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第19話:リナの回復魔法!?

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 フリードリッヒ小隊の隊長を倒したあとも、まだ残兵は居たが、順調に第八小隊の面々が片づけて行ってくれた。


 私だって、その後もちゃんと片づけを手伝った……ような、仕事を増やしてしまったような……というのも、まぁ敵がかたまって居たんだよ。それで持ってきた薬瓶(武器用)の中身を確認せずに投げつけてしまった。いや、投げるのは良いだけど問題となったのは、その中身だよ。

 強力下剤(原液)!! はい、これが中身でした。

 いやーー。薬を用意したときは、戦闘どころではなくなるから良いかなーーって思ったんだけど、

 うん、確かに戦闘どころでは無くなったよ。

 ただね、即席の砦って、そんなにトイレを作ってないんだな。下痢止めが効くまで、そりゃーもう、阿鼻叫喚の地獄絵図。

 ズボンもパンツも無く、適当な服を腰に巻いている変態集団が出来てしまった。

 なんか、すまん! オーバーキルだ。大人の尊厳をへし折ったうえに、すり潰したような気が……


 ――――


 敵を壊滅させ終えたら、ようやく時間が出来て、ヨハンさんや、他の第八小隊の人たちと合流出来たよ。

 捕まえておいたフィードリッヒ小隊の連中と本当の賊は、とある事情で地獄と化した建物とは別の建物に連行していった。まあ、通常捕虜などは、監視係を付けてーーとか、敵同士が話できないようにーーとか、色々しないといけないようだけどメンドイってことで、一室に奴らを入れて、睡眠薬を――投げ込む!

 ほい。一丁上がり。

 あーー睡眠薬って穏便な薬名で呼んでいるけど、元はクモ型の魔物シェロブの麻痺毒をさらに濃厚にした、れっきとした毒物なんだよな。だから睡眠というより、毒の影響で意識が無くなっているってのが正しい表現かな??

 まあ、とにかく今回はその『睡眠薬』が大活躍だ!!


「リナさん、大丈夫でしたか!? 隊長が怪我をしたって聞いたから、リナさんも怪我したんじゃないかって心配したよ」


 おっ、エルザさんだ。私とは正反対の裏口の方に居たんだな。あーー良く考えたら回復役が二人居たらお互い離れた位置に配備するか。まとめてドッカンはまずいよな。私の薬攻撃のように。


「はい。私はハンスさんに助けて貰って大丈夫だったんですが、そのせいでハンスさんが怪我をしてしまって……一応、治療はしたんですが、初めてだからちゃんと出来ているか心配なんです。もう一度エルザさんも診てもらえますか?」


「ああ、治療してくれたって話は聞いたよ。じゃあ、私の方で回復魔法をかけるよ……え? 初めてって何の話だい? 村でも治療していたよね?」


「え? 回復魔法は今回が初めてですよ??」


「え? 回復魔法!? リナさんが回復魔法を使ったのかい????」


「え? ああ、治療したって聞いただけで、回復魔法で治したって聞いたわけじゃあなかったんですね。それじゃあ、薬治療だって思いますね!」


「そうそう。ってそっちは良いんだけど、あれ? 前に、誰かから回復魔法を教えてもらっていたのかい?」


「ううん。エルザさんが村で使っていたのを見て真似してみました。魔力操作は、まだ完全に使いこなせていないから、ハンスさんに向けて無理やり魔力を押し出したって感じでしたが、魔法発動の方は、ちゃんと詠唱も聞いて覚えていたから出来ました!」


「いやいや、そんなに簡単にはできないと思うけどなぁ……ちょっと試しにもう一度やってもらっても良いかい?」


 エルザさんは、そう言うと腰に下げていた短剣を取り出して自分の腕に小さな切り傷をつけた。


「エ、エルザさん、他の隊員で怪我している人も居るんだから、その人の治療で見れば良いのに……」


「いや、これは回復魔法のレベルを確認するために自分で受ける方が良いんだよ。さあさあ、やってみて!!」


 うっ、そんなにワクワクした目で見られると何だか緊張するぞ。

 まあ、エルザさんも腕を切ってしまったのだから、治療しないとな。

 さっきと同じように、集中してっと。


「…………ヒール!」


 うん。ハンスさんを治療したときと同じ感じだ。

 あぁーー良かった。

 たまたま出来ただけじゃないかって、ちょっと心配だったんだよ。


「いや、いや。え?えぇ?? そんな馬鹿な、たとえ素質があったとしてもだ。習ってもいない魔法を、見よう見まねで、しかも無詠唱で発動できるわけないだろう!? それにこの魔法の勢いは何だい?? 見たことも無いよ。これはすごいな! すっごいことだよーー!!」


 お、おぅ。エルザさんが何だか叫び出したぞ!?

 えっっと、たぶん……何か、やらかしてしまった??


 意味が分からず、目をさまよわせていると、ガシッと肩を掴まれてしまった。


「リナさん、隊長が言っていた通り、君は正式に回復士を学んだ方が良いよ。これは素質とかのレベルでは無く才能だよ。これは使いこなせるようになっておいた方が良いと思うよ」


「あ、ありがとうございます。はい。村に帰ったら検討してみます」


「リナ、エルザさんやハンスさんの言う通りかもしれんな、俺も回復魔法は見たことあったけど、これは初めてみた。このまま村の中だけで留まっていては勿体ないかもしれん」


 うぉっと、突然後ろから声をかけないでほしいけど、ヨハンさんも見ていたんだな。

 うーーん。確かに回復魔法が使えたら良いなって思ったことは何度かあったけど、これも何かの縁なのかもな。


「あっ、それよりも先にハンスさんを診てあげてください。どこか問題はないですか?」


「ああああ! 隊長を忘れていた!」


「うぉーーい!!!!」


 お、びっくりした。ハンスさんは意識が戻ったんだな。良かった、良かった。

 で、その後、エルザさんも怪我が残っていないか確認してもらったけど、すべて完治していたようだ。

 はっははは。良かった!! その後ハンスさんとはお礼の言い合いっこが始まったけどな。

 あ、一応造血剤は飲んで貰ったよ。失血した血は回復魔法でも戻せないからな。


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