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第04話:襲撃 第一日目そして戦闘開始

今日も、三連投いきますよ!!

本日の第一弾。

 北の詰所に入ると、カイルとヨハンさん、数人の守備隊の人たちが居た。


「カイル。ヨハンさん。私に手伝えることはありますか?」


 怪我人などは出ていないけど、一応声をかけておかないとな。


「リナ。本来であれば、心配しないで村長さんの家に居て大丈夫だって言いたいんだが、実は厳しい状況だ。ここ以外に西と東にも(やぐら)があるのは知っているな。それらの櫓から、奴らの仲間らしい人影を見たという報告があったんだ。奴らに防壁を壊されたり、乗り越えられて村に侵入されるとマズイからな。だから監視を強化する必要があるんだが、そうなると人手がな……」


 ヨハンさんは眉間を指で揉みながら言った。村の東は林が広がっている。門は無いけど、時々魔物が現れるので監視用の櫓が立っているのだ。反対に村の西は草原が広がっている。以前、クマ野郎と戦った場所だ。こちらも門は無く櫓だけが立っているのだ。


「東と西の櫓で見たっていうのなら、どこか侵入しやすそうな場所を探しているのかな?」


「ああ。リナの言う通りだと思う。そういえばリナも、身体強化の魔法も使えたよな」


 まあ、使えるけど……何か??


「何だ! 父さん。リナまで守備隊に入れるつもりじゃあないよな!」


「カイル。リナはブラッディベアと単独で戦ったことがあるほどだぞ」


 いやいや、ヨハンさん、魔物相手と人相手だと心理的に違うぞ!


「でもよ! 未成年の女の子だぞ……」


 カイルは、私の手を引いて体で庇うように前に出てくれた。うーーん。私もカイルの言う通りだって言いたいけど、勢力差を考えるとな。もし、守備隊が負けたら、私も含めて村の皆が無事に済むわけがない。などと考えていると。


「いや、ちょっと待て。言い方が悪かった。なにも身体強化で盗賊と戦えって話ではなくって、詰所で後方支援と怪我人の救護をお願いしたいんだ。身体強化は、いざという時は、それを使って逃げてもらうんだ」


「んだよ!それを先に言えよ」


 おう! まったくだ!

 あーーびっくりした。でも、出し惜しみは無しだ。本当に負けたら……シャレにならん。


「わかった。私、手伝うよ。この詰所が拠点になるんだよね。戻ってこないと心配されるから、ちょっとナジーラに言ってきますね」


 私が詰所を出ると、あたりはいつの間にか静まり返っていた。

 うーーん。盗賊団と守備隊の睨み合いが続いているのか、何か準備をしているのか。固く閉じられた門の周辺は明かりが灯されて、警備している隊員たちや櫓の上で外を見張っている隊員たちの姿が見える。


 とにかく、いつ戦闘が始まるかわからない。急ごう。


――――


 とりあえず、ナジーラに守備隊の後方支援をするって言ってきたけど、やっぱり、心配そうだったな。でも、私は薬師だから魔物とも戦うこともあるんだよ。だから、普通の人たちより、ちょっとは戦闘経験があるんだ。私も、ちゃんと皆を守らないと。


 そんな事を考えながら、詰所に戻ると、他の隊員はすでに出払って、ヨハンさんだけが残っていた。


「すまんな。巻き込んでしまって。あ、ところで薬は足りそうか?」


「薬師の主な相手は病気だから、怪我用の薬はあまり常備していなんですよね。でも、鎮痛剤や止血剤などの怪我治療セットをカバンに詰め込んで来てますよ」


 いくつかの薬瓶をカバンから取り出して、ヨハンさんに見せた。


「あれ?いつもこんな感じだっけ?」


 ヨハンさんは、やけにモフモフした薬瓶を見ながら首を傾げている。


「ああ、いつもは薬瓶のままですが、持ち運び用の薬瓶はホーンラビットの毛皮で包んでいるんですよ。こうしておけば、走っても薬瓶が割れないんです」


「なるほど、よく工夫しているな」


 ふっふーん。通常、村の中で患者さんの往診に行くときはしないけど、採取に行く時とかは、こうしているんだよ。


「ところで、カイルは?」


 ドーーン!!!


「へぎゃ!!」


 って思わず変な声がでちまったよ。

 何だよ! カイルの姿が見えないので、どこに行ったのか聞こうとしたら、すんごい大きな音がして吃驚してしまったぞ。咄嗟に床に屈んで、あたりを見渡す。


 うん。詰所自体に被害はなさそうだ。

 お、隊員か? 外で誰かの走る音がする。


「隊長!ファイアボールです。始まりました」


 隊員のファーレンスさんだ。詰所に飛び込むように入ってきた。

 ファーレンスさんが言ったファイアボールというのは、火魔法で当然だが攻撃魔法だ。名前の通り火をボール状にして飛ばすことができる。最も術者の熟練度会いによって威力が変わってくるんだ。


「くそ!魔導士が居るのか。ファーレンス、どこに当たった?。被害は?威力は見たか?」


「北門に当たるのを見たけど、門扉は大丈夫です。威力から見て魔導士のレベルは低い」


 ふーむ。どうやらファーレンスさんは櫓に登っていたのか、魔法が当たるところを見ていたんだな。魔導士がいるのか、魔導士は攻撃魔法が使える者の事を言うが、ややこしいことに私のように防御魔法だけしか使えない者は魔導士とは呼ばないんだ。何でかって? 知らん、きっと威厳作りの為だろう。


 ん? ヨハンさんがファーレンスさんの言葉を聞いて何か考えているようだが……

 私が二人のやり取りを聞いていると、ふっとファーレンスさんが私の方を見た。


「あれ?リナじゃん。なんでこんなところに、ここはヤバいから村長さんの家に避難しないと」


 ファーレンスさんも当然、村に住んでいるので顔なじみだ。隊員でも無い私が居ることにびっくりしたようだ。


「ああ、リナを巻き込んだのは俺だ。後方支援の薬師として、隊員が負傷したときに救護してもらうんだ」


「えっえーー。まあ確かに、うちの隊に回復士は居ないから怪我すっとなー。でも、リナ、無理するなよ。危なくなったら俺たちを見捨てて逃げるんだぞ」


「ありがとう、ファーレンスさん。だいじょ『ドーーン!』」


 私の声をかき消すように、再び先ほどと同じ音が鳴り響いてきた。攻撃が始まっているのだ。ゆっくり話している場合ではない。あわてて、三人で詰所を出ると。


……櫓の上が炎に包まれていた。


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