る三人に驚き、少し後ろに引く。

 杏華はこの前来たとき撮った写真を表示してから見せる。

「カッコイイ、かな?」

「そうだね」

「何か優しそう」

「ほへぇ~初めて見た」

 三人と日奈が写真を見ると、それぞれの感想を言っていく。

 写真を見せると、突然恥ずかしくなる杏華。

 そんな杏華に、

「何で好きになったの?」

 日奈が聞く、実際日奈は何故杏華がこの天月彰吾の事が好きなのか知らなかった。

「話してなかったっけ?」

「ううん、聞いてない」

「そっか。ついでに話しておくよ」

 杏華はいつも通り、学校から帰宅すると道場が賑わっていた。

 何だろう? と思い、杏華は道場に入るとそこには知らない男の人が師範代と戦っていた。

 その時、杏華は入門生かと思い見ているとそこに俊が男に近付き、話している。

 男と俊は話し合うと、直ぐに師範代を倒しその後、笑って道場を出ていく。

 俊が裏手の稽古場に連れて行き、それについて行った杏華。

 少なからず、師範代を倒す程の実力者が気になる。

 俊が離れ、男が一人に鳴った所に杏華は男に近づく。

「初めまして、すみません。気になって追っかけて来てしまいました。私は立瀬杏華と言います。俊兄がお世話になっています」

「ああー、キミが杏華ちゃんか。俊から少し聞いてるよ。おっと、失礼。俺は天月彰吾、よろしく」

 そしてその時に名前聞き、知る。男の名は天月彰吾。

 名前を聞けただけでもよしと思っていると、杏華は今日限定販売ケーキを買いに行くことを思い出して、急いで部屋に行く。

 部屋に着き、着替えてから玄関を出て門を出る。

 少し走って曲がり角を曲がった瞬間、誰かに口元を抑えられて拘束される。

 拘束された杏華は後頭部辺りを強打され、気絶する。

 気絶を確認すると、杏華を車に乗せて走り去った。

「杏華ちゃん!!」

 それを寸前の所を見ていた彰吾は急いで俊の家に戻り、事情説明をしてから車庫にあるバイクに俊と乗って車を追う。

 車の色と特徴、ナンバーを完全に覚えていた彰吾は俊に警察に電話させ、彰吾は運転をする。

「少し飛ばすぞ! 俊!!」

「ああ!!」

 アクセル捻り、スピードを上げる彰吾達であった。

 気絶していた杏華だが、目を覚ますとそこはどこかの倉庫にいた。

 一人の男が目を覚ました杏華に近付き、広めの木の板の上に杏華を置く。

「は、離して!」

「良い体してんじゃねぇか。見させて貰うぜ」

 男が言うと、服を無理矢理開いて杏華の肌と下着を露にさせる。

「いやあああああああああ!!」

 その後に、スカートに手に掛けてスカートも脱がす男。

「水色かぁー可愛いねえ」

「やめ、やめて……!」

「やぁべ、興奮してきちまった」

「おいおい、そいつは人質なんだぞ? 変な事すんな」

「いやいや、抱く位はいいだろ?」

「生はやめろ、後で俺も抱くから」

「おっけー」

 杏華の声は届かず、四人程いる男に囲まれている状態。

「んじゃ、楽しもっか。きょーかちゃん」

 もう、ダメだ。と思い、泣いていると、突然シャッターの外で何か騒ぎ始めた。

「な、何だこのガキ!?」

「たった二人だろうが!」

「こ、コイツらつええ!!」

 数十秒すると、静かになる外に何が起きたのか分からない。

 すると、シャッターが上にゆっくりと上がっていく。

 そして、シャッターの前にいたのは、

「あ、天月さんに……しゅ、俊兄ぃ……」

 俊はボコボコにされている男の胸ぐらを掴んで持ち上げていた。

「ごくろう」

 と、俊が言うと男を殴り飛ばして倉庫内に入る二人。

「いたぞ! こっちだ!!」

 外から何名か倉庫に向ってくる。それを見た二人は、

「彰吾、中は任せる」

「分かった」

 俊は外に出て、援軍であろう誘拐犯達を相手しに行く。

 彰吾は一人中に入り、男四人を睨みつけた。

 男達はたった一人の彰吾に殴り掛かる。

 彰吾は右から来るパンチを、払って態勢を崩した所に膝打ちを腹部入れる。

 左から来る男には攻撃を回避してから、ワンツーと二撃顔に入れて、腹部に掌打を入れた。

 正面から来た男は回し蹴りを首に当てて、意識を持って行き、ぐらついている所に相手の膝を足場にしてから相手の顔を蹴った。

 一瞬で男三人が倒され、残された男一人は杏華にナイフを突きつける。

「動くなっ、この女がどうなってもいいのか!?」

「……分かった」

 両手を上に上げて、降参とアピールして男が油断した瞬間に彰吾は能力を発動して、男のナイフの持っている腕を上げた。

 能力を発動させた瞬間に走り出した彰吾、だが男は直ぐにナイフを彰吾に向かって振り下ろす。

 彰吾はギリギリ避けられず、頬を軽く切られたが男を殴り飛ばした。

 殴り飛ばすと直ぐに彰吾は杏華に近づく。

「大丈夫!? 杏華ちゃん!! 酷い目にあったよね、ごめんね!!」

 と謝りながら彰吾は自分の着ていた上着を杏華に羽織らせた。

 安心仕切ると、涙が止まらずにいた杏華。

「怖かった……! 怖かったぁ……!!」

 彰吾は優しく杏華を抱きしめ、泣き顔を隠した。

「怖かったね。でも、もう大丈夫。全部終わったから」

 そして、事件は彰吾達に手によって解決され、一件落着となった。

「で、その後。彰吾さんに――」

『杏華ちゃんが無事で居てくれるなら、それだけで俺は嬉しいよ』

「――って、言ったんです。惚れました」

「「「「…………」」」」

 もじもじしながらその時の事を思い出して嬉しさ半分、恥ずかしさ半分の表情を浮かべる杏華。

途中までは話は良かったのだが、最後の部分で反応し辛い四人。

「でも、杏華が協高祭出るなら私は競技場に行こうかなー」

「私達は、忙しいから。テレビで応援するよ!」

「がんば!」

「ファイト!」

「うん、頑張るよ! んじゃ、アイスたべよ?」

 その後、杏華は家に帰り、直ぐに支度をしてから新幹線に乗る。

 新幹線に乗ったが、まだ発進には時間があるため先に椅子に座る杏華。

 少しの間だが、彰吾の近くにいれる事が嬉しい杏華は早く着いて欲しいと思うのであった。



 つづく。

杏華ァアアアアアアア って言う妹が居たら面白いのでは無いでしょうか?

居たらはっきり言って優良物件ですよ! まぁ、現実にはそんな妹いませんが(白目

そんなこんなで24話でした。

これからも欠陥と超能力者をよろしくお願いします。

ありがとうございました。

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