ゆうてんろう
20話 ゆうてんろう
三人組と天導派を名のる男が居る町には、長居は無用と早朝に町を出た。
「ニュウみたいな小さい子を殺そうとしてるのよ天導派って、なによ。名前だけなら良い方だけど、してることは悪よね」
「ああ、そうだよな。ニュウの親が天下を乱したりはしてないだろうに」
「むしろ天導派の術師は表で武将などと関わってるから天下への影響はあるだろうな。なあチビスケ。おまえの親は何をしていたんだ」
「よく、わからないけど山奥でいつも実験してた……」
「正統派が、邪道をくじくってやつだ。それは、法術の世界だけではないよね師匠。ボク、武術界でも似たような話を聞いたことがある。なにも他派を消してしまわなくても」
「そうだな。これから行く辺境の町には、そういった表舞台から姿を消した武術、武術家が集まる。まだ、見ぬ武術がたくさんあるからな。四年に一度の武術界の祭りと言っても良い」
「それは凄いですね師匠」
「だか、そんな舞台にもでぬ闇の武術も沢山ある。特に辺境やら他国にもな」
「辺境で、戦がはじまったらしいけど。その大会とか、やるのかしら?」
「さて……気になるとこだな」
次の町はその先が荒れ地で、もう辺境間近。
例の武術大会が行われる町のひとつ手前の町だ。
やはり、門には役人が。
しかし、ここも前の町と同じ設定で簡単に入れた。
「私が肉屋の旦那でリァンが若女将という設定ではダメなんですか」
「マン・ケイそんな、今さら。まえと同じでいいじゃないか。どうせ一時の設定なんだから」
「あ、マン・ケイ。わたしと夫婦の設定で部屋わりを考えてたでしょう」
「あ、わかりました」
「ニュウも一緒だ!」
「一家なら不自然さがなくなりますへへへ」
「それは思いつかなかった。次はそうするか」
「さすが師匠!」
「だが、マンケイ。宿部屋は男女別だ」
「あたりまえよ!」
「師匠、ボクとリァンの若夫婦でニュウが娘とかは?」
「そっちの方がいいかしら。アロンは童貞だから、同室でもいいわよ」
「なにをリァン、ボクは……ボクも男だよ」
「リアンも木娘だよね!」
「ニュウ、そんなこと町中で言わない!」
え、リァンも生娘なんだ。
意外じゃないけど。
「師匠、私は生娘はまだ。その対処法教えて下さい!」
「それは、今度ゆっくりな」
はじめに見つけた宿屋は一階は派手な呑み屋で派手な衣装の女が手招きしていた。
ココは、さすがに。
「師匠、ココはどうです? あの女はいい乳してますね」
「悪くないな……マンケイ、中で空き部屋状況を」
「はい師匠!」
マンケイ、嬉しそうに。あ、ニュウを乗せたままだ。
すぐに戻って来た。
「残念です。満室だそうです」
「だろうな、ほらそこに」
と、師匠が指さした。
店の入口の横に札を首から下げた男が。
酔っぱらってか酒瓶を抱えたまま椅子の上で寝てる。
「アレはやはり……」
男の首から下げた札には赤い字で満室と。
師匠知ってて。
「父さん、いや師匠。こんな派手な店より、あっちの宿が……ダメだわ。あそこはやめましょう」
「ダメ? どうしてリァン? 良さそうな宿屋じゃないか」
「名前が気に入らないのよ!」
「友天楼……いいじゃないか、おまえの母の店と同じだ」
「私も、ちょっと……嫌な思い出の場所と同じ名は」
「字が違うではないか……」
「そうなのか、ボクは字が読めないから気にしないよ、けど二人がイヤなら」
「他になさそうだ行ってみるか」
「あ、師匠!」
「父さん!」
僕らが後に着くと師匠が早々と。
「ふた部屋頼んだ。飯は食えぬそうだから、他の店に食べに行こう」
「友天楼か……まあいいか」
「リァンと夫婦ならボクはどこでもいいけど」
「アロンはニュウの父か!」
「ニュウ、私が父ではイヤか?」
「マンケーはイヤだ!」
「ハッキリ言うな……」
飯店を探して歩いてると。
娼館らしい建物が。
「おや、あの店名は」
「どうしたマン・ケイ?」
「誘天楼だ……」
「また、同じ名だな」
「そうなんですか師匠……」
娼館の扉が開き男女が出てきた。
「良かったよ、これからおまえをヒイキにするからな」
「ありがとうお客さん」
「お客さんじゃなく、これから俺をツァンパと呼んでくれ……なんだ、お前らナニ見てんだよ!」
「ねぇ、マンケイ。あれ、見た顔よね」
「ああ……」
「なんだよ、俺が娼館から出てきたからってジロジロみんなよな!」
「うるさいわね。誰もあんたなんか見てないわよ」
「マンさん?」
つづく




