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新兵器

72話 新兵器


 ハイサン県県境の町ムサン。

 トウメン軍


「荒れ地の部隊も集結している。敵はモクハイ県を守りぬくつもりで強者を県境にと。間者から知らせが、きてる。今度こそ油断めされるな」


「ああ、辺境での強者三人は俺一人なら殺られていたかもしれないな。まあ、あんたが来たことには感謝するが。次のモクハイは攻め落とせば、華中の片面の制覇はすぐだ!」


 ホントに強気も良いが、相手も必死だ。

 どんな強敵が現れるやら。



 モクハイ県県境近い砦クーハイ。

 華中軍。


「ヤン・クアンウー殿、奴らの魔人将は、本当に七武人にお任せしていいのだな」

「我らにおまかせを。敵の魔人将は辺境で敗北した仲間の仇討ちもあるゆえ、けして負けられぬ。あとは大したことのない雑兵と聞く。もともと辺境の弱小県トウメン。たいした武将など居なかったと聞きますマ・ソウケン将軍」


「たしかに……何処からわいて出たのやら」


 ティンソー様の話では魔導引派の導き出した悪行と。なぜ、暗殺計画は失敗した。

 今さら考えても現に戦は始まっている。


「魔人、我ら天導引が、この世から抹殺いたしますゆえご安心を」


「頼むぞヤン・クアンウー」



 コーメイ県。インアルの町広場のアロンたち。


 馬車で運んできた小石連発砲のお披露目が始まる。

 中央は、この地が敵の攻撃から逃れるなんて考えてなかったらしく軍隊も小規模だった。

 で、指揮する将軍も名のない小物。


 死を覚悟でやってきた将軍シン・ユンシー。

 彼が、町の発明家に武器を頼んだ。


 大筒に桶が乗りその横下に廻す棒の付いた武器。桶に小石を入れて廻し棒を回転させると大筒の穴から小石が沢山飛び出す仕掛けだと。

 

 ラン・ミーレンに、なるべく丸い石を集めてくれと言われボクが集めた小石だ。


 広場の塀側に立てた十体の案山子を敵兵に見立てて連発砲をボクが撃つことに。

 コレは、力がいるだろう。


「アロン、撃ってみて」


 棒を廻すと筒から数十個の石が飛び出し案山子が壊れた。


「おお、コレは凄い。大砲より使えるな、コレをあと十台くらい作れるかね」


「無理です隊長さん、コレを作るのに遺跡からバネやギアをとってこなくてはなりません。今回は有物で作りましたが」

「遺跡と言うと?」


「辺境です、荒れ地の向こうの砂漠にある大昔の住居跡とかに……必ずあるとは限らないので、たくさん作るのは困難です」


「あと、ボクが集めた小石も、集めるのに大変だ。丸い小石は、河原に行けばたくさん有るけど、この辺りで遠い。今回はボクが荒れ地で。荷車一台分が限度かな」


「なるほど、辺境は敵に。ここいらには川原もない……まあ、使えるな武器なのだが……。一台あるだけでも戦力だ」


「面白い武器だな小石の投石器か?」


「おお、ソー・ムンラン殿」


 トッケツの女族長だ。

 戦でこの町を救ったと師匠が流したせいで、町の彼らの待遇も昔とは違ったと。

 町では英雄だ。

 ナニもしていないと本人たちは謙遜しているが、この町を守ってくれる大きな戦力だ。


「将軍、ハイサンが落ちたと聞いたぞ。連中がこちらに攻めてくれる恐れもあるな」


「将軍などと、隊長でけっこう。中央からの知らせだと、連中はこちらでなくモクハイを攻めるつもりで県境に集結していると」


「なるほど、連中は海側から攻めるつもりか。しかしなぜ、西の海ではなく遠い東の海を先に」


「ソレは簡単ですよ西の海は荒れてて港が作りにくい。漁港も同じ。私は以前西に派遣されていましたから西の海は、この目で」


 そういことか、ボクも気になってたんだ。

 もし西が支配されてたら真ん中にあるココは、挟み撃ちになるトコだった。


「隊長殿、西に行っていたと。西は、もともと華中が統一される前は蛮国と言われ未開の地と聞いたが今は」


「今は違います。王都よりは田舎だが栄えています。しかし、もともと蛮国とか言われた地方。トウメン国が攻めないのもそのあたりに真相が……」


「師匠は、そこへは行ってないんですね」

「まあな、強者の武術家が多いと聞く、戦が終わったら行ってみようと思う」

「坊さんは、いつだって何処へでも行くじゃないか、なんで今回は戦の後なんだ?」


「武術家が多いと聞いてリーも行きたくなったね」


「まあな、チャオ。あんたは?」

「行きたいさ、西にも大河拳法を広めたい。坊さんは弟子のけりをつけたいんじゃないのか」


 え、ボクのために師匠が。


「いや、今は時期じゃないんだよ」


 時期? なんの。


「隊長、モクハイのクーハイ砦で、戦闘が始まったと。この期に、こちら側からも兵を出し……」


「あのなぁ、我々の兵力で戦っても無駄だ。こちらはココを守るのが精一杯だ。わからんのか」


「そうか、面白いな。師匠、ボク背後からトウメン軍を撃ちに行ってみようと思うんですけど」


「好きにしなさい。私は行かないが」


「一人で行動するな、おまえのシカバネを拾えん、あたいも行くぞ」


「面白そうだな俺も行っていいか、噂の魔人将軍と勝負したい!」


「あたしも。ココに居たら、なんか退屈だ」


「みんな行っちゃたらここはどうなるのよ!」


「大丈夫だ、師匠がいるからリァン!」


               つづく

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