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早朝稽古

63話 早朝稽古


 早朝、遊戯屋の主人の家の前で豚と寝ているウーサイを発見。


 昨夜は何時に戻ったのか?


 中庭でチャオとリーさんとボクとで朝の稽古。


 主人も早起きして椅子でタバコを吸いなが見物。

 このおっさんは武術は見るだけか。自分でもやればいいのに。

 早朝から武術を見るためにだけ、おきたのか。ホント、好きなんだな。


「チャオさん、まえに見た酔拳とは少し違うようだが?」


「さすが、ご主人。いまのは大河酔拳と言ってあたいが創作した酔拳だ」


 体力的にも武術は、しないという宿の主人。

 チャオは手振り身振りで酔拳の説明を。


「あのまえには言ってなかったが兄貴は酔拳で剣を使ってたそうだけど……」


「ああ、彼ははじめは素手の酔拳だったが、決勝の相手が槍使いだったんで剣を。あの酔った動きでビンビン動く剣さばきには、私も酔ったねぇ。彼は今年も来るかね。実は参加の話を聞いてないんだ。私の知り合いに審査員の老師がいてね……」


「そうなんですか……」


「まあ、まだわからん。前回見てないなら知らないだろうが、予選が済んだら飛び入り募集もするんだ。もしかしたらそのときに……。そうだ、あんたらも飛び入りしたらどうだ。まあたいがい負けて落る奴が多いが、あんたらなら私が見たとこ、いいところまで行くだろ」



 ハイサン県の戦場。


「ここが落とされたら、辺境は完全に敵のものだ。負けられぬ。モン・ティンソー殿、天導引の力を是非!」


「ですね。奴等は、まっすぐ中央を責めずに辺境からおさめてく……これも一種の戦略」

「うむ。横から加戦が入ることもない。それにこのハイサンが落とされれば、海も」


「敵には魔人のような将が居ると。ソレはおそらく裏に魔導引の力が動いているのに違いない。我らも全力で……。レアンたちは、こちらのチャン・フェイ将軍の指揮下に」


「はい、ティンソー様」


「戦だ、ウンチャン。俺は若いうちに戦などおこらないと思ってた……」

「どうしたゴージン。戦も暗殺も同じ人殺しだ。むしろ、戦ならどうどうと殺れる」


「レアン、敵は魔人が指揮してるという。我らはその魔人の将を狙う」

「ああ、シャンジャ。わかってる」



「モウ・ティンソー様、ロ・ツウシンと名のる武人が」

「私の部下だ通せ」



「ロ・ツウシンが来たと、ティンソー様。心強い。なあレアン。ヤツは七武人一の怪力、双大斧の使い手。ヤツが居れば敵将まで中央突破だ!」

「この戦、勝てるなシャンジャ」




 荒れ地ハイサン県県境。


 ラゴウめ、仲間になり将軍にしてやるとか、ぬかして荒れ地の戦か、俺はホコリぽいっとこは嫌いなんだ。早く終わらせて港町へ攻め込みたいぜ。


「グァイ将軍、敵は昼にも総攻撃をかけてくる様子です」

「そうか、こんな荒れ地での戦闘は手っ取り早く終わらす。俺が前に出る!」


「将軍自ら……」

「辺境を征した俺に敵はいない。グァハハハハハハ」


「油断するなグァイ・レイ」


「おや、負け戦をしたグァン・カン将軍殿ではないか、なんでココに」

「ルファが行けと……。お主こそ、どこぞの温泉場と武術大会で人間に負けたと聞いたぞ」


「ああ、隠しても知れるか……」

「お主は目立つからな」

「武術大会は、ともかく温泉場での相手はツァンレンだ」

「ナニ、お主もか。わしの戦のときも妙な坊主と現れてツァンレンに……」


「まあ、魔天一と言われたツァンレン相手なら恥ではない。しかし、この戦は相手は人間。負けは、しないわ」

「その油断をみぬいたルファは、わしに行けと」


               つづく

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