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電脳シティ  作者: GO
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空中ロード 03

「しがみついていたのに一体どうして……」



俺は考える。



しがみついていたということは道が続いている限り絶対に落ちない。



となると、落ちたのは不注意か……?

いや、落ちたらどうなるかも分からない状況で普通それは考えにくい。

だとすると、思い浮かぶのはただ一つ。



道が途中で途切れている場合である。



そう、しがみついていた奴はそれに気付かずに落ち、

手錠で繋がれている人間もそれにつられて落ちたんだ。



「道は途切れている場合もある。

 だとするともしかして……」



俺の考えていた最悪の予想を春波が言ってのける。



「このたくさんある道の中で向こう側まで

 続いている道は少ししかないのかもしれないな」



足下から恐怖という感情が上ってくる。

その時、ミネから残り時間が伝えられる。



「残り時間はあと10分です」



もう20分も経ってたのか!?

ありえない。俺の感覚だったら逆にあと20分だと思ったのに。



その時、春波が俺を見て呟いた。



「一ノ瀬、風は右の方向から吹いているぞ」



風?風が右から吹いているのが何なんだ?

あの時砂を落としていたのはやっぱり風を調べていたのか?

一体風の向きで何が……?



頭がパニックを起こしそうになる。

そんな極限の状態で俺は一つの攻略法を思いついた。



「風の動きを見て道を探れってことかよ……!!」



それは普通の人間には到底不可能。

しかし、俺ならギリでできる可能性がある。

春波は俺の可能性を信じてそう言ったのかもしれない。



だったら、俺はそれに応えるべきだ。

例えそれがどんなに危険だとしても。



拳を握り締めて自分を奮い立たせる。



「大丈夫……俺ならできる……!」



そう呟いた瞬間、春波は俺の背中に飛び乗った。



「出発だ一ノ瀬」



偉そうだが、今はそんなことにかまっている場合じゃない。

俺は春波を背負って風で道を探りながら、一目散に走った。



俺の目に道は心地よい程見えていた。

しかし、その瞬間悲劇が襲った。



俺達の目の前にはもう道がなかったのだ。



「終わった……」



俺がそう言ったら、春波は笑った。



「まだ勝機はあるよ」



そういって、春波は横の別の人間がしがみついている道を指差した。



「飛び乗れ」



不覚にも殺意が湧いた。








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