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第15話:襲撃 第四日目そしてこれが回復魔法

さぁ第三弾です!!

おもしろかったら、下の星マークも忘れずにつけてね

 なんだか、私の話でバタバタしてしまったが、ヨハンさんから、シュザイルさんは北門の詰所に居ると聞いて、私とエルザさんはやって来た。

 彼は、北門の詰所でヨハンさんの代わりを任されているそうだ。


 シュザイルさんに、エルザさんの事を紹介して、そのまま詰所で治療してもらうことにした。ふーむ。カイルの時はなんだか自分のことで動揺して、見ていたような見ていなかったような感じになってしまったから今回は、しっかりと見ておかないとな。


 ほぉーー。


 これが回復魔法『ヒール』か、エルザさんが詠唱すると、手先から風に揺れるカーテンのような光が、七色に変化しながら、ユラユラと出ているけど、これが『ヒール』の魔力なのかな。

 この光のカーテンがシュザイルさんの傷口を撫ぜるように揺れるたびに骨や血管などが修復されていってる。


 う、うーーん。

 せっかくきれいな光だったのに、細い血管がウネウネ動いてくっつくのは、ミミズのようで……あ、いや何でもない!


 と、とにかく、細かい血管が繋がっていくのはすごいなーー。

 粉砕骨折で粉状になった骨は洗い流してしまったから、骨の材料としては不足して、『ヒール』では治らないってことにならないか心配したけど、少し足りないぐらいなら『ヒール』でも、ちゃんと補完してくれるみたいだ。安心したよ。あ、そうか。カイルの時も、ちゃんと『ヒール』だけで大丈夫だったんだから同じか。


 ほう。最後、裂傷の皮膚も端から勝手に接合していくんだー。私がやるときは手で皮を引っ張っりながら糸で縫っていくんだけど、場所によっては、結構、力がいるんだけど、これなら楽そうだな。

 お、私が縫ったときに使った糸は体の中から押し出されるんだ。きっと体にとっては不純物扱いなのかな。


 おお、すごいきれいに治った。さすがに回復士はすごいなーー!


「はい。これで完了。いやー、リナさんは凄いね。大事な血管も神経も完璧だったよ。この接合した部分は、『ヒール』が反応しなかったから既に完治していたってことだね。骨も粉砕骨折なら欠損しているとか、位置もずれているとかで『ヒール』では治しきれないことも想定していたんだけどね。さっきの患者もそうだったけど、これって薬師の知識だけではなく、回復士が勉強する人体構造まで理解しているんじゃない? この知識って誰に教わったの?」


「えっと、母です。母は薬師でしたが、村の皆を治療しながら教えてくれました。ちなみに血管の接合の方法もです」


「すごい。きっとリナさんのお母様は回復士なのでは? 一度、お会いしたいのですが、今は、どちらに?」


「あ、エルザさん、リナちゃんの両親は去年広がった感染症で……」


「す、すみません。ちょっと考えればリサさんが一人で奮闘している時点でわかりそうなものでした」


「いえいえ、大丈夫です。お父さんとお母さんが頑張ってくれたから、今も、この村が残っているんだって思えるから、寂しけど、自慢の両親なんですよ。きっとエルザさんが私の両親に会ったら色々と面白い話を聞けたかもしれませんね」


 うーーん。言われてみればお父さんだけじゃなくって、お母さんも変わっていたのかもな。まぁ、いっか。それよりも回復魔法すごかったな。あんな風になるんだな。あのユラユラした光が出せたら、回復魔法が出来るのかな?


 私たちは、治療を終えたシュザイルさんと別れると、再び野戦病院に……違った私の店前に戻って、次々と怪我の酷い順に治していった。もちろん、エルザさんがな。

 私は何をしていたかと言うと、エルザさんの横で、エルザさんの唱える詠唱を覚えたり、エルザさんの手先から流れ出る光の動きを見たりしていたんだ。まぁ、今ちょっと見ただけで使えるようになったら苦労しないけど、エルザさんが患者を治療するついでに色々と教わったんだ。


 私の防御魔法は、お父さんから強引に叩き込まれ、お父さんの無茶苦茶な鍛錬から、自分の身を守るために、そして激しくなる鍛錬に併せて防御魔法も鍛えられてしまった感じはするからかな、私、魔法の理論的な話は全く教わっていないや。うん。お父さんは、たぶん脳筋だったんだな。

 ん? 気にしていなかった私も同類……げふん、げふん!


 それはともかく、回復魔法を使うには魔力検知、魔力操作、魔法発動の三段階が必要なんだって。私は防御魔法と生活魔法は使えるから、魔力検知はちゃんと出来ているはずだから問題なしと。ただ、自分以外に魔法の効果を出せないってことから、魔力操作が十分にできていないんじゃないかって思うんだって。

これが出来ないと魔法発動もできないということで、まずは魔力操作を鍛える必要があるようだ。


 ふむふむ。


 あ、それと、エルザさんの手先から出ている光が見えるのは、魔力検知が出来ているからなんだって、私は気が付いていなかったけど、他の人には手先からでている光なんて見えていないと教えてくれた。そうだったのか、てっきり、皆見えているもんだと思っていたよ。皆の前で変なことを言わなくってよかった。


 まあ、本当に回復魔法の素質があるかは、検査しないと分からないけど、一旦、ある前提で魔力操作の練習をしようということになった。だが、しかし、これがまた難しい! 防御魔法の場合、体全体を膜のような物で覆っている感じで行っているけど、それを手先に集めたり、右手から左手に移動させたり、体を循環させたりと動かすらしいんだけど。


 ふぬぬぬ……ふーぬぬぬ…


 いやいや、どうやって動かすのやら……これは感覚的な話で、教わってできるモノではないらしいけど……


 治療しているエルザさんの横で、ひとりで、もがいているうちに、なんてことでしょう。

 私の店先にあった野戦病院から、全ての患者がいなくなったではありませんか!

 短時間で劇的前後変化だぞ。

 うぉーー、良かった。死者無しだ。たぶん後遺症も無しだ!!

 あれだけの戦いがあって、村にも火が回ったから、ひょっとしたらって思ったけど、エルザさんが来てくれて本当に助かったよ。


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