オアシスの村2
84話 オアシスの村2
「女、やめさせろ!」
ピギャーツ
ドボーン
「ブタに斬りかかるから。怒ったんだ。お前ら、そこで頭を冷やせ!」
と、言ったとたん。村人たちが一斉に動き、兵隊が持っていた武器を集めはじめた。
「貴様ら、何をする!」
隊長のパンツ1枚の男は池から上がると剣を持って村人に斬りかかろうとした。
ヒッシュ
小石が飛び剣を持つ手に。隊長の剣は落ちた。
「アタッ! 何者だ」
「おっさん、人殺しは戦の相手だけにしな」
「おまえたちはナンだ!?」
「こいつら、戦場の後方に居てヤバくなったから逃げたんだな。前方のあたしらなんか見えてなかったんじゃないの」
「隊長、ヤバいですよ。こいつら、将軍と戦っていた連中です」
と、池の中から兵士のひとりが。
「ナニぃそのブタ女もか?」
「あんた、ブタ女だとぉ〜殺すぞ!」
「すまん、ブタと女だ」
「あたいは見学してたから戦場から離れてた……」
「さぁ〜て、おにいさんたち池から上がってそこのトコに並んでもらおうか。おいっそこの、裸で荒れ地を逃げるのか!」
兵士の一人が村の出口の方へ駈けていった。
「いいんじゃない。すっぱ裸で荒れ地を逃げる奴は、ほっとけばグッピー。あんたら、逃げるなら今のうちよ! 逃げていいわよ」
逃げたのは、はじめの一人だけだった。
他の連中は裸で池から上がってきた。
「ねえ、あんたたち二人はなんで服も剣も持ってるの」
「あ、チャオ。その二人は隊長にパンツを履かせる係で水浴びは、まだだったんだよな」
あたいは、二人の前まで行って。
「おまえら、良かったな。ブタに服を食われず。でも、他の連中と不公平だ。お前らも裸になって、ブタにやりな。隊長のパンツもだ!」
ふたりはあわてて武器を捨て、服を脱ぎ隊長からパンツを脱がした。
「村長さん、縛り上げる綱はあるかい」
「そんな物はない、こいつら居ると面倒だ。荒れ地へ追っ払う! 池を汚した罰だ」
村人は裸の兵士たちを槍や剣で、村から追い出しにかかった。
「あ〜あ。あいつら、戦場で死ぬのと裸で荒れ地で干からびて死ぬの、どっちが良かったのやら」
「ウーサイは、連中をどうするつもりだったんだ」
「村人と、同じことをしたさ」
「連中、運が良ければインアルにたどり着けるかもな。その先はどうなるか……」
「ありがとう、みなさん」
「あいつらのせいで池が大分汚れたな」
「まあ、二、三日すれば、また元に。飲水は確保してありますから……」
「あの、すみませんが何でもいいんで何か食べる物を分けてもらえませんか」
「たいした物は、ないが食べていくといい」
「ありがとう村長さん」
ゆっくりしていたら日が沈み始めた。夜は冷えるからと泊まる事を進められた。
翌朝、昨日の兵士の数人が家の横で震えてた。
「おまえら、戻ってきたのか」
「昨日したことは反省してます。村の人にはわびをします。どうか、助けてください」
「仲間は……」
「さあ……」
村人は弱った兵士たちにボロ布をかけ、家の中に。
「なあ、走ってインアルにたどり着いたヤツは、いたんだろうか。荒れ地には毒のあるヘビやトカゲ、植物もあるからな。裸はつらいな。戻ってきた連中は良かったのか?」
「ゆっくり歩いてけば夕方には着くさ。インアルのカナさんの美味い飯が食えるといいな」
「おい、アロン。急に帰ったら、食べ物が無いってコトはないか?」
「だな、じゃボクが先に帰って食事の用意をしてもらうよう頼むよ。じゃあごゆっくり!」
「おう、また行っちまったヤツは天狼か」
「アルが言っていた。天狼を捕まえたアロンは天狼より速いと」
つづく




