はじめて知った
42話 はじめて知った
ラゴウの国、トウメン。
「やはり、奴ら町一つも落とせぬとは。使えぬ軍だ。まさかトッケツが動くとはな」
「だけじゃありませんよ。ただならぬ戦士が現れて軍をほぼ全滅したという報告も入ってる。インアルの町に入った都の小隊にそれほど力があるとは……」
「ルファ、わしが聞いた話だとモルトで行われた武術大会の出場者が軍に志願したと。あそこの大会では、いわくあるクセ者の武術家どもが参加すると聞いたぞ」
「が、しょせん人間。そうそう魔天の強者相手になる者など、おそらくまたツァンレンのヤツが……」
「わしはまだ、ヤツと会っておらぬが、魔天一といわれる強者が、なぜにわしの邪魔をする」
「ツァンレンは、おそらく人間に憑かれている。ヤツの行動は、人間の意思だと。しかし、ヤツの最大の好敵手と言われたウーサイの天楽下を確認した。おそらくヤツは……」
「なるほど、ならしばらく高みの見物でもしようじゃないかルファよ」
荒れ地の遺跡。
「その曲がった変な武器は何なんだリー」
「こいつか、ココに来た頃に西方国から来たという戦士にもらったんだよ。投げると何にも当たらなければ戻って来るんだ。しかし、うんめぇな〜こんなにうめぇ~ハネネズミ食ったの初めてだ。アロン、あんたの言う通り腕のイイ料理人だ。え〜とマン・ケイ、この出会いに感謝だ」
「嬉しいねぇリーさんほど美味いと食べてくれると嬉しいし、作り甲斐がある」
「仕方ないさ、町ではコレよりもっと美味いの食べてたからね、リァン」
「チャオのアネキ、町とは、いろんなものが違うしな。こんなへき地でここまで仕上げたんだからアニキたちには、ほめてもらわないと」
「だな、マンケイの料理人ぷりは、なかなかの物だ。彼の得意技は床技だけではないのだな」
「師匠が少し私を……」
「ああ、あたしらは女だが、料理はダメだからな、あんたには感謝するわよ」
「あたしらってわたしもまぜて? チャオ。わたしも料理は作れるわ、ただこの辺ではわたしの作れる料理の材料がまったくないのよね」
「さようですかリァンお嬢様。町に行ったら何か一品でも」
「割り込んですまん、さっき坊さんが言ってたマン・ケイの得意技の床技とは、どんな技なんだ。武術者のはしくれとして聞いておきたい」
「床技ですか、リーさん。それはトコで横になってする技で……」
「マン・ケイの得意技とは、寝技のことか。なるほど、その体系で乗られると動けまい」
「いやいや、リーどの。それとはちょっと違うな、相手を床技でこころよく失神させるのが床技で、寝技は苦しんで失神するという違いがある。良かったら私が手取り足取り教えてしんぜよう」
「ああ坊さん、あんたがやることか! あんたら、そっち方面に強いか無知かのどっちか、だからな。あたしが後で教えてやるよ」
「あ、チャオ。ソレは私でも」
「マンケだと、下手すりゃこの人に殺されるぞ!」
「ふぁ〜腹がいっぱいになったから眠くなったな寝るか」
そう言って寝返りした師匠からはイビキが。
リーもココで泊まると自分のネグラには帰らなかった。
そして一夜明けて。
「あっやっと夜が開けたぞ! アロン。夕べ、チャオに床技と寝技の違いをじっくり教わったら、あたしは寝られなかったぞ!」
と、リーが赤い目で朝から興奮している。
教えた本人はまだ、イビキをかいてる。
「アロン、あたしは男のタマに子種が入ってるなんて昨夜、初めて聞いたぞ。本当なのか!」
チャオは、そんなことも。
とりあえずそういうコトは師匠に。
だから童貞のボクでも師匠にいろいろと。
「で、アレからああして出して子作りするのも初めて聞いた。あたしのオヤジや剣術指南なんか、なにも教えてくれなかった……。それで頭の中がおかしくなってきて一睡も出来なかった」
「リーどの。やっとわかって良かったな……どうかな今夜ひとり作らないか」
「ああ、この坊さんは何を言ってるアロン!」
「ボクに言われても……言葉のとおりだと」
「あのね、リーさん。誰でも欲しくなるときが来るから。そのときでいいのよ、作るのは」
リァンがリーの手をとって言った。いつになく優しさを感じた。
ん、ズボンを引っ張るのは。
「アロン、ニュウも子供の作り方知りたい。魔導の書には出てない……床技なら、ちょっとココに」
「あ、ニュウが大人になったら教えてあげるから」
「リーは、夕べ木娘じゃなくなったの?」
「まあちょっと違うが、お勉強をチャオとしたのさ」
「お勉強か……勉強はニュウは……」
リーは、ボクらと一緒にココから出ると、荷物をとりにネグラへ戻った。
ボクらは、ここから西方にある海のある県を目指しする。
しばらくすると。
「ひゃあ、ネグラに戻ったら、見たこともないサルに襲われた。デカい奴だマン・ケイよりデカい。なんだアレは? ココに来て初めて見たが、なんとか倒したけど……」
「見たこともないサルだって」
つづく




