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葬儀屋

77話 葬儀屋


 ジドゥとロ・ツウシンの遺体は別の場所に葬る。まだ、戦は終わってないが彼らは英雄とし別の墓に。


 マン・チュエンか、甲冑の兜を探している。

 あんなに若い娘だったとは驚いた。

 あの甲冑姿で軽々と動いていた。どんな筋肉男が入っているのかと思えば、ワタシより若い娘。      なんという怪力女だ。

 それを隠すためのあの甲冑姿なのか?

 声だってちゃんとしゃべれた。


 が、なぜ。


 戦場あとで出会った女は。


「なぜ、おまえがココに。あの坊主も一緒か、小僧」


「いや、師匠は来てない」


「もう、おまえだけでもあの外道のガキを守れるからか……」


「ニュウなら、師匠と一緒だ。あんたまだ、ニュウを……。あんた、一人なのか? あの槍男とヒゲの小太りはどうしたんだ」


「ふたりは、死んだ。ココでね。こちらも別の仕事が入りガキなんか、かまってられなくなった」


「砦に居るということは戦に参加してるわけか。あんたも天導引派なのか? それとも傭兵か?」


「小僧、聞いて驚くなワタシは天導引派…」


「レアン、その若いのは何者だ? 兵士たちの遺体を運んでくれてると」


「ヤン、この小僧は魔導引派のガキをかくまってる」


「なに、外道の……。若いの、悪いことは言わん。かくまってるという外道の子どもを渡せ」


「外道だって、流派が違うというだけで、家族を皆殺しにし、まだナニも知らないような子供までも。外道は人として、どっちなんだ」


「おまえなぁ、あのガキのドコがナニも知らぬガキだ。しっかり魔導引の術を心得ているではないか!」


「あの子は世間的なコトはナニも知らずに……。だが、あんたらがしてきた人殺しは罪だ。ココの大きな戦とは違う」


「なるほど、君の言うことはわかった。ナニも知らないという子供に正しい術の使い方を教えてやってくれ」

「ヤン。しかし、コレはティンソー様の……。上からの…」

「レアン、今のティンソー様の指令は」


「ここを死守することだ」

「そちらを優先する。君の名は?」


「アロンだ!」


「協力、感謝する。アロン君」

「アロン、今度ガキを見つけたら殺すよ!」


 やれやれ物騒な、人だ。

 さて、ここまで来たがどうしょうか。

 砦には入れないだろうし、ハイサンへ戻ると魔王連中に会うと、面倒だ。

 とりあえずあっちは敵の陣地だからな。


 砦をまわって町に入ろうか。


「よお、おまえさんは兵士じゃないよな?」


 声をかけてきたのは馬車に遺体を乗せた白髪白ひげの痩せた爺さんだ。


「ああ、違う。爺さんも?」


「わしは町の葬儀屋だ、軍に頼まれてな」


「爺さんトコに泊めてくれないか? 行くトコないんだ」


「う〜ん。仕事を手伝ってくれれば……」



 コーメイの県境。


「どうも戦はしてないみたいだな……あいつはどうしたかなぁ」


「どうするチャオ、華中の砦まで行って傭兵とか言って傭ってもらうか? アロンはどうしたんだろ?」


「おまえら、俺を無視してないか?」


「いや、べつに。どうかなぁ〜なぁウーサイ。そのブタ食いながら野宿でもするか。明日になれば戦がはじまるだろう」


「ダメだ、まだ食わん。あたいが歩かねば、ならなくなる。ここからならハイサンの方に行った方が早くないか」


「だな、少し荒れ地を行けば県境の町があったはずだ」

「そうなの」

「ハイサンだってリー。敵の占領地だろ。それやばくないグッピー」


「だからといって県全体に奴らは居ないだろ。それに、あたしらは華中の兵ではないから占領軍に

見つかっても問題ないだろう」

「そうだ、町でとりあえず様子をみようじゃないか。行こうぜ、俺は町で美味いもん食いてぇ」



 モクハイ県境。 クーハイ砦の後方にある町ノノイ。


「兵士の衣類に名が、あるが。ボロボロのヤツや読めないヤツ。書いてないのもある。とりあえず、ここにわかるものだけでイイ書いといてくれ」


「すまん、爺さん。ボクは読み書きが出来ないんだ……」


「そうなのか……が、字を真似て写し書くことなら出来るじゃろ。読めなくてもイイ。書いといてくれ。後で家族が捜しに来るからの」


「名前とか無いやつも……」

「なにか適当に形見になるような物があったら取っとけ。ああ、戦なんぞするもんじゃないな。まさか、この歳になって経験するとは。若い連中は可哀想にな……。あんたは召集されなかったのか」


「ボクは武術家の師匠と旅をしていますから」


「ほう、いい体していると思ったら、あんた武術家か。ならよけいに戦に出て名をあげれば」


「ボクはそんな気ないんです強くなるのは自分のためです。あと、弱いものを助けるためです」 


「世のため人のためか」


「いやいや、そこまでは。身近な人ですよ」


「身近な……だが、遠くても難儀してたら助けるんじゃろ。それで世のためになってくる……遺体集めだって、知り合いが、いるわけじゃなかろう。しかしな、戦場の兵士を集めるとはの、葬儀屋の仕事ではないわなぁ……」


 葬儀屋の爺さんは飯まで食わしてくれて寝床を。

 

 朝が来た。ボクは早朝、砦の方に。


 おや、ナニをしてるのだろうか。

 椅子に車をつけたのに乗った老人が鎖を振り回している。

 それにクルマの椅子を押し走る男が。


「遅いぞ、それではヤツの馬に」


 あの老人はあんな物に乗って戦ってるのか。

 老人が、そこまでして戦わねばならないのか。


 戦とは。


               つづく

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