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第51話:苦手な魔物

本日、2度目の投稿です。

8000PV突破ありがとうございます。連載当初は、読んでくれる人も、あまり居なくってどうしようかと思いましたが、何とかここまで続けられました。これからも頑張りますので、応援お願いします!

下の☆☆☆☆☆から評価いただけたら幸いです。

 ハンスさんと村長さんたちが出発した後、私たちは異臭が漂う中、掃除を始めることにした。


「本当に臭いし、多いしで嫌になるなぁ。あ、エイペノスは気を付けてください。牙と爪に腐敗毒がありますからね」


 私たちは、魔物の死骸を一か所に集めまくった。あぁ、もうすぐ私の身体強化が切れてしまう。私は身体強化なしで、この魔物を運ぶのは難しいのだ。エイペノスもガルムも殆ど私と分からない大きさだから、それを一体運ぶだけで、ヘロヘロになってしまう。

 何と間に合わせようと頑張ったが、結局、間に合わずに、戦闘員のカールさんとビアンカさんに残りを

 お任せすることになってしまった。


「はぁー。ようやく集め終わりましたね。じゃ少し離れて火を放ちますかね」


 ビアンカさんの声に疲れが滲んでいるが、もうひと踏ん張りだ。皆で魔物の山から離れて風上に向かって移動を開始した。


 ゴォォォ!!


「な、なんだ地面が揺れている。地震か?」


 カールさんの声で三人は慌てて、馬にまたがった。


「窪地は崩れる可能性がある。准尉、後ろに乗ってください!!」


 私はビアンカさんに引っ張り上げられるようにして、馬の後ろに乗せてもらった。

 大尉を先頭にビアンカさん、カールさんの馬が窪地から脱出するように縁に駆け上がった。


 身体強化が切れている私では、駆け上がるのも大変だから助かった。窪地の縁から見下ろすと、ちょうど魔物の山を作った地面のあたりが陥没していくのが見えた。


「やっぱり地震……『ドゴォォォ』」


 あ、あれは……サウンドワームだ。魔物の山を下に空いた大きな穴から、奴の円形状に開けた口とそこに並んだ歯が見えた。奴は魔物の山を、その下の地面ごと飲み込んだようだ。

 うーーん。火を放つ手間が無くなったと言えばそうなんだが、一歩遅かったら、私たちも飲み込まれるところだった。

 奴は、満足したのか、穴の中から出てくることなく再び轟音を立てながら、どこかに移動していった。


「良し! 掃除は終わった。マグリーナへ帰るぞ」


「あ、大尉。ちょっと待ってください。私の馬を迎えに行ってきますから」


 ビアンカさんに私の乗って来た馬の場所まで乗せて行ってもらったら、お馬さんは無事だったよ。やっぱり賢いのか、魔物たちに怯えて逃げることも無くちゃんと待っていてくれた。



 とりあえず、私たちの任務は完了だ! 私は帰り道でも乗馬の練習をしながら帰ったが。そんなに簡単には乗りこなせないようだ。

 結局、脚の指示だけでは馬に伝わらず、手綱も使って何とか指示できる状態だ。これではいざと言う時に困る。手で槍とか剣など武器を持っていると手綱の操作が出来ないのだ。だから脚だけでも馬に指示を伝えられるようにならないと駄目なのだ。これは、まだまだ練習が必要そうだ。


