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電脳シティ  作者: GO
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空中ロード 04

「お前分かってんのか!?

 道は大体幅が50センチくらいしかないんだぞ?

 そんなの飛び越えられるわけ……」



俺がそう切れると、春波はあきらめたように呟いた。



「無理か。そうか、お前には無理か」



その時、俺のプライドが軽く反応した。



お前には無理、一番むかつく言葉だ。

お前ならできると言われ続けた俺にとってそれは

もっともむかつく言葉だった。



俺は仕方なく春波を背負ったまま横を向く。



「飛ぶよ、飛べばいいんだろ」



その時、ミネがまた残り時間を告げた。



「残り時間はあと5分です」



まずい、もう時間がない。

どちらにしろここが飛べなければ俺達の負けか。

仕方ない……こうなったら飛んで……。



その時、俺の脚が止まった。



「どうした?」



春波が聞くが、俺は何も答えられない。

ああ、やばい。ここにきて足が震えるなんて。

今まで何ともなかったのにどうしてこんなところで……。



時間制限のプレッシャー、春波を背負いながら歩いた為の

足の疲れ、それらが組み合わさったのか?

いや、そんなこと考えてどうするんだ俺は。

足が止まっていようがここは飛ばなくちゃだめだ!



焦る自分を必死で落ち着かせた。



そして俺は思いっきり勢いをつけて、



跳んだ。



そして、俺は上手く向こう側の道に着地した。

しかし、そこで思わぬアクシデントが起きた。



春波が俺の背中から落ちてしまった。



「うわっ!」



春波と手錠で繋がれている俺は何とか落ちないように春波を引っ張った。

しかし、今度は引っ張った方向に落ちそうになる。

俺達は必死でバランスをとる。



その時だった。

誰かがバランスを崩した俺達を突き飛ばした。



「え!?」



それはあまりにも理不尽といわざるを得ない状況だった。



そして、俺達は道から……落ちた。

春波は俺を見て言った。



「一緒に死ぬことになるとはね」



俺はこのとき初めて自分の状況を理解した。

俺は、もう、死ぬんだって。



俺達を突き飛ばした奴は俺達に向かってこう言った。



「俺の名前は岩崎、こいつの名前は川倉。

 運が悪かったな。俺達に目を付けられて。

 また今度会えるのを楽しみにしてるぜ」



もう今度なんてねーよ……。



そう思いながら俺は暗闇に落ちる中で気絶した。




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