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紅線  作者: 物怖じ
7/11

逃亡計画②

何でだろう?最近尚太くんが優しい。

帰りもなんだか早くなってきた気がするし(ちょっと寂しかったりしたから嬉しかったり、その・・・うん)、ご飯も前はそんなに食べなかったのにおかわりしてくれるし(私のご飯がまずくて食べられないんだと思ってた)、いっつもじゃないけど、たまに私が欲しいって言ってたのを買って来てくれたり(私が1人で呟いていたときのものだけどね)、一番は夜。前は容赦なかった、とってもハードだったのに今はすっごく優しい。なんかとっても大事な彼女にたいして接してるみたいに(私は彼女じゃなくて、妻だけどね)・・・そこで私は確信した。これは私の計画が成功しているんじゃないかと。大人しくしていた結果なのではないかと、このままいったら足枷外してくれそう。外してほしい。だけど、尚太くんに外してっとは言わない。尚太くんが外してくれるまで待つ。だってそうじゃないとこの作戦で本当の成功とは言わないし、本人が外した方が不審に思われないしって、前は思ってたのに・・・なんで?最近はこの足枷があっても、なくてもここから出ていきたいなんて思えなくなっていた。尚太くんがこの家に帰ってきてくれるのが嬉しい。尚太くんを玄関で迎えるのが嬉しい、尚太くんがご飯をおかわりしてくれると嬉しい。あれ?何で?

もしかして、尚太くんがおかしいんじゃなくて私が・・・おかしい?

何で?今までここを出ようって思ってたじゃないか、私は、あの男が憎いんじゃないの?監禁されたんだよ?私の仕事も辞めさせたんだよ?私の居場所を奪ったんだよ?なのに、何で?何で尚太くんにそんな感情が?何で尚太くんが帰って来て嬉しいの?

ダメだ。

このまま尚太くんと居たら私は尚太くんを好きになってしまう。

私はここから出たい。尚太くんじゃなくて他の優しい男性と結婚したい。その愛した男性との子供が欲しい。その男性と幸せな人生を共に歩みたい。あれ?何で男性が尚太くんで考えちゃうの?背中につーっと汗が流れる。この部屋はエアコンが付いているから暑いはずないのに、汗が止まらない。あれ?えっ?何で?

私は尚太くんが、好き?

ダメだ。

このままじゃダメだ。私がダメになる。

この作戦を続行したら危ない。早く、早く外に出ないと、逃げないと。

早く逃げたい。

逃げたい?良かったまだこの感情はあるんだ、・・・よっしゃあああああ!!っは、なんか今そう思ったら一気に尚太くんへの感情なんて吹き飛んだ気がする!!あっれー?え?何で?むしろなんかスッキリっ!!みたいな?やばす!!何か暗示的なのかけられてたり?え?さっきまでシリアスだったのにって?残念だったなここにシリアスはないっ!!そんなもん求めてんだったらよそへ行けっ!!ここにはないっ!!もう一度言う、ないっ!!あー、何か物すっごく監禁魔が憎いんですけど。何で私があいつの事好き(笑)なんだよ、好き(笑)って、好き(笑)って、ぷぷ。

でもさっきはマジでヤバかったな、このままここで永眠を希望してしまいそうだった。

ふう、私は流れていた汗をぬぐう。そんなに汗流れてないけどね、雰囲気的なノリでね。

あ、そろそろ尚太くんを迎えに行かないと、何だろー、何でさっきあんな感情が生まれたんだろう?不思議だ。



「おかえりー」

「ただいま、日世子さん」



こいつは私の名前を絶対にさん付けで呼ぶ、ちょっと敬語だし。私は尚太くんがそう呼ぶんだったらって感じだからあんま気にもしてないけど、夫婦ってこんな感じなわけ?なんか他人行儀みたいな感じがする。って、なんでそんな事を考える、私っ!!ここから出て行くんだからどうでもいいじゃん、うん。そうだ何を考えてんだ私、目を覚ませ。私の目の前には私の敵の監禁魔で強姦魔な尚太くんだけじゃん。あー危ない、危ない。



「今日の晩御飯なに?」

「今日?今日は、豚の生姜焼き、尚太くん好きでしょ?生姜焼き」

「うん。そっかー生姜焼きか。前、私が好きって言っていたの覚えていてくれたんですね」

「え・・・あ、うん」

「ふふ、楽しみです。日世子さんはお料理上手ですから」

「あ、りがと・・・」



何で、私尚太くんの好きな食べ物しってんの?何で覚えてたんだろ?何で作ったの?

私は考えるのをやめた。このまま考えたら危ない気がして、もし考えて辿りついた先があの感情だったら私はもう逃げられない。

きっと、母性本能が活発化しただけ。うん。おーけー理解した。私は、この大分年の離れた尚太くんを息子のように思ってるんだ。よしよし。そうしよう。そう思っておこう。そう思っとかないと何かヤバいんだよおおおおおおおっ!!!

っふ、豚の生姜焼き、うまっ。



「日世子さん、私10日後に仕事で海外に行きます」

「え・・・?海外って?」

「映画の撮影でフランスに、なので暫くここをあけることになるんで・・・足枷外しておきますね、あと、お金はこの通帳から引き落としていただければ結構です、このマンションを出て右に曲がったところにお店があるのでそちらで食材を買って下さい、他にも何か欲しいものがあれば、どうぞ」



そっと手元に通帳とハンコがおかれる。これ中みたら物凄い金額な気がする。

でも、いきなり何で?何で足枷を外してくれる事になったんだ?でも、よっしゃああああああああああああああああっ!!逃げれるっ!!これも日々の努力と信頼の賜物だよねっ!!私は足枷を外しても大丈夫って思われるくらいには信用されてんだね!!よっしゃっ!!きたーーー!!!



「なんだか嬉しそうですね」

「っへ?!・・・そんなわけないじゃん、気をつけてね、体壊さないでね」

「はい、気をつけます・・・あと、」

「あと?」



私は首をかしげる。



「逃げないでくださいね」



彼は笑顔で言った。

私も笑顔で言う。



「逃げないよ」



逃げるけどね。







やっと逃亡開始ですっ!!


シリアスだと思った方すみません。

シリアルぐらいのテンションでした☆

もうちょっとしたらちゃんとしたシリアスを書こうかな・・・とか思っていますので今回シリアスじゃなくて残念だと思った方は楽しみにしていて下さい(●^o^●)


ちょっとって言うか、かなりふせんもどきが張り巡られている今回ですが、分かる人にはわかると思います^^


これから主人公はどうなるんでしょうっ?!

私も分かりません(爆)


これからがんばって逃亡したいと思います\(^o^)/


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