 司令支部に戻ると、大尉は結果を報告に行くというので、私は一足お先に更衣室で着替えて寮に帰ることにした。もっとも、既に朝日が昇る時間だがな。とにかく眠い。

 今日は一日中、自主練ということにしてくれたのだ。ありがたい。何をするかは起きてから考えよう。



 あれほど眠かったはずだが、お昼過ぎには目を覚ましてしまった。


「お、お腹が空いた。皆、訓練に行っているから、昼に食堂はやって居ないんだよな。街に行って何か買って来るか」


 そうだ。街まで行くついでに、鳥を買ってこよう。再生系のリジェネレーション、復元系のリストネーションを練習するのは鳥を使うのが良いって大尉が言っていたな。

 ふむ、そうなると先に鳥小屋が使えう状態か確認しておかないとな。えぇっと、たしか鳥小屋は訓練場の傍にあるって言っていたから見に行ってみるか。


 寮から訓練場は近い。本来なら、私は司令支部に通うのでは無く、こっちに通うはずだったのだ。

 訓練場には訓練生らしき人たちが訓練を行っていた。あ、フランだ。邪魔をするわけには、いかないから声は掛けないが、ちょっと見学させてもらおう。この前の緊急出動で思ったが、私は、もう少し基礎体力を付けた方が良いかもな。

 身体強化だけに頼っても、切れたときがキツイし、基礎体力をはじめ身体能力が上がると身体強化の効果も上がりそうだよな。


 ほう、基本は走り込みと剣での打ち合いなどを行っているようだが、フランは土魔法を使った防御訓練かな? 攻撃魔法を土魔法で防いでいるようだ。そういえば、私も土魔法の属性を持っていたから、実際に何が使えそうか調べておいた方が良いな。私は回復魔法と防御魔法と土魔法、光魔法だったが、回復と防御は赤字だが残りの二つは黄色だったから土と光は、何かが一部だけ使えるはずだ。しかし、回復魔法以外の魔法は誰に教われば良いのやら……


 おっと、いつまでも見ている場合では無いな。鳥小屋は……あれかな?

 ふむ。一応金網もしっかりあるから、野生動物に襲われることもないだろうし、屋根も壁もしっかりしているから雨風も凌げるようだな。これなら鳥と餌を買ってくれば大丈夫そうだ。


 鳥を買えるのは、おそらく街の周辺区域かな? あぁそうだ。借りた馬車のお馬さんは居るかな? もし近くだったらちょっと覗いてみよう。良し、では出かけるか。ここは体力をつけるためにも走って行こう。今日は自主練だから、サボっては駄目だな。



 はぁ、はぁ、はぁ。何とか軍施設のある中心区域から走って周辺区域までやって来た。まずは腹ごしらえだ。適当にブラブラと散策しながら、おいしそうな匂いがする飯屋に入った。

 久々に外食したよ。村では飯屋って無かったからな。宿はあるから、そこでならご飯が食べれると言えば食べれるが基本は泊り客のご飯だ。村には総菜屋があって、ご飯のおかずになるような物は売ってはいたけど、お弁当とか、ここで入ったような定食などが食べれるような店は無いな。私が、こうした外食を食べるのは、薬の取引でマグリーナに来た時だけだ。


 飯屋を出て、しばらく歩くと食材を売っている店があった。実は飯屋の人に生きている鳥を売っている所が無いか聞いておいたのだ。以外と近くにあったから助かる。


 食材屋に入ると、今日の目的の生きた鳥以外にも、当然食材が多く売られていた。私には、何が何か分からないが、今は寮に食事がついているから、当面は不要だな。鳥は若鳥から、そこそこ年季の入ったものまで色々と売られていたが、治療に耐えてもらうためには若すぎない程度の若鳥を買って帰ることにした。

 鳥は足を紐で縛ってもらって麻の袋に入れてもらった。袋の中が真っ暗になるので、鳥は大人しくしているのだそうだ。

 あ、もちろん餌も買ったぞ。餌って小さな袋では売っていないようで、これまた麻袋にいっぱい入っている。

 あぁ意外と重い。これ持って走って帰るのか。うーん。ちょっとハードになってしまったが仕方がない。頑張って帰ろう。


 あ、その前にあのお馬さんに挨拶して帰ろう。


※ 作者からのお願い


「面白い」「続き読みたい」など思った方は、ぜひログインしてブックマークと下の☆☆☆☆☆から評価いただけたら幸いです。よろしくお願いします!


つまらないと思った方は、☆一つでも評価つけてくれると勉強になりますので、よろしくお願いします。


毎日更新できるように、頑張ります。

よかったら、他の作品も見に来てくださいね。

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