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三日殺し

51話 三日殺し


「久しぶりだな、ソン・フアリ」


「リュー!」


 ソン・フアリ、やはり、本物のリュー殿と知り合いか。


「カイ、その偽物はドコで拾ってきたの。あっちが本物よ。捕まえて!」


「はい、奥様!」


 用心棒というカイ・ブドーという男、どれほどの?

 リュー殿の闘いが見れるとは、好機。


「はぁ〜」


 カイの拳をリュー殿は、片手で受け流すと、その手でカイの胸を。


「うっ! ううっ、どうしたことだ、体が動かぬ……足の力が」


 カイは膝をついた。


「今のは三日殺しの推手。申し訳ないが、おまえの命はあと、三日だ。今、所長殿の前で正直に話せばその三日殺しを解こう。さて、その私の偽物は誰かな?」


「な、ナニ! 三日……」


「そうだ三日だ、まだ手の力があるだろうが、今日は足がおとろえ、明日は手がつかえなくなり、おそらく声も……悪事を吐くのは今のうちだ明後日は体全体が麻痺し、死にいたる」


「オレは……死ぬのか」


「そうだ、三日目に体全体が麻痺し、体中の骨がくだけてとても痛い思いをし、あの世行きだ」


 ソレは、なんと恐ろしい技だ。


「お坊さんが、そんな殺生を……」


「私はこんな頭だが、もう僧ではないんだよ。忘れたかソン」


「言うから解いてくれ。 リュー・ハイシン! あの偽物は、似た男を捕まえて頭を剃った。ただの人足だ。声は薬でつぶした」


「ほう、酷いことを。ソレはなぜしたんだ?」


「賞金を手に入れるためだ! 早く解いてくれ」


「さて、私が乱暴したと、旦那に言い。訴えさせたソン。酷い言いがかりだな。あのときに旦那はいないと、独身だと。しかも私が乱暴などを……」


「いいえ、所長。この男は、むりやり私を!」


「はあ〜その人が、あなたをむりやり。さて、その証拠は。あなたが言うだけでは」


「どういうこと、旦那の訴えは……あなたたち、グルね所長、その男にだまされてるのよ!」


「カイと、やら偽物のリューを捕まえてまで賞金を手に入れたのは、おまえの単独か!」


 コレは確実に女がからんでる。


「あ、イヤ奥様の命令で。本物はこのあたりには居ないからと……偽物を。死にたくない、オレはまだ若い。もっと生きたいんだ、なんでも話すから解いてくれ。奥様が大金を、賞金として出させ、それをいただくためについたウソだ!」


「ナニを言うのかカイ、デタラメよ! 賞金欲しさにカイが勝手に」


「まだ、あるだろう。カイ・ブドー。おまえさん、婦人のイロだな」


「ああ、そうだ、オレと奥様は浮気を。早く……足の力が……奥様、オレはまだ……」


「あの男は、ウソを……」

「おまえもだろ、ウソはいいが。私を巻き込むな。いい迷惑だ」


 いつの間にかそばに来たリュー殿がソンの腰を手で推した。

 

「あつ、足の力が……」


 ソンもカイと同じように膝を床についた。


「まさか、今のは三日殺し……」


「ああそうだ、もうウソはつけなくなるぞ。本当のコトを言わないとおまえも三日後に死ぬ」


「イヤァアアアア」


 ソンは全てを吐いた。

 やはりリュー殿の話は。

 女がウソでヤキモチやきの旦那に賞金を出させ、それを手に入れようと浮気相手の用心棒を使ったはかりごとと吐いた。


 ソンがぜんぶ吐いた後に、リュー殿が。


「三年殺しは、ウソだ。ちょっと下半身が弱るツボを推手したまでだ。三日もすれば、もとにもどるだろ」

 と言って去った。



 新・海賊亭。


「へえ~そんなからくりでしたか。あのワン・チャイの女房は美人ですが、たちが悪いと評判でしたからね。ソレに用心棒の色男、あの女にメロメロなのも誰もが知ってた。しかし、あの坊さんはそんなに有名な……」


「ああ、私は縁がないが武林界では、知らぬものはいない有名人らしい。何でも百人をこえる皇帝の兵を一人で撃退したとか」


「マスター! ホウライ茶、おかわり。キャプテン、ヤツは弾より速いとは本当なの?」


「それは、知らんが敵にしたくない男なのは確かだ、ハル」



 師匠は、翌日に宿に顔を見せた。

 

 あの日「新・海賊亭」には、役人が知らせに来て驚いたが、宿も紹介してくれて師匠は捕まったのではないとわかった。


 詳しい話は聞かなかったけど師匠が悪い事をは、しないと信じてたから。


「師匠、この町の後は何処へ?」


「船に乗ったコトはあるかアロン」

「川の小さな舟なら、海をゆく船はないです」


「丁度、荷物をナンソ県のカツラへ行く船があってな乗せてくれると」


「ナンソだって、華中の最東部の県だよね」


「チャオは行ったことあるの?」

「いやないが、あたいの故郷は隣の華中の都だ。都と行っても広いからな王都から離れると『大河英傑伝』の舞台がある様子江がある、その近くの町があたいの生まれた町だ」


「だからか、『大河英傑伝』に詳しいんだチャオはボクも様子江を見てみたい」


 港の桟橋に行き船に乗るかと思えば妙な所に。


 町はずれの崖っぷち。

 洞窟の通路を降りていくと。


「あれが、私らを乗せてくれるマーマレード号だ!」


                つづく

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