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第23話:攻撃魔法の観察!?

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 えーーっと。ただいま、私たちはバイパーの群れに囲まれています。



 あぁ。なぜそんな事態になったのか、少し前から話そう。


 ――――


 ユリアンさんが魔導士ならば、じっくりと攻撃魔法の発動を見てみたい!!


 私は、なぜか攻撃魔法で攻撃されたことはあるが、発動させているところを『ゆっくり』と見たことがなかった。まぁ私は、目の前で自分に向けて発動する攻撃魔法を見たことはあるよ。そして見た後は死に物狂いで躱す必要があるけどな。

 うん。でもそうじゃあ無いんだ!!

 私は『ゆっくり』と『じっくり』見たいんだ。


 ユリアンさんが攻撃魔法を使えるなら、ゆっくりと見てるチャンスだってことで、ユリアンさんにお願いすると、快く見せてもらえることになった。ただし、ユリアンさんから、見せるための条件が提示された。それは魔法発動後に魔力回復薬を提供するってことだ。


 ユリアンさんは攻撃魔法を使えるが、そもそもの魔量が少ない。それはどういうことかと言うと、魔法のエネルギで空気中に漂っているのが魔素。その魔素をどれだけ体に蓄えることが出来るかを表すのが魔量。魔量に応じて自身に蓄えた魔素をどれだけ一気に使えるのかを現す魔力。これらの中で、ユリアンさんは魔量が少ない。これで攻撃魔法を発動すると一発で蓄えた魔素が枯渇しまうようだ。で、この体内の魔素が枯渇すると、どうなるかというと、極度の疲労、めまい、意識低下が発生し動けなくなる。外出先で、そんな状態になるのは致命的になる。そこで登場するのが魔力回復剤だ。


 ん? なんで、魔量回復剤とか魔素回復剤じゃぁないのかって?

 ……知らん。


 知らんが、魔素は自然界の空気中に存在するものなので、それを薬で新たに作り出しているわけじゃあない。また、魔量とは自身の体に蓄えられる魔素の容量を表すので、水で例えるとバケツなど容器の大きさだ。薬を使って、もう一つ容器が増えるわけでも容器の大きさが変わるわけでもない。そう。この回復剤は、空気中の魔素を大急ぎで体に回収する、ただし魔量を上限で! って薬なんだ。そんな長ったらしい名前は困るから、消去法で魔力回復剤って名前になったんじゃないかな??


 いや、今はそれどころでは無い。せっかくだから攻撃魔法を見せてもらわないとって思ったんだ。


 ユリアンさんの攻撃魔法を見せてもらうために、持っていた魔力回復剤を準備することにした。

 粉末状態にしている「ハッカの実」と少量の『ホーンラビットの角』を生活魔法で生成する不純物を含まない水、純水で混ぜる。こうしてできた原液を、さらに別の薬瓶に少し入れて、再び純水で薄める。この薄める程度は、その人の魔量に合わせ調合するのだ。


 では、この「その人の魔量に合わせる」のはどうするかって言うと『鑑定』という技術を使っているんだ。この鑑定を診たい相手に向けて発動させると、大雑把ではあるが、体の状態とその人が持っている魔量と残量が診察できるのだ。ちなみにエルザさんも同じだ。薬師や回復士は必須の技術で、これが無いと目で見えない内臓疾患や骨折などがわからなくなってしまうんだ。

 おっと、話が脱線してしまった。


 そんなこんなで、ユリアンさんの合わせた魔力回復薬も作ったぞ。よし、準備は整ったぞ。

 攻撃魔法を打っても、誰にも害が無いように、ある程度広い場所を探さないと……

 お、ユリアンさんが見つけてくれた! 木に囲まれた林の中にポツンと村の訓練所ぐらいの大きさの広場だ。広場と言っても、山の中で火魔法は火事の危険があるので風魔法の『ウインドカッター』を見せてもらうことにした。


 ユリアンさんが、ひときわ目立つ大きな木に向けてウィンドカッターを打つ! ほーー。複数の目に見えない投げナイフ程度の大きさの風の刃が回転しながら飛んで行ったんだと。うーーん。見せてくれって言いておきながら、文句は言えないけど、この魔法見えないんだよな。選択をミスった。見える魔法をお願いすれば良かった。


 木に命中したようで、大きな音が鳴り響いた。


 あん? なんか。次々と木の上から落ちてきた!?


 ――――


 そして、冒頭の状態に至ったのだ。


 魔物の体長はユリアンさん二人分で、太さ的にも同じぐらいなので、ちょうどユリアンさんを縦に二人並べた感じの蛇型の魔物、バイパーだ。そんな魔物が……えっと十二匹いるなぁ! ちなみにユリアンさんが言うには、一般兵が戦うには一対一ぐらいで、まぁまぁ、二対一になると厳しいそうだ。さて、私たち三人に対してバイパーは十二匹、四対一ってことだな。


「ちょ、ちょっと、ユリアン。バイパーの巣に向けて攻撃魔法を打ち込んじゃないの?」


「はっはっはぁ……。すみませんエルザさん。そのようですね」


「そのようですって……いつもいつも、君の運の悪さはどうにかならないのか!?」


「す、すみません。ちょうどいい標的があったって思ったんですが……すみません」


 エルザさんとユリアンさんは同じ階級と聞いていたけど、力関係ではエルザさんの方が上のようだ。というか、「いつもいつも」ってまさか、ユリアンさんって面倒事を引き寄せるタイプ? はぁぁ。今朝、出発したばっかりだけど、すっごく不安になってきたぞ。うーーむ。今回の場合は、私が見せてくれってお願いしてしまったから、私も悪いんだが。


「と、とにかく! 私は、あの手の魔物は苦手だから任せるよ!?」


 あ!? そうだった。エルザさんは回復士だ、回復士というのは、普通は非戦闘員だから、当然戦闘は得意では無い。ってことは、四対一どころか、六対一じゃねぇか!!


 でも、そんなことを気にしている場合ではない!

 バイパーは蛇のくせにジャンプして飛び掛かってくる。三人で固まっているところを目掛けて四匹のバイパーが飛び掛かってきた!!


「ユリアンさん、エルザさんをお願いします!」


 咄嗟に横に転がりながら、エルザさんをユリアンさんに託す。

 身体強化を発動!!


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