小人山賊
95話 小人山賊
「ちびっ子山賊?」
「チビだと思って、あまく見るなよ!」
「お、なるほど。見事な剣さばきだ。お相手願おうか」
珍しく七人の小さな山賊たちの前に師匠が出た。
連中は、チャオやウーサイより小さい。
ニュウくらいか、だが顔は無精髭や髭の長い奴、片目の奴も居て、武器は槍や大刀、蛮刀といったのだ。まあ小さいが普通の山賊だ。
「坊さん、あたいにやらしてくれ。あんたらに大河拳法を見せてやるから覚えて帰れ!」
「じゃ見学といこうリァンファ、お茶をくれ」
「ハイ師匠」
「おい、おまえ俺たちをバカにしてるとケガではすまないぞ!」
「ソレはこちらも言いたいよ、大河燕青拳!」
チャオ、は山賊を掴んでは投げ、打つ!
たじたじの山賊が組み出した。
連結し、攻撃し始めた。
チャオも腰の二剣をぬくと。
「大河三娘双剣!」
カンカンカンカン
「なに、すべての攻撃を、一人で!」
「なら、」
小人たちは、離れてチャオを囲んだ。
「まあ、だいたい思った通りの攻撃だな」
師匠は、奴らの攻撃はみぬいていたのか。
いっせいにかかる小人山賊。
「旋風双剣!」
「あ、ソレあたしの技だチャオ!」
「だから、大河は付けてないだろう!」
へとへとになった山賊が。
「おまえ、強いな。その剣法を俺達にも教えろ」
「ホァッ。口の聞き方が、なってない!」
チャオは、周りの小人たちの武器を周りながら落として、かまえ。
「人に物を頼むときは、膝まづいて。教えてくださいだろ」
小人たちは並んで膝まづき。
「おしえください!」
「意外と素直だな……」
「山中で夜を明かすのは危険と山賊が自分たちの部落に案内した。部落には子供や女、生まれつき足や手がない者や、世間一般に奇形と言われた者たちが暮らしていた」
山賊の頭は頭が薄いがヒゲが濃い、イ・オンという男。
山賊の七人は部落でも武術に優れた七人だそうだ。
食事と寝床を我々に。意外とイイ連中だった。
見た目で迫害された人たちが助け合って生活している部落とわかる。
山賊は生活のためだと。
朝、目が覚めるとチャオが居ない。
外に行くと、もう部落の連中集めて稽古を始めていた。
昨日来たときより奇妙な連中もいる。
朝食もいただき。
「チャオ殿は、ココでしばらく滞在しないか、彼らに大河拳法を伝授してみてはどうだ」
「坊さん、あたいをおいていくのか……。だが、大河拳法をひろめるのは悪くない……」
「帰りにまたココへ来る。どうかな?」
「そうだな……やってみるか。教えると言って、七人をぞろぞろと、連れて歩けないもんな。よし、わかった。みんなの帰りをココで待つ!」
と、いう展開で。ボクらは山を下った。
「なんか、チャオが居ないと寂しいな」
「リーもあの部落で剣術を教えれば。まだ、遅くないよ」
「いや、あたしは自分の剣は一子相伝と決めてるから……。母もあたしだけに」
「まだまだ、おかしなのが居そうだこの県は」
「あんたもそのおかしなの、の一人じゃない」
「あーそうだ。あたいは、この地にいたらおかしなのだ。が、本気出したら怖いぞ」
「それは、認めるわよ。あんた不死身みたいなもんだものね」
「え、ウーちゃんって不死身なの!?」
「そうだよ、十三魔王の中であたいが一番強い」
「ホント? アロンに負けたよね、あんた」
「アロンは十三魔王ではない。し、あたいは、まだ負けてない。こうしてピンピンしてる」
「はあ……どうとでも言えるわウーサイ」
「お〜い、来てみろ下に町が見えるぞ、海もだ」
町の端は断崖だ、アレでは港は作れない。なるほど、漁業も航路も発達しないわけだ。
ココから見ても断崖は続いている。
「お〜、ホントだ。あの町がグァイビか」
「なんか、ここから見てもイイ町には見えないわね……何かしら」
「霞のせいだよ、リァン」
山を下ると町の門が見えてきた。
門と言っても丸太で組まれただけだ。上の方に牛かなんか角のある生物の頭蓋骨がかけられている。そこから輪が付いた綱が垂れ下がってる。
「まともな町とは思えない……」
つづく




