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猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める  作者: 遥風 かずら
アフターストーリー 2

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トージの亜空間な植木鉢 ②

「コムギさん、クウくん、ごめんね」


 コムギさんとクウが麻痺から回復したようなので、原因を作った責任としてふたりの頭を撫でつつ頭を下げた。


「ニャ?」

「なんだ~どうした~?」


 すると、俺の突然の謝罪にふたりは可愛い首傾げをして驚いてみせた。


「トージがどうして謝るのニャ?」

「うん、それはね……そこに見える植木鉢を床に落としてしまったからなんだよ」

「ふんふん?」


 コムギさんは俺の話に耳をぴくぴく動かしながら聞いてくれているが、


「おいらはトージに怒られるかと思ってたから気にしないぞ~」


 クウはそこまで関心が無いのか、小屋の中を自由に動き回っている。この辺は猫さんらしいというかなんというか。 


「鑑定してみたら麻痺効果のある種だったんだけど、それを調べる前に植えちゃってそれを落としたせいで……」

「そういうことだったのニャ~! 麻痺は初めてでもないけど、驚いちゃったニャ」

「だ、だよね」


 興奮状態だったし、喧嘩が今にも始まりそうだったから訳が分からなかったんだろうなぁ。


「でも、もう心配はいらないニャ。クウはどうか分からないけど、私は強いのニャ! だからもう二度と麻痺になることはないからトージは何も心配いらないニャ~」


 言いながらコムギさんは俺にすりすりしてくる。そんなコムギさんを俺は遠慮なく甘やかした。


 それにしても亜空間スキル付きの植木鉢か。ここに持ってきた植木鉢全てがそうじゃないとはいえ、きちんと調べて使えるものを確かめてみないとだな。


「コムギさん。とりあえず俺は植木鉢を全部調べてみるよ。亜空間の植木鉢がどれくらいあるか分かれば、種の使い道も分かってくるだろうからね」

「分かったニャ。それじゃあ私はクウと一緒に小屋の外を見回ってくるニャ」

「うん。気をつけてね」

「ウニャ」


 暇そうにしていたクウを連れて、コムギさんは小屋の外へと出て行った。そうなると俺がやるべきことは、植木鉢を全て磨いたうえで鑑定をしてみることだ。


 植木鉢さえ綺麗にすれば、後は種を鑑定するだけになる。


 ――そうして土被りの植木鉢をテーブルに並べながら一通り磨いてみると、やはり亜空間な植木鉢はただの一つで、残りは火属性や水属性といった属性付きの植木鉢が混ざっていることが分かった。


 植木鉢は主に磁器の植木鉢で、それ以外には土師器はじきの植木鉢、木製植木鉢などがあった。


 そうなると後は種を鑑定して属性植木鉢に組み合わせれば、何らかの物が育つ可能性が期待出来そう。


 植木鉢は全部で十個。その中には欠けていた植木鉢もあったのでレストアスキルで直すことに成功したが、それくらいではコムギさんの負担にはならないように思えた。


 後は種を鑑定して植えてみるだけだが、コムギさんにも見てもらおうかな?


「トージ~! そろそろいいかニャ?」


 コムギさんだけでも呼ぼうと思っていたら、彼女も種の鑑定に興味があるのか小屋の中に戻ってきた。


「あれ、クウくんは?」


 戻ってこないかな、なんて思っていたけど戻ってきたのはコムギさんだけでクウは中に入ってきていない。


 ……あまり植木鉢とか種とかに興味なさげではあったけど。


「見回りニャ。そうそう、それとトージに教えておくニャ」

「うん? 何かな?」

「クウの魔法と私の魔法を使って、小屋に魔法防御をかけておいたニャ。これなら普通の人間や低級の魔物なんかは入ってこれないニャ。だから安心していいニャ~」


 おぉ!


 クウの魔法は教えてもらってないからその効果は分からないけど、コムギさんは聖属性の力を有している。その魔法を使ってくれたなら、不審な者が入ってくることはないはず。


 何気なく外に出て行ったと思っていたけど、その辺りは流石コムギさんだ。


「えっと、それじゃあ種を鑑定してみようか」

「楽しみニャ~」


 小袋にいくつも入っている種を適当に掴み、コムギさんを抱っこしてテーブルの上に乗せ、彼女にも見える位置で種をいくつか手に取って鑑定してみた。


 鑑定結果は俺しか見えないはずなので、コムギさんにはすぐに教えることにする。


 すると。


【ガルスの穀物】

【ガルスの野菜】

【ガルスの即席おやつ:猫に限る】


 などなどが見えた。


「ガルスって何だろうね? どこかで聞いた覚えがあるんだけど……」

「魔導師の名前ニャ。一年も前だから忘れちゃうのは仕方がないけどニャ」

「え、魔導師? あっ……そういえばそんな人いたような」


 コムギさんと一緒に暮らすようになってから、猫魔導師以外の魔導師に出会ったことがなかった。そのせいか、旅の途中で出会った魔導師の名前をど忘れしていた。


 そうか、魔導師ガルスか。


 確か俺が教えた即席麺を再現しようとしてた人だった。そんな人の名前が種の名前で出てくるなんて、やっぱりクウに種をくれた人って――。


「トージトージ! 即席おやつの種を植えてみてほしいニャ!」

「あぁ、猫に限るってやつ? すぐにおやつが出てくるなら重宝しそうだよね」

「トージの植木鉢から鳥のささみが生えてくるかもしれないニャ?」

「え? 鳥のささみ? い、いやぁ、それはどうかなぁ……」


 何だかよく分からないものの、期待の眼差しをするコムギさんとともに即席おやつの種を植木鉢に植えてみた。

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