ツォンミン再び
45話 ツォンミン再び
風がやんだ。馬車の前に立つ長身の髪の長い男、黒いマントで背には長剣。
「ティンソー様が、お呼びと。私、ションジャと申す」
すると馬車の幌の方から顔を出しティンソー様が。
「おお、ションジャではないか。妙な所で」
「すみません、母がたおれまして……。少しばかり故郷へ」
「なに、ションジャとな!」
「おう、コレはレアンどのでは。あなたもご一緒で」
「ティンソー様、なにうえションジャをお呼びに?」
「レアンの部下が、不甲斐なくあの坊主に手も足もでないので、レアンたちにに強力な助っ人だ。天導引武闘派七武人一人を呼んだ。槍のゴージンや飛刀使いのウンチャンより役に立つはず。では、私は他の用があるのです失礼する!」
「ティンソー様は何処に?」
「いったん山へ帰る。次に会うときは良い話を聞かせてくれ!」
ティンソー様の馬車につないだ馬を離しティンソー様に。
一人荒れ地の中を走っていった。
ハイゼの町に入った。アロンたち。
港町なんてはじめてだ。船を見たのもはじめてで、思わず見いいってしまった。
「こいつで、他の国へ行くのか……」
「アロン、その船は漁船だからどうかの」
「漁船……魚をとる船ですか。そうか、この大きさじゃ別の国までは無理なのか」
「無理ではないが他国まで漁に出まい」
「あ、アレは亜人ですよね。インアルにおいてきた亜人のアルとテルーはどうしてるかな……」
「皆、足と手がロープで、あの船は奴隷船だね」
チャオが、一歩出てボクの横に。
「あの、アルって亜人も元は奴隷だったと、聞いたけど」
「母親が奴隷だったから、生まれながらの奴隷と……可愛そうな奴なんだアルは……」
しかし、アレはあくまで地上での体。
アルはああ見えて魔天の十三魔王の一人。
今ここにいるウーサイの仲間なんだ。しかしふたりとも魔王と呼ぶには可愛すぎる女の子の体だ。魔天に居た頃はどうだったんだろ?
トウメン国。王宮。
「曲者、どうやってここに」
「私を忘れたか」
「おお、面妖な妖怪、尻尾を出しおって、それにその頭の上の耳、妖怪だ!出あえ!」
「なんだ、貴様らは。私はラゴウの知人だ。ツォンミンだ! ラゴウに聞いてこい!」
「ツォンミンではないか、久しいな」
「ルファ、噂は聞いてるラゴウの配下となったらしいな。え〜い。この衛兵をどけてくれ!」
「ひかえろ! 彼女は妖怪の類ではない、ソレ以上の存在だ。我らに害する者ではない!」
「ツォンミンだ、この顔と尾を覚えておけ!」
「ハッ失礼しました」
「ラゴウの所へ。言っとくが私はラゴウの配下になったわけではない、軍師という立場でヤツと同等の存在なのだよ」
王の間。
「ツォンミンか、久しぶりだな」
「ラゴウ、うまくやってるとは言えないな。辺境の支配も出来てない」
「ああ、やはりあのツアンレンのおかげでな、わしの計画通りには進んでおらん。で、ウーサイが奴とぶつかると聞いてないな、どうなることかと」
「あら、情報が遅いわね〜。ウーサイはツアンレンに負けたわよ」
「ナニ、好敵手と言われたウーサイがか」
「ルファもあいつを見てるんでしょ。魔天のツアンレンとは違う存在よ。私は言ったはず」
「それほどまでに……」
「私はヤツと手を合わせてるの。ウーサイごときに……。知ってる? 今、ウーサイは奴らと行動をともにしてるわよ」
「ナニ! どういうことだ」
「詳細は、私にもわからないが。野に放った私の使い魔たちの情報よ」
「そうか。で、ツォンミンよ、なにしにココへ?」
「なんか、ラゴウが口にした計画がろくに進んでないからどうしたのかなぁ〜と思って見に来たのよ」
「お前らしい。わしを笑いに来たか。ツォンミン、どうだ貴様もわしらと遊戯を楽しもうではないか」
「ゴメンだよ、私は群れない主義だからね。じゃそろそろしつれいするよ」
「酒でも飲んでけツォンミン」
「いいよ、酒は自分のカネで飲む主義でもある」
「まて、ツォンミン。ドウジェンのゆくへを知らないか」
「いつでも、かっかしてるドウジェンか。さて何処に降りたやら、わたしゃ知らんな。ルファは、知らないのか。たしか旧友と聞いたぞ」
「私はあんなバカとは旧友ではない!」
つづく




