表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/132

大河三娘双剣

60話 大河三娘双剣


「師匠、誰か追ってきますね」

「あの山賊とは思えんな……」

「一人の気配……誰か、あの縛りから抜け出して」


「おーいアロン!」


「リーさんだ」


「アレは、ピングォ」

「インスウ殿は、彼女をご存知で?」


「え、まあ知人です」


「やっと追いついた。非道いじゃないか、あたしをおいていくなんて」


「別に……朝、寝ていたから誘わなかっただけで」


「まあ……あたしも寝てたのが悪いが。アレ、なんでインスウがここに? そう言えば、縛られた連中の中にいなかったね」


「久しぶりねピン……私、山賊から足を洗ったのよ。で、お坊様たちと王都へ」


「リーさん、あの山賊と親しそうだけど」


「まあ、あのヒゲ面の頭はあたしの親父だからね」

「あの頭の娘というのはリーさんか」


 言われてみれば太い眉はあの頭にそっくりだ。つながってはいないが。


「思い出したぞインスウ殿の双剣は、リー殿の双剣術と似ている。と、いうことはリー殿の双剣術の師はインスウ殿か?」


「そうだけど、坊さん。でも大河三娘双剣でさらに……」


「あら、ピン。その大河なんとかの剣を見せてもらえるかしら」


 インスウさん急に師の顔に。

 背の双剣を抜いた。


「いいよインスウ。もう昔のあたしとは違うから」


 リーさんも背の双剣を。


「リー大河三娘双剣で負けたら破門だぞ!」


 二人の剣闘がはじまった。


 さすがインスウさん。

 リーさんの師匠だ。

 リーさんの剣をすべて打ち返す。


「インスウ、ここまではあなたに習った剣だ。大河三娘双剣はこれからよ!」


 インスウさんの剣が、防戦一方になり、リーさんの二振りがインスウさんの依を切った。


「見事ね、ピン。頭に見せたかったわ」


「よーし、リー。大河三娘双剣は免許皆伝だ。もう教えるコトはない」


 すごいなリーさん。チャオからのお墨付きだ。

 ボクの花和尚拳なんか、言われたこともない。


「ふぅわぁ〜。チャンバラは済んだか目的地に着くまでゆっくり寝てられないね」

「ウー、さっきまで寝てたじゃないの」

「そうか……リあるン、都についたら起こしてくれ」


 王都ファチャンは、華中国の県ファチャンと同じ名だ。王都には華中国を統一した皇帝ガン・ドンガの三代目が居る。


「師匠、今の皇帝ってまだ子どもと聞きましたが」

「ああ、前皇帝が早くに病で亡くなられたからな。奥方と重臣にささえられてやってると。しかし、戦がはじまるとは不運だな幼き皇帝も」


 そうなんだ。今回の戦の原因はボクだ。

 ニュウが、ボクのために魔王拳法術など使わなければ、魔天十三王など降りて来なかったはず。

 ここに居る。ウーサイも。

 インアルのアルだって。

 まあ悪い奴ばかりじゃないんだが。


 王都の門が見えてきた。意外と出入りが多いようだ入口も出口も人の数が多い。


「まえに来たときは素通りだったのに……」


 ボクらは入口に並んだ列の最後に。


「チャオ。やはり、戦が始まったから出入りが厳しくなったんだろうね」


「それだけじゃないぞ、明日からはじまる王都の武術大会のせいもある」


 と、教えてくれたのは前に並んでる槍をかついだ武人だ。この人も大会にでるのかな?


「武術大会だってますます兄貴に会える可能性が」


「チャオの兄さんは王都の武術大会で優勝してるんだよな。なら、今回も出場の可能性もあるだろうチャオ、会えるといいな」


「さて、今回は……私とインスウ殿は、夫婦。アロンとリァンファも同じでいいだろう。チヤオ殿やリー殿は旅の武術家。さて、ウーサイ殿は……」


 たしかにウーサイは困った。


「ん、あたいは適当にやるから。おまえたちは先に言っていいぞ」


 とは、言うものの。ただブタに乗って旅する少女。思いきり怪しまれる。

 心配なのでウーサイを前にした。


「ウーサイ殿、よければ私とインスウさんの娘でも」

「心配するな坊さん」


 ボクらの順番に。


「おい、おまえ何者だ?」


「あたいは旅人だ。ナニか問題あるか?」


 と、ウーサイは義手の孫の手で背中をかいた。


「問題なぁ……その豚は?」


「あたいの財産だ。腹が減ったら食う」


「そんなデカい豚は、一人じゃ食い切れんだろう」

「残りは売ってカネにする」


「怪しい奴め。おまえは、いくつだ?」


「いくつに見える?」


「見た目、子どもだか……」


「十万十三歳だ、お前より年上だぞ!」


「おい、怪しいが……このガキはイカれてんじゃないか。まあガキだし、害はないだろ」

「通してもいいのか?」

「いいだろ、俺が許す」


「よし、通れ。次!」


 ウーサイは、通れた。


 武術大会のおかげで武術家と名乗ったリーさんたちも無警戒で通った。

 いちゃつきながらの師匠たちも。


「次! おまえらは?」

「夫婦です。王都の実家にお腹の中に夫の子が。報告と出産に帰ってきました」


 え、リァンの腹がいつの間にかにふくらんでる。ナニか入れたのか? 

 調べられたらヤバいんじゃ。


「おい、その荷物はなんだ?」


「コレは刀や剣です。ボクは鍛冶職人で、受けた仕事をこちらでしようと持ってきました」


「怪しいな、武器は謀反でも起こすためじゃないのか」


 リアンの腹よりもっとヤバい物をボクが持ってた。山賊から奪った武器が思わぬやっかいなモノに。


                つづく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