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後を追え!

59話 後を追え!


 チャオの村から王都まで歩いて半日以上かかるらしい。

 

 途中山道で山賊と出くわす。


 ヒゲ面のおっさんが(かしら)で。武器は三叉槍。

人数も多い十人以上は居る。

 顔を隠してるが女も二、三人居るようだ。


「右端の女は美人だ。後は、まかすぞアロン」


 美人って、顔見えないし男のダボついた服だから体形もわからない。

 師匠はわかるのか?

 背の剣は一鞘に二剣の双剣か。

 リーさんと同じだ。


「チャオ、適当にやっちゃって」


「ああ、ウー。言われなくても山賊ごときは大河燕青拳!」


 じゃボクは。


「大河花和尚拳!」


「え、わたしは……。ウーと見学!」


 まったく、チャオの言う通り。

 山賊ごときだ。


 あっという間にふたりで連中をねじ伏せ綱でぐるぐる巻に。

 師匠を見ると半裸の女山賊が顔を見せ師匠に抱かれている。

 ホントに美人だ。


「そなたの腕前は見事だったぞ。背にした双剣の舞は何処かで見たが、師はどなたかな?」


「お坊様、私に師はおりません。独学であみだした剣術」


「そうか……ドコでその剣を?」



「役人でも軍隊にでも売るがいい! 俺達はたいした額になるぜ! 嬢ちゃんたち」


「あんたら、賞金かかってんのね。の、わりにたいしたことなかったわね」


「ああ、こんな惨敗は初めてだ。嬢ちゃんたちが強いんだよ」


「そうか、大河拳法と言うんだ。覚えておけ!」


 師匠との女山賊以外をひとまとめに縛りつけ、武器は袋に詰めた。コレは王都で売ればカネになる。


「師匠、こいつらどうします? 賞金首だから王都に連れてけばカネになりますよ」 


「それだけの人数は連れてくのは面倒だ、武器は?」


「取りました」


「こちらの素直な御婦人にめんじて、そのままおいて行こうか」

「坊様、私を連れてって。山賊はもうあきました」


「おい、インスウ。裏切るのか!?」


「頭、ごめんね。私はもう裏生活はヤメにして表に出たいのよ」


「そなたほど美人なら、いくらでも働き口はあるだろう。山賊などからは足を洗うがいい」


「じゃそういうわけで、頭」


「まて、小僧。俺の刀を売ったカネはインスウにやってくれ、俺からの選別だ……うっなんで女は俺から離れていくのかなぁ……娘は今頃何処に」


「おっさん、娘がいるのか?」


「うるせぇてめぇには関係ねぇや。インスウのコトをたのむぞ!」


 てっ、強がりのわりに涙もろい山賊の頭だ。

 女、娘に逃げられるのはこたえるんだな。


 しかし、やめる仲間に餞別をくれるとは話のわかる頭だ。


「インスウとやら、半裸で旅をする気か? あの中の女と服を交換するといい」


 なぜか、ボクらの道連れは女が多い。



 

 すこしまえ、チャオの村では。


「マン・ケイ、アロンたちが見えないわね」


「あれ、リーさん知らないんですか? 師匠たちは王都に行きましたよ」

「え、ソレはいつよ!」


「早朝です」

「寝てたわ。なんでマン・ケイは?」

「また、戻るからですよ。それなら一緒に行くより、村でソンスウと……」


 マン・ケイのかたわらにポチャっとした三つ編みお下げの子が。

 マンケイにお似合いな子だ。


「しかし、チャオもウーサイもリァンも居ないのは?」


「あぁチャオさんは道案内です。ウーサイはなんだかアロンが向こうで死なれちゃ困るとか。リアン姉貴は、わかりますよね……」

「あれ、ニュウは?」

「なんか魚取りが楽しいらしくてオジさんたちと漁に。チャオさんの話じゃ一週間くらいで帰るとか」


 一週間もガキの相手してられるか。


「マン・ケイ、あたしも王都へ行く。まだ、追いつくだろう。じゃみんなによろしく!」



 ウーサイのブタも見なかった。

 多分アレに揺られて、ちんたらと歩いてるはずだ。

 あたしの足ならすぐに追いつく。


 山道への、別れ道。


 幸いあたしは、このあたりは土地勘がある。おそらく近道の山道を行ったはずだ。


 しばらく走ると、道に人のかたまりが。



「おい、チンシン。おまえが綱からズレろ」

「いや、無理です。あの小僧、妙な綱の巻き方をして、足が動かせねぇおい、サンエ尻をどかせ」

「駄目だよ、コンチがあたしの股から顔をはずさないと」

「ああ、どういうつなぎになってんだ? おまえら」

「早くその足どけてくれよ、私なんか服をはぎ取られてんだから!」

「だよ、ホーの尻が臭え」

「アンタ、乙女に言う言葉かい!」

「痛え、叩くなよ。誰が乙女だ、ババァ!」

「わたしじゃないよ」


「あんたら、なんなのこのザマは?」


「ナニ、ピングォじゃねーか、おまえ戻ったのか?」


「違うわよ、たまたまここを通っただけ。まだ山賊してたの親父」


「あぁ。妙な連中にやられて、このザマだ……」


「情けないわねぇもう山賊やめたら。で、その妙な連中って坊さん一行? ブタに乗ってた子とかいた?」


「そいつらだ。なんだ知り合いか?」

「そう。で、そいつらは?」


「ちょっとまえに……」


「そう、じゃ!」


「おい、ピングォ綱を切ってくれ!」


                つづく

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