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県境の戦い4

76話 県境の戦い4


 オオトビネズミは、戦場をぴょんぴょんと跳ね回り、敵味方関係なく太い強靱な足で蹴りつけて砦の前まで来たら暴走をやめ、暴れまわった。


「奴らには敵味方の区別はできないらし」


 ヤンや、ワタシら七武人は、即急に戦場を離れ砦に。


「それなら、あの魔将たちも群れの中で……」

「見えるぞ、奴らデカい馬だからか目立つ。陣へもどってるぞ」


 ワタシらは砦の塀の上から様子をうかがった。


「マ・ソウケン将軍も、退却命令をだした」


 戦場には、敵兵とトビネズミ共の群れが残ったが、群は荒れ地へと引き返しはじめた。あのままだと味方にも不利になるからか、群れをひき帰らしたので、あろう。

 

 ケガ人が多く出た敵兵も、引き返して行く。


 今ならと思ったが、こちらの被害も大きい。

 コレは休戦か。



 ハイサイ県。トウメイ国軍陣営。


「モグイ、おまえのおかげで助かったが……あの獣の群はどうにか、ならなかったのか」


「獣だ、敵味方の判断はつかない。細かいことはi言うなグァイ」


「使い方次第だな。アレが来るのがわかってれば仲間の兵は避難させたが」


「グァン・カン、目は大丈夫なのか? 首の包帯は」


「目はもう使えない。愛馬ヨンガンが私の目になり、戦場に出れる。首はかすり傷だ。お主の頭の包帯は?」


「鉄玉をくらっただけだ。問題ない。本当に馬の目だけで……」


「安心しろ、グァイ。わしはまだ、戦力だ」


「グァイ・レイ将軍。奴隷のゴブリンが、将軍に会わせろと、暴れてます。今は、食い物をやってどうにか……」


「ゴブリン? 亜人の奴隷か。なぜ、こんなトコに。今行くと伝えろ」


「ハッ」


 なぜ奴隷のゴブリンが、我が名を? 


 行くと兵たちの残飯をガツガツ食っている薄汚れたゴブリンが。

 思ったより大きい。俺もデカいが、座ってるのに立った俺くらいある。


「おお、来たかグァイ、俺だ。わからんか」


「おお、お主はドウジェンか。また、醜くなったな」

「お互い様だ、デカいだけの木偶の坊と聞いたぞ」


「そんなコトをドコのどいつが」

「ガハハハハ、俺だ。戦をしてるそうだな。俺もまぜてくれ」


 こいつは俺以上に闘いバカだ。

 飯さえ食わしとけば、あの獣の郡れより使える。


「ああ、ドウジェン。楽しくやろうぜ」


「ほう、あのドウジェンも亜人に」


「お、いつの間にモグイ。そういゃあ〜おまえもだな。が、まえのおまえとは、あまり変わらんではないか」


「ああ、なぜか手が、羽と一体化して、早く飛べるのはいいが空では手が使えない」


「爆弾落としでは足を手のように使ってたではないか、その尾も」


 ヤツは先が矢印のようになった細く長い尾を床でピシャと鳴らした。


「ああ、コイツは昔から使える」



 県境。


 おそかったか、戦は終わっていた。あのオオトビネヅミが、去ったあとだ。


 まだ、亡くなった兵士の遺体は放置されたままだ。


 やるか。

 

 モクハイの砦は、まだ落ちていないようだ。

 ボクは砦に荷車を借りに行く。


「荷車、なんだ貴様は」


「はい、亡くなった兵隊さんを集めて葬ります。それにまだ息のある人も居ますよ!」


「そうか……おい、荷車を! 貴様は中に入るな、そこで待て!」


 荷車を引いた兵士が。

 三台来た。


「小僧。悪いな、我々がやる仕事だ。手伝え!」


 兵士の骸を荷台に乗せてると。


「おい、敵や味方の武器はこの箱車に入れろ!」


「おい、そいつは敵だぞ小僧」


「亡くなった兵隊さんたちに敵も味方もありません、一緒に」


「まあそうだな……。ところでおまえは何者だ? どこから来た兵士ではないな」


「ボクはコーメイのインアルから来ました。タダの武術家見習いです」


「コーメイから来た、武術家見習いだと。貴様は、あっちで戦った傭兵か?」


「いや、ボクは傭兵ではありません。ただ世話になった知人の家を戦から守っていた程度で……」


「向こう側は、傭兵などの活躍でトウメン国軍から防戦したと聞く」


「武術家の傭兵さんたちも居ましたがトッケツさんたちの加勢もあり助かりました」


「噂に聞くトッケツとやらは強者揃いと。そうか。コチラではな中央から来た天導引派の七武人のおかげでな、敵の魔将二人からなんとか。彼らがいなけりゃとっくに負けてた。兵士も戦が、初めてなもんでな。あ、オレもそうだが」


 魔将とは、インアルを攻めに来た、あの古臭い武将みたいなヤツか? 彼らが魔天の魔王なら人間の軍隊のなど。


「コーメイの県境で、見たんだが獣の群れの暴走は、その魔将の仕業ですか?」


「わしらは後続部隊で今朝着いたばかりで戦場には出てないので見ていないが、コウモリのような魔人が操っていたと」


「コウモリみたいな魔人ですか……」


「コウモリみたいな魔人……バケモノだな、ヤツは空を飛んでて爆弾を落としていたそうだが。それだけでも苦戦してたが、獣の群れには敵も味方も飛び蹴られたりで戦どころでは、なかったようで休戦になった」


「おーい、ウチの兵士は引き取るぞ」


「敵の骸集めだ。おい、敵兵はあっちに持って行け! 向こうだって、本当は戦なんてやりたくないはずだ」


「だろうな……」


 早く、ヤツらを止めねば。なんの罪もない人たちが戦なんかで。


 天導引の七武人とか、言ってたな。彼らは魔天の魔王と互角に戦っているのか。


「あら、あんたはもしや」


 砦の方から聞こえた。

 なんだ、聞いた声だ。あの声はあの女の。


               つづく

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