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県境の戦い5

79話 県境の戦い5


「死んだシーハイのためにも、負けられない!」

「誰です、その人は?」


「兄弟子だ、年下だったが先に逝くとは……。一緒に師匠の車椅子を押していた」


「ですか、では今度は」


  タガタガタガタ


 敵の兵が押し寄せてくる。先頭に見える大きな馬に乗るデカい男、あれが魔将か。


 先に出た坊さんが、撃ち合い始めた。

 アレは見たことない棍術だ。

 師匠の使ってたラン派でも天林寺派でもない。


 あ、あのデカいのは湯場で戦った。


 矢だ、矢が飛んできた。

 

「そんなもの、俺にあたるか!」


 坊さんを相手にしてるデカぶつは2連射の矢を叩き落としそのまま大刀で甲冑の人の剣を避けた。

 馬の上であの動き、まえより機敏だ。


 先の方で、あの女が武将と闘ってるが。

 あの武将、目を負傷てる。

 ヒゲも短いがインアルに来た武将だ。

 二人の魔人とはあいつらか。


「おい、動け小僧。戦場に出て怖気づいたか? 我々もあのデカいのを討つぞ!」

「あ、すみません!」

 

 顔を見られるとまた面倒になるので持ってきた頭巾を顔に巻いて口と鼻を隠した。


「よ〜し、いきますよ!」


 ガタガタガタガタ


「また来たか、ジジィ!」


「今日こそ貴様を! ハァッ!」


   コキーン


 わっ、ホントに弾いた鉄玉が、こちらに。

 あいつ、わざと狙って。


「師匠、他の誰かが撃ち込んだときに例の連打で」


「よし、ワンチュエ。次にラ・カンが攻めたときにいくぞ!」


「はい師匠!」


「女、顔を隠しても見たぞ!」


   キーン


「男も女も関係ない!」


「ナニっ!」


 甲冑の人が剣を捨て、馬の前足二本を抱え掴んで持ち上げた!


 ヒヒィーン


 ヤツは落馬したが、すぐに起き上がり坊さんの突きをかわす、そこへ師匠の鉄玉が、ヤツは顔をずらし避けたが次の弟子の槍玉をもろに横顔に。


 巻いていた包帯が切れ飛んだ。


 血飛沫が上がったが。


「おのれ」


 あぶない、師匠が刺される!


 ボクは車椅子を回してヤツの大刀を脇で受け止め、車椅子を離し突進し、ヤツの横腹に横蹴りをいれた。

 ヤツはそのままよろけて下がった。

 大刀はボクの脇に。


「おまえは、ツァンレン!」


 え、顔を隠しても意味なかった?


 武器をなくしたヤツへ、坊さんの棍術の連続突きが、炸裂した。


「なんの、これしき……」


 坊さんの棒を掴むと地に坊さんごと叩きつけ、そのままヒジを坊さんの首に落とした。


「グッ!」


「武器など無くてもな貴様らを殺れるんだ……ちっ血で目が」


「トリャ」


 甲冑の人が斬り込んだ。


 腕コテで避けたが、そのまま剣が腕を切り落とし首にくい込んだ。


「グッガッ……」


「ウリャ」


 もう一度甲冑の人は、剣を振り上げてヤッの首を。


「取ったぞ!」


「まだ、だ! 甲冑の人!」


 首を失った身体が立ち上がった。


「バケモノめ!」


 甲冑の人は首を捨て、首なしの身体を抱えた。


「ウォオオオオ」


  バキバキバキバキ


 と骨が折れる音が。スゴイ怪力だ。




 カンカンカンカン


「目が見えなくても貴様の剣筋はよめるぞ!」


「バケモノめ!」


  ズカーン


  ズカーン


 また、あのコウモリヤローの爆撃か。


「うおーい! グァイ・カン。引け、兵隊もだぁ」


「獣を使うのか……。おい、娘、名は知らぬが。良い腕だ。次はこうはいかんぞ。次があったらな!」


「逃げるか!」


「娘、獣に顔を蹴られたくなかったら逃げるんだな」


 なに、昨日のアレが、来るのか。


「引け、敵も引いている! 昨日のオオハネネヅミが来るぞ!」


「ナニ、引け! 砦に戻れ!」



 なんだ、向こうも味方も引き始めたぞ。


「昨日のアレが来るぞ、見ろ土煙が上がってる」


「まだ、遠い。今度は味方に被害が出ないように兵を引かせたんだ! 師匠、戻りましょう!」


「レンク、マン・チュエン! 戻れ」


 あの女が戻って来た。 あの武将は倒したのか?


 とにかく師匠を。


  ガタガタガタガタ


 壊れた砦の塀は残兵により応急処置してあるが、犬やネコなら簡単に入れる。穴が。

 だがあのオオトビネズミは入れまい。


「早く入れ!門を閉めるぞ!」


 今度はあのオオトビネズミは兵隊が居ないので真っ直ぐ砦に向かって暴走して来た。


「ウソだろ! 奴ら砦の塀まで来て蹴って、戻り、また蹴りに。将軍、奴らは砦を蹴り壊す気ですよ」


「うむ、ヤンどの……」


「弓隊、奴らを射よ!」



 ボクらは上に上がれないが、弓隊がトビネズミを射ってるのがわかる。


 ちょっと待て、彼らはあの魔人に操らてるんだ。

 あいつをどうにかすれば、トビネヅミたちも。このままだと全滅してしまう。


「すみませーん。門を開けて下さい!」


「そんなコト出来るわけないだろ!」


 だよな、じゃ壊れたトコから。

 狭かったが、ぶち破って外に出た! 



「おい、アレは誰だ。獣の中を走り抜けてるヤツがいるぞ」


「アレは昨日の……アロンとかいう」

「あの小僧ナニをする気だ! 何で砦に居たんだ。まさか間者か?」


「知り合いかレアン」


「ええ、外道の子をかくまってる奴で」


「そうなのか、あいつ戦場でわしの車椅子を押していた小僧だ」


「えっ?」


               つづく     

 

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