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皆殺し

23話 皆殺し


「お主見たところ、かまえが天林寺派だな。どのくらい寺に?」


「そんなコト忘れたわい!」


 かしらが剣を突いたのを師匠指で挟んで受け止めた。


「ナニ!」

「寺には何年いたと聞いているだろ」 


「離せ! クソ坊主。寺なんかに一年もいねえ〜よ!」


「それくらいでもリュー・ハイシンの名は知っておろう」


「はぁリューハイシン、知らねーな!」


   パキンッ


 師匠が、指で剣を折った。


「俺の剣を!」


「クソ坊主!」


 横の男が大刀を振り下ろすのをかわした師匠は足を引っ掛け倒した。

 そのあとに、顔面に蹴りを。

 逆から来た男の槍を腰でかわし槍を掴むと男をねじ伏せた。 

 次の刀の男の手に手刀を打ち刀を落としたところへ拳の突きが顔面に。

 そんなかんじで前にいた十人はあっという間に倒された。

 立ってるのは剣を折られた頭だけに。


「おのれ、クソ坊主! 貴様何者だ」


「私を知らないと言っていただろ。あんた」

「ああ、だな……ナニ。後ろの連中の姿が見えない!」


「かれらは、かしこいのだろう。あそこに棒を持った小僧がいるだろ」


「ヤローは、なにもんだ!」


「ちょっとまえに剣野山の山賊が捕まったのは知ってるかな?」


「ああ、やつらだらしねぇと話してた……なんでも『小旋風』とかいうガキひとりにやられたんだとな」


「その『小旋風』ってガキがあの小僧だ。後ろの仲間はもう彼に倒されたんじゃないのか?」


「あの小僧が『小旋風』だって、大山嵐のイズルを一撃で倒したという……」


「一撃か、どうかは見ていないから知らんがな」


「こいつは、悪い相手に。まえの馬車を襲うべきだたったか……」


「頭ぁ話は聞こえた。えらい奴らを獲物に選んじゃったんじゃ」


「私らは、あんたらをどうこうする気はない、邪魔をせずにここを通しなされ。それとも役人を呼んで捕まえさせるかな。それもいいかもしれんな賞金が入るな」


「頭! わしらはそいつらは無理だ。先にずらかる!」


「後方にいた連中が。頭どうします?」


「剣野山の腰抜けどもとは我らは違うが、ここは……あきらめるか。たいしてカネも持ってねー様な連中みたいだし。よーし野郎ども、引き上げるぞ!」


 山賊どもは林の中に避って言った。


「師匠、ボクらがカネなさそうだから帰ると言ってましたが……やはり、師匠の名を聞いてビビって逃げたんですか」


「あ、いや今回はあの名は効かなかった。聞いたのはアロンだ」


「え、ボクの名ですか?」

「『小旋風』の名を出したら強がりを言って帰っていった」


「小旋風ってポォのことじゃないですか」

「アロンを小旋風とだましてやった。が、まあアロンが、剣野山の山賊どもを一掃したのはホントだろ」

「しかし、後方連中を素早く追っ払ったな」

「ちょっとポォのマネをして棍術を」




「『小旋風』って棍術の」

「ラン・ロウシュンの孫のな知ってるかチャオ」

「知らん、噂だけは。アロン、知り合いなのか?」

「ともに山賊退治したんだ」

「え、では剣野山の山賊を退治したのはアロンたちか? どうりで奴らを追っ払ったときの棍術のキレはラン派の」

「まあそうだが、見様見真似だ」


「そうなの。で、大山嵐のイズルっていう頭を一撃で倒したのはどっちだ。噂では『小旋風』が、ひとりで一掃したことになってるが……」


「そう、噂を流したのは私だ」

「師匠が、ですか」

「有名なるといろいろ面倒だからなアロン。私が手をうっておいた」


「でも、師匠はさっきの山賊たちにボクを小旋風と言ったんですよね。それじゃ同じじゃないですか……面倒になるかも」

「その二つ名をうまく使うがいい」


「小旋風のアロン。かっこいい!」


「それじゃポォに悪いよ。この辺では『小旋風』はポォのコトだ」




 荒れ地の丘。


「スン党首、あれが噂に聞く……」

「ナン、そのようだ。フー・モーと、やら。あれが金貨百枚に、隠居の老人がたらふく溜め込んだお宝を積んだ馬車なのか」


「おお、そうです。護衛をしてるのは我らの仲間、白虎会です!」


「なるほどおまえと同じ頭巾をかぶつているな。報酬は、三分の一でいいのだな」

「お約束通り、あのお宝を手に入れたら革命資金に……」


「よーし、今からあの馬車に向かう出撃!」


 道行く白虎会を狙う一団が。



「お頭、この辺です。約束の場所は……そうか」


「おい、ここから俺が手綱をとる」

「へいお頭、代わります」 


「フー・トンどの、どうなされた」


「あ、いや。このあたりには賊が出ると聞いていますシン翁。私が手綱をにぎり、いざというときは逃げ切りますので」

「そうか、頭自ら頼もしいのお」


「あ、賊だお頭!!」


 丘から賊どもが降りてきて馬車の前に。


「この馬車、チャンコォ町から来たシン・チャオシー翁の馬車とお見うけする」


「フー・トンどの、見たところ賊には」


「我らは悪しき世を治すために立ち上がった革命軍、麒麟党である。その財産を革命のためにお使いいただくと聞いて参上いたしました」


「麒麟党……なんのことやら?」


「フー・モーどのどうしたことか? 話が……」

「どうしたんだ。なにか、手違いでも……」


「革命軍を名のる野盗め、成敗してくれよう! 大刀フー・ゴ殺れ!」


 大刀を持った大男が切り込んで来た!

 

「弓を! 散った奴らを撃て」


「馬車の護衛が弓を、おのれ!」


「スン党首、後ろに! フー・モー殿、これはどういうことだ!」


「簡単に騙されたな麒麟党、お宝は我らがいただく!」


「ぎゃあああ、貴様……謀ったな!」


「野郎ども!麒麟党を皆殺しにしろっ!」


「おおっ!」


「フートンどのコレは? 彼らは……グギャ!」


「爺さん隠居して、すぐ命日だ。お宝はいただくぜ」



「お頭、大刀フー・ゴの斬り込みと、弓攻撃がきいたようで、だいたい片づきました」


「たいたいだぁ……皆殺しにしろと言ったろ! 完璧に殺れ、倒れてる奴は、とどめを刺せ! ソレが済んだら麒麟党の連中の死体に白虎頭巾をかぶせろ! おい、おまえちょっと来い」


「へいっ」


「ちょっと痛いが我慢しろ!」


「ぎゃっつう」


「よし、おまえは町に戻れ! 役人に麒麟党に襲われたと訴えろ、いいな。奴らの馬を使っていけ!」


「へいっお頭!」


               つづく 

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