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荒れ地の乱闘

88話 荒れ地の乱闘


 師匠に知られてるのも知らず、町から大分離れたとこで、リァンは顔を出した。


「荷物の中は暑……」


「リァンファ、幌の下の方がマシだぞ。中に入っておれ」


「師匠、わたしもついてっていいんですか!」


「私は鬼ではない、こんなトコで帰れとは言わん!」


 なんか、少し怒ってる師匠。

 珍しいな。

 やはり娘だから。


「アロン、のどかわいた!」


 いつの間にか肩に乗ってるニュウだ。


「水があまりない、飲みすぎるなよ」


「坊さん、見渡す限り荒れ地だ。日暮れまでにタイホー県に着けるかね」


「おや、向こうの方から土煙があがってる」


 この辺もトウメン国の領土だ、兵隊だろうか? 


「あの走り方は軍隊ではないな……賊かもしれない」


「荒れ地だから山賊じゃないよね!」


「そうだなニュウ。なんだと思う?」


「荒れ賊……」


「違うわよ、荒れ賊とか、言わないわニュウ。砂漠の盗賊かしら」


「リーさん、砂漠や荒れ地でも山賊と、言いません?」


「まあ、なんでもいいよ。とにかく悪い集団だ」



 うわぁ~近づいてきたら、もろ風が向かい風に。ホコリだらけで見えない。


「気をつけろ! 奴ら、ホコリにまぎれて攻撃してきたぞ!」


     カキーン


     カンカンカン


 剣をあつかう者同士が、打ち合ってる。

 

 ボクは棍術棒で、ホコリの中から出てきた賊を突き、馬からたたき落とした。


  ヒィヒーン


「ウーサイ、戦ってよ。こいつらの狙いは馬車の荷物よ!」


「ああ、後はたのむ。前はブタが」


  ピギャー!


「ムダだブタは、そんななまくら刀じゃ斬れないよ……あぁでもブタがキレたぞ」 


  ブギャー


  ガタガタガタ


  「ウーサイ、なんとかして!」


 うわぁ豚車が暴走してる!


「ウーサイ、危ないじゃないか、味方もケガするぞ!」


「アロン、誰がケガするって。たかがブタの暴走じゃないか」 


  ヒヒーン


「馬一頭いただき!」


「風向きが、かわった!」


 ホコリが逆の方に。

 人や馬が見えてきた。


「ハァッ!」


 リーさんが奪った馬で、馬上の敵を攻撃しだし。


「リー、あたいも乗せろ!」

「こら、チャオ。そこはあたしの上だ」


 チャオは、リーさんの肩に乗り片足立ちでかまえた 


 賊の馬に近づくと飛び跳ね、相手の肩に乗り。


「あんたの馬、もらうよ!」


 チャオは、肩車状態になると、大きな男の体をひねって馬から落とした。

 チャオはそのまま鞍に着地。見事だ。


 暴走した、ブタ車に追われた賊どもが、そのまま逃げてった。


 そして。


「おい、どうしたアロン。馬を奪わなかったのか?」


 師匠もしっかり馬に乗ってる。


  ガタガタガタ


 豚車が戻ってきた。


「まいったわ、どうなるかと……みんな大丈夫?」


「お、みんな馬を手に入れたのか」


「ドジなアロンだけは……」


「ドジとか言うなチャオ。ボクは人から物を取ったりしないんだ、たとへ盗賊でも」


「ニュウはアロンの上が楽ちんだ!」


「馬が有れば、日暮れ前にはタイホー県に入れるだろ。アロン、ついて来い!」


「行くぞ、ウーサイ。ついて来い!」


「言われなくても行くわ!」


   ガタガタガタ


 あの高い塀は、インアルのとは違う板塀だ。

 この板塀がタイホーの県堺か。


 特に兵隊とか役人とかは見あたらない。

 さすがに全境全辺にあるわけではないが長い。隣のトウメン国との辺境へと続いてる部分は海まであるんじゃないのか。


「この先は本当に華中国なのか……」


「これでは、小国が攻める気も失くすよな」


「でもさ、ここを味方につけたら……」

「ここも華中なんだから味方だろチャオ」


「おおーい貴様ら何処から来た!」


 塀の裏側に見張り台が。


「私等はコーメイ県のインアルから来た!」


「ほう、なにしにココに?」


「我等は武術家のはしくれ、こちらには優れた武術家が多いと聞いての」


「武術家……その小娘たちがか。見れば子どもも」


「なんか、感じ悪い門番ね、チャオ」

「だな」


「武術家なら、奥まで行かなくてもココでいい相手を紹介しよう」


 入口の内側の小屋から数人の男たちが。


「ほう、この県は腕試しをしないと奥には入れないのかな?」


「まあな、荒くれ者も多いし。危険人物も居る。普通の旅人では、命がいくつあっても足りねぇ」


「インアルの隊長殿が居た頃とは大分変わったようだな」

「とんだ無法地帯だな、ココは。まるで県全体が修行房だね!」


「アロン、行って来い。ここは私の弟子がお相手しよう」


「待った、坊さん。ココは、あたいに。見たとこ女にも勝てそうにない連中だ」


「はぁあ、この娘っ子。なめた口きくじゃねーか」

「嬢ちゃん、痛い目じゃすまないぜ……くへへへへ」

「おい、もうヨダレが垂れてるぜモウよ」


                つづく

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