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第39話:女子寮の仲間たち②

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 フランチェスカさんは、女の子ではあるが次期当主という立場のはず。それが疎まれている!?


「はい。でも、おそらく弟が当主を継ぐことになるでしょう。父は弟を可愛がっておりますし、わたくしはこのような体格ですから、どんなに優れたデザイナーでも、わたくしに似合うドレスを作るのは難しいでしょうね。そのため、母は私を連れて出かけるのが嫌なようで、社交界デビューの予定も立っていません。他の子爵家の令嬢たちはすでに婚約者がいる方も多いのに。わたくしは成人すると素行不良とか適当な理由を付けて廃嫡されてしまうのでしょうね」


 廃嫡され除籍までされる可能性を考えて、生きる道として入隊を決意したそうだ。除籍されると、グッデンバーグ家とは何の関係も無くなり平民と言う扱いになる。いきなり貴族のご令嬢が平民として働けるかと言うと、何か手に職が無いと難しいだろう。だからと言って、貴族が平民の職人に弟子入りするわけにもいかないし、貴族をしながら何か仕事の経験を得ることも出来ないのかもしれないな。

 それを考えて、軍人という道を選んだという、フランチェスカさんは、気概のある人なんだろうな。


「だから、わたくしの事は貴族という扱いをしないでください。わたくしは平民として生きていく覚悟をしているので、できればフランって呼んでください。他の皆さんも、そう呼んでくれていますのよ」


「うん。では、私もフランと呼ばせてもらうよ」


 私は、彼女の気概に敬意をもってフランと呼びたいと思ったんだ。

 フランは嬉しそうに頷いた。


 サンドラさん達は、そんな私たちを見て軽く微笑んでくれていた。


「皆さんは何の攻撃魔法を使えるのですか?」


「私は火魔法だよ。でもファイアーアローまでなので中級までだよ。風魔法も少しは使えるけどウィンドカッターだけなんだ。なかなか火の上級は難しいから、せめて風の中級のウィンドブレードまで使えるようになりたいんだけどね」


 サンドラさんは火、風なんだね。私にはウィンドブレードがどういう魔法なのかわからないけど中級と言うことは凄いんだろうな。


「私は土だけで、アースバレットしか使えないけど中級なんです。私は、他に属性が無いからアースバレットを上級に伸ばすのが目標なんですよ」


 マリアさんは土か。私がアースバレットも見たことが無いという話をしたら、極小のアースバレットを見せてくれた。おお、なんか使い勝手が良さそうだけどな。物理攻撃を防ぐのは力と力のぶつかり合いになるから、私が防ぐとなると苦手な魔法だな。マリアさん、私には打たないでくださいね。


「あ、あたしは、サンドラに近いけど風と火で、風魔法の方が得意だよ。風はウインドブレードっていう中級なんだけど、火魔法はさぁ、ファイアーボールがヒョロヒョロって出るぐらいなんだ。せめてファイアーボールがまっすくに飛んでくれると良いんだけどさ」


 ちょっと、スカーレットさん、部屋の中でどこに飛ぶかわからないファイアーボールを出さないでくださいよ!

 クララさんが咄嗟に消火してくれたから良かったけど、飛んじゃったらどうするんですか!?


「ふーー。あぶない。あぶない。えっと私は、今見せた水魔法ですウォーターボールとかウォーターカッターや、アイスアローも使える。」


「おーー凄いですね。得意な魔法もバラバラなんですね。皆さんが揃うと全属性行けそうですね! そうだ、どの攻撃魔法が使えるかは、適性鑑定をやるって聞いたのですが、それは高等訓練に入る時ですか?」


「あ、それは違いますわ。入隊してすぐにやりますの。なのでリナさんも最初にやると思いますよ」


「そうなんだ。と言うかフランも皆さんもですが『さん』は要らないですよリナって呼んでください」


「お、良いね。それじゃあ、みんなで『さん』とかも無しで名前でそのまま呼ぶのはどうだい? もし階級に差が出ても私たちしかいないときは敬称も無しってのはどう?」


「うん。それが良い。なんか仲良し」


 サンドラさんの提案にクララさんが賛同して、みんなも頷いた。うん、何だか仲良しだね。敬称は無い方が親密度が増すような気がするよな。


 おっと、話がそれたけど魔法の適性鑑定は、すぐに実施するんだな。ハンスさんを治療したときや、エルザさんが自分の手を切った時も治療もしたから、使えるとは思うけど、一応検査で本当に使えるって確認しておきたいんだ。これで検査したら、やっぱり使えないってことになったら、入隊してしまった手前、どうしようって思うよな。

 あぁ、何か心配になって来たぞ。


 サンドラ達に聞いた感じでは、他の男子も検査したが、特に検査できないとかあるはずの魔法特性が無かったとかの騒ぎは無かったようだ。むしろ無いと思っていた特性が出ることはよくあるみたいだったけど。


「あ、フランは、もう検査したんだよね。特性は何だったの?」


「わたくしは、土魔法と水魔法と防御魔法です。あ、そうそう検査では攻撃魔法だけではなくって防御魔法とか、回復魔法とかもわかりますのよ。わたくしの土魔法はアースウォールだけですがこれも、防御魔法に近い物のようです。なので攻撃魔法は水魔法のウォーターボールだけですので、あまり使えないですわ。だからわたくしは攻撃よりも防御中心ですね」


「フランはさぁ、背も高いし力もあるから身体強化で肉弾戦もありかもね」


「はい。スカーレットのおっしゃる通りで、わたくしも、そちらの方が、この体格を活かせる気がしていますの。貴族令嬢としては不適格でしたが、軍人としては適格なのかもしれません」


「それなら、私たちに居ない盾役になってもらえるかもしれないですね」


「盾役と言うのは何でしょうか? 盾を持って攻撃をかわすのでしょうか?」


「フラン、マリアが言っている盾役と言うのは、防御魔法などを使って攻撃を躱したり、攻撃からみんなを守る役割のこと。盾を持って走りはしないよ」


 はっはは。盾役ってそうなんだな。私も盾を持っている人だと思っていた。


「あぁ、リナ、それなら片手剣で盾持ちスタイルは全て盾役ってことになるよ」


 ありゃ、心の声が漏れていたらしい。サンドラから突っ込まれてしまって、みんなに笑いを提供してしまったよ。ふーむ。なんだか暖かい。私の新しい人生は始まったんだな。


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