武術大会
30話 武術大会
まだ、辺境の戦の影響もなく武術大会は開かれた。
ボクは昨日の様子を見て、夜中に闘技場へ行き徹夜で並んだ。
マン・ケイも連れてちょっとした荷物も持ち、朝まで待ったが、いざ門が開くとどっと人がおしよせ利点は早く入れただけだった。
見学の場所取りなんてもんは不可能。あっという間に人、人、人だ。
人の波というのは、こういうのだな。
マン・ケイの後ろに居なかったら押し流された。
審判席なのか屋根が有り椅子つきの所には、えらそうな軍人とか、よくわからない老人が。
武術の師匠たちかな。
「アレは、天林寺と武闘山の武術師範だな……」
「師匠、早く入れましたね」
「オハよーアロン!」
マン・ケイと先に来たのでニュウは師匠に肩車だ。
「シン翁殿のちからで簡単に入れた。昨夜はご苦労だったな。見なさい審判席の横」
三段の客席が。そこにあの白髪頭のシン翁が。
やはり金持ちは違うな。
特別席だ。
「リァンは?」
「あまり興味がないと、町中で商売をしてる」
「商売?」
「例の人形売りだ。なんでも大会用に昨夜、徹夜で作ったらしい」
まえの町で作ってたやつか。アレを。
意外と商人に向いてるのかもリアンは。
「マンケー、ししょーより大きい!」
と、ニュウがマン・ケイの肩に飛び移った。
闘技台の上に声のデカい男が現れて大会の開催宣言をし、格闘戦の表がどこどこに貼られてると言い。
第一試合の参加者を紹介した。
最後に受付けをしたというチャオが第一試合に。
相手は螳螂拳の老人だ。
紹介によると。北派螳螂拳の使い手だと、白髪頭だが、顔は若々しい。
老人なのか? ただの若白髪じゃないのか。おっさん。
そして大河酔拳のチャオだ。
やっとチャオの酔拳が、見れる。腰にひょうたんを付けてるがアレは酒が入ってるのだろう。
酔拳対螳螂拳、二人は静かに台上に上がり。礼をした。
螳螂拳の白髪頭は、腰を低くして螳螂拳独特のカマキリを真似たかまえをした。
達人になるとあの指が、鎌の用に斬ることが出来て危険と聞いた。
ボクは実際に見るのは初めてだが、チャオは大丈夫かな。
チャオも大きく腕をまわして親指と人差し指で酔拳のかまえを。
そのあとに酔っぱらいのようにゆらゆらと千鳥足で歩くと聞いたが、チャオは動かない。
相手の出方を見てるのか。
「ハイーッ!」
螳螂拳が動いた。
出した指をカマキリのように上げたかとおもうと草刈り鎌のように動かし突進した。
千鳥足でかわしたチャオは白髪男の太ももとつねの裏側を掴みズボンを切った。
二本指でクルミを割るあのチャオの力だ。
傷ついたのだろう足から血が。
動きが、にぶった白髪頭のアゴに倒れるように蹴りを放ったチャオは一回戦を楽に突破した。
「アニキ、チャオは酒を飲まなかったな」
「飲んで闘うほどの相手ではなかったんだろ」
「呑めば飲むほど強くなる酔拳っていうの見たかったのに……」
「私もだマンケイ」
マン・ケイと師匠は、意外と気が合う。
マン・ケイが痩せて師匠の技を身につけたらどうなるんだ。
師匠以上の色事拳士になるかも、でも痩せるのは無理だろう。マン・ケイ。
次に出たのはあの三人組の一人、槍の男だ。
同じ槍使いと闘い勝った。
そして小太りの飛刀使いも刀使いと闘い勝つた。ヤツは拳も使える。素手で刀と。
そして、あの女だ。
ホントに剣の使い手で双剣使いの女を相手にあっという間に勝った。
街で聞いた話どおり三人が出てきたが、皆一回戦は突破した。
あの三人組は意外と使い手だった。が、師匠には、子供のように。
さすが師匠だ。弟子になったのは失敗ではなかった。
「アレは、師匠!」
「うむ、荒れ地で会ったトッケツの女だな」
「うひょーやっぱり綺麗でカッコいい! あのむき出しの太ももがたまらないですね師匠!」
「たまらない、ししょー!」
「ニュウまで、ナニを言ってるんだ」
「あっ、顔におおった布を取りましたよ師匠。美人ですね、さすが師匠の言ったとおりだ。そして胸当てだけの大きなおっぱい。丸出しの腹の筋肉も美しい。股間が熱くなる!」
「こら、ドコをおさえてるマン・ケイ!」
「おや、彼女の相手は山賊の金髪大男。ヤツは捕まったのではなかったのか」
「あの審判席の軍人がいるだろ。あの男、無類の格闘好きでな毎回、大会に強い罪人を出場させてくる。おそらくアレも」
「師匠、そんなこと許されるんですか、あいつは罪人でしょ」
「使えるものは罪人でも兵士にする、そういう男だアレは」
昔の将軍とかにも罪人がいたと聞いたけど、なるほど強いヤツなら戦では戦力になる。
「勝てば無罪放免とか、言われたんだろ……が、あの女の相手にはならんな」
師匠のいうとおり金髪大男は、アゴにひと蹴りで秒殺。
おっとまた、大男だ。あいつは湯場で闘った白虎会の。身長くらいある大刀が武器の大男。
ウソだろう。あの男の相手はポォじゃないか。
つづく




