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追いつめられて

7話 追いつめられて


「やはり、美女はその天女の様な姿が良い。そなたの道士姿も勇ましいがな……」


「え、坊主。貴様……」


「私を誘い、そのあいだにあの魔導引の娘を襲うつもりだろ。策として最低だな、あんたらの軍師は」


「ええ、そうだよ。バレちゃしょうがない。早く行ってやりな」


「私の弟子なら、少しは娘を守れる。少し楽しもうじゃないか」

「あ、イヤッ。どこをさわっている。 やめろ!」



 一方路上のアロンたち。


「師匠ッ!」


「逃がすな、おまえら! 逃したらカネは払わんぞぉ」

「奴ら大丈夫か、ゴージン!」

「武術道場のチンピラどもだ少しは使えるだろ」


「逃げ足の早いヤローだ!」

「バカめ。向こうは川で進めねぇ」


「パイ、向こうにまわれ!」

「あいよ!」


 あいつら、助っ人を連れてきた。

 チンピラ3人が追って来る。


 が、ボクは走りには自信がある。

 たとえニュウを背負ってたって捕まるもんか。


「アロン、川だ!」


 え、ウソだろ。

 デカいな、この川。それに深そうだ。


 おんぶしてたニュウを降ろし。


「ニュウ、泳げる?」

「無理!」

「ゴメン、ボクも泳げないんだ……」


 振り返ると、連中は後ろの丘の上に。


「ガキッいいかげんあきらめな!」

「ハア…ハア。追いかけっかはもう終わりだ小僧」


 川沿いを逃げよう。


「おっと、こっちはだめだ」


「いいぞパイ」


「ハアハア、やっと追いつめたか。おい、小僧おとなしくその小娘を渡しな!」


「ハアハア……追いついたぞ。ゴージン、ヤローは?」

「ウンチャン、遅いぞ。見ろ」



「なあ小僧。俺たちはおまえには、ようはねぇんだ。おとなしく小娘を渡しな!」


「いやだ! おまえらにニュウを渡したら殺されてしまう」


「小僧、痛い目にあわさなきゃわからんようだな」


「旦那、あんなガキはオレたちが。その変わりもう少し……コレを」

「よかろう……」

「いいのかウンチャン。姐御は……」

「オレの小遣いから出す」


 町のチンピラ風の奴らが丘を降りてきた。 

 ボクは逃げるときに持ってきた天秤棒にしていた棍術用の棒をかまえたが、はっきりいって使い方がわからない。


「く、来るな。ボクは、ボクの師匠は天林寺のリュー・ハイシンなんだぞ。ボクは、一番弟子なんだ!」


「なに。あの小僧、今なんて言った! ゴージン」

「あの小僧は……。あの坊主はリュー・ハイシンなのか……つえぇ〜わけだ」


「リュー? ダレだそれ。おめえの師匠が誰だか知らねぇが、ここには居ねーしな。おい、やっちまおう」


 ダメだ。このチンピラには師匠の名は、きかない。


「ちくしょう! よるなチンピラども」


「うわぁ、棒を振り回し始めたぞ」


   ブン ブン ブン


「あぶねぇなーめちゃくちゃだ! 棍術対空拳、あれじゃウチの先生の教えは使えねぇな」


「連中、なにやってんだ……。おい、おまえら! そんなんじゃカネはやれねーぞ!」

「ああ、オレの小遣い無駄になる。ゴージンいってこい」


「まったく、へなちょこどもめ。あんなめちゃくちゃ棒術に……」


「うやぁああ!」


  カン、コンッ


 しまった、槍のハゲオヤジが来た。


 めちゃくちゃ棍法なんか、きかないか。

 ボクの棍を槍でおさえた。


「小僧、ソレがリュー・ハイシンの棍術か?」


「ち、違う師匠はまだ……」

「まだ、教わってないようだな。それじゃガキのケンカだ」


 槍でおさえられてて棒が動かない。

 なら。

 棒から力をぬき槍が地に着いたとこで棒をヤツに投げつけた。

 ソレを槍ではらったスキに。


   カッツン


「バカめ、武器を捨てたか。なに!」


 ボクはニュウを抱いて、がら空きになった川沿いを逃げた!


「ウソだろ。また追いかけっこかよ!」

「ふぬけども、小僧を追え!」


「なんだ、またか。走るのはゴメンだゴージン、なにやってんだ。ナニ!」


「消えた!」


「あれは、魔導引の……」


 走ってた小僧が突然姿が見えなくなった。


               つづく 

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