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第07話:襲撃 第二日目そして南門が!!

本日も三連投いきますよ!

まずは、本日の第一弾。

 ふぁぁー。ねむい。

 仮眠から覚めた後、貯蔵庫で保管している薬草の状態を確認したり、薬研や石臼などを使って薬の原料を使いやすい状態に加工したりと消費した薬の補充をしていた。


 シュザイルさんも夜明けとともに目を覚ました。まだ意識は少し朦朧としているようだけど。


「シュザイルさん、気分はどうですか?」


 シュザイルさんの拘束具を解きながら状態確認を始めた。


「あぁ、大丈夫だ。ありがとう、リナちゃん」


「気持ち悪くないようなら、早速ですが、この薬を飲んでもらっても良いですか? これは造血剤といって血液を増やすための薬なんです」


 薬瓶に入った薬を渡して飲ませた。


「痛みはだいぶん収まっているし、俺は一旦、北の詰所に戻って隊長の指示を確認してくるよ。腕は動かないけど監視ぐらいならできるからな」


 今までの経験から、ここまで酷い骨折の場合、半月は絶対に動かさずに安静にしておいてほしいところなんだ。下手に動かして、骨が歪にくっついてしまうと、リハビリしても腕が動かしにくいとか後遺症が出ちゃうんだよ……。

 本当は、安静にしておいてほしいけど現状だと難しいかー。


「わかりました。麻酔の影響が残っていると思うので私もついていきます。ただし、その前に、麦粥を食べてくださいね」


 そう言うと村でよく食べられている麦粥の入った器を渡した。シュザイルさんが寝ている間に作っておいたのだ。麦粥とは、麦と季節の野菜と手持ちの肉類をコトコトと煮込んだだけの簡単料理。栄養のバランスも良く、水分もしっかりと取れるので、大きな治療をした患者には食べさせている。


 シュザイルさんが食べ終わって、店を出ることにした。

 私は、いつもの皮鎧、薬の入ったカバンを肩にかけて、背中には短槍といったスタイルだ。


 店を出て、少し歩いていた――その時


 ズドーーーン!!!


 地面が揺れるほどの大きな音と、後ろから体を突き飛ばされるような強い風が吹いた。


「っつ! 何事だ!」


 グオーーーズッシーーン!!!


 何か大きなものがゆっくりと倒れるような音。


「シュザイルさん、あれ!」


 振り返った二人の目には、大きな土煙のようなものが空に向かて立ち上っているのが見えた。


「あっちは南門の方だぞ。マズイ、敵が回り込んだんだ。リナちゃん、走って隊長に知らせに行ってくれるか!」


「いや、あの音なら隊長も気が付いたと思います。隊長たちが来るまで、敵を足止めしておかないと」


「無理だ。この体では武器もまともに扱えない、足止めにもならない。南門の櫓に守備隊は居ないから戦える奴もいないぞ」


「シュザイルさん、こっちに来る隊長の代わりに北の詰所に向かってください。私は南門の様子を見てきます。このまま村に侵入して散開されると、守備隊の皆さんも手に負えなくなる」


「くっそ! わかった。無理するなよ」


 そう言うと、鎮痛剤が効いていても激しく動けば痛いはずなのにシュザイルさんは北の詰所に向かって走り出した。


 ああ、マズイ。これは、マズイぞ。

 一旦、店に戻る。カバンの薬を入れ替えるのだ。一応、怪我に対応するための薬も持っていくが、一番はそれじゃない。素早く薬を詰め替えて、門に向かって走り出した。


 ユグリナの村には百五十名ほどの村人が住んでいる。村の面積は広いが徐々に人口は減っていっているという典型的な辺境の村だ。それだけに、村人は皆が顔見知りで、お父さんとお母さんが命がけで助けた村人たちなんだ。


 うぉーーっし! 私が守る、誰も死なせるか!!


――――


 南門に近づくにつれて状況が分かりだしてきた。

 門扉は破壊され、櫓も倒れている。南の詰所も扉が破壊されているところを見ると南門を監視していた村人は……

 賊たちは、詰所のあたりに居るようだが、正確な人数は把握できない。


 とりあえず、詰所が見える場所まで家の影を利用して近づいて来たが。

 うーーん、ここから見えるのは二人か。これ以上近づくとバレる……ここから気配を探るしかないな。


 気配を探る。そう、なんて言っても避ける・躱す・逃げるの三拍子が得意だ。むしろ、お父さんからは、これしか教わっていないぐらいだ。あ、薬師の知識と技術はお母さん譲りだぞ。

 それはとにかく、人間よりはるかに速い魔物はいる。では、そんな魔物から避ける、逃げるをするにはどうすれば良いか。

 そう! 相手に気づかれる前に、こっちが先に感知して逃げれば良いのだ。

 ん? クマ野郎? あれは完全に油断していた。前もって探っておけば気づけた!

 いやいや、今はそれどこではなかった。


 とりあえず……心を落ち着け、静かに……ゆっくりと地面に薄い膜が広がっていくように


 ふーーむ。詰所の裏に二人、詰所の中に四人……防壁の外も二人っと。外にいる二人も含めると合計十人か、まだ、敵は村の中には散らばって無いようだな。まあ感知の範囲外にまで行っていたらわかんないけど。人数も多いし、散らばっていないようだったら、このまま、ヨハンさんが来るのを待とう。


 こんな時に、余計なヒーロー根性を出すと死んじゃうんだよな。臆病で慎重派なのが一番良い!


 ……ん?


 詰所から四人が出てきたけど、どうも様子がおかしい。四人のうち二人は腕を縛られているように見える、さらに、後から出てきた二人に剣のようなもので突かれているぞ。あ! あの二人は村の人だ。暗くて誰かわからないけど、人質にされている。でも、人質にしているぐらいだから、すぐに殺されることはないかな。隊長が来るまで、もう少し我慢していてもらうとしよう。


 などと考えていると、詰所の前にいた二人が、ゆったりと弓を構えた……


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