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かどわかし

19話 かどわかし


「魔導の子なのねニュウは」


 宿だと、さすがに男たちと一緒はと。山の宿は仕方なかったけど、町では男たちと別れた部屋に。

 ニュウが居て良かった。一人は寂しい。


 二人になり、知らなかったニュウのコトを聞いた。

 どうも、町で会った三人組に親を殺されたらしい。奴らは親の仇じゃない。


「ニュウを殺そうと狙ってるのね、あの三人組は」


「でも、ししょーとアロンが助けてくれた」


「魔導って、何が出来るのニュウは?」

「魔導の書に載ってれば、だいたい出来る」


「え、ニュウは本が読めるのね、すごいじゃない。わたしなんか勉強嫌いだったから、ろくに字とか読めないし書けない」


「ニュウ、子どもの頃にババから字習った」


「ニュウは今も子どもだから……。そうだ、ニュウに字を習おうかな」

「いいよ、ニュウがリアンに字を教える。そんでね、魔導以外のコトをリアン、教えて」


「いいわよ、知ってることなら……」


「じゃリアンは大人? 木娘か?」

「生娘ってドコでそんなコトバ…………生娘よ」

「なんだ。リアンもニュウと一緒、子供だ」


   トントン 


「誰!」


「宿の者で」


「なに?」


「お夜食を」


「夜食? そんなの頼んでないわよ」


「たまたま、夕食の分が残りましたのでよかったらとお客様にお分けしています」


 あら、隣のマン・ケイなら、喜びそうね。


「ニュウ、夜食をくれるって。食べたい?」

「ニュウは、食事は、一日二回。守ってる!」

「偉いわね。ど〜しょかなぁ」


「あの出来ればいただいてください」


「じゃ少しなら……」


 ドアのカギを上げて、ドアを開けたら。

 やたらといい男が立っていて、部屋に入ってきた。

 でも、この人は宿の人間じゃない!


「だましてすみません、お嬢さん!」


 男は素早くわたしのそばによると指で、わたしの体のいろんなトコを突いた。


「え、動けない!」

「少しの間だけですからご安心を。おい、小娘を早く!」


 あの三人組が部屋に入ってきてニュウを。


「やめろ! 助けてリアン!」


「たいへんリアンが!」


「しまった声を……」


 男はわたしの首を突いた。

 あ、声が出ない。


 そこへ三人のひとり、小太りの男が寄ってきた。


「グヘヘ、術師は便利ですな。こんなに簡単に女を黙らせられる……」


 男の手が胸に。


 やめて!


   ポカッ


「何やってんだ、あんたは。それで小娘を逃したのを忘れたの。行くよ!」


 あ、良かった。

 いや、良くないニュウがさらわれた!

 けど、声が。


「宿でかどわかしとは、大胆なことをする」


 あ、父さんの声だ。気づいたのね。


「あなたが妙な……」


「見たところ天導引派の導士ですかな、その服装は」


「いかにも、天導引派の主モウ・ゼンイの一子、モウ・ティンソーである。かどわかしの類ではない!」


「コレは、ご丁寧に。しかし、やってることは、かどわかしとかわなぬ。小娘を置いていってもらおうかな」


「コレは宿で騒ぎを起こさないため」


「もう起こしてるよ」


「小僧、邪魔をするな!」


「いや、ニュウはお前らに渡さない」


「アロン。助けてー!」 



 わ、やっと動けるようになった。

 廊下に出ると、父さんたちとヤツらが。

 宿の人たちや、泊まり客も出てきてる。

 なら、ヤツらもニュウを。


「ちょっと策を間違えたようだ。レアン、娘をはなせ。失礼する」


 男は素早く宿から消えたが、三人組は。


「どいた、どいた。見せもんじゃないよ」


「賊が、なにを偉そうに」


 宿の用心棒が女に。


「イテテ!」

「姉さんに手を出すな。オレならこの程度だが、姉さんを怒らすと、この腕、落とすぞ」


 小太りが用心棒の腕をひねって投げ。

 どうどうと宿から出て行った。


 大胆なヤツらだ。


「ニュウ、良かった。リァン、大丈夫?」


「大丈夫よ、アロン」


「なにがあったんです?」


 マン・ケイが下着姿で今頃現れた。

 で、わたしを見てイヤらしい顔で笑った。


 あ、わたしも寝る前で下着姿だった。

 あわてて部屋に戻った。

 アロンならいいが、イヤだ。あの太っちょ変態に見られた。


 しかし、あの男の突き技は恐ろしかった。

 あの技が小太りが使っていたら、なにされるかわからなかったわ。



 町の別の宿。


「失敗でしたね……坊主に気づかれなければ」

「あの男は、強い。おまえたちの話はわかった。アレは大きな障害だな。何者なんだ奴は、ただの旅の修行僧ではあるまい。間者をはなって調べさせるか。しかし、あんな小娘が魔天を動かしたとは……」


「通りで見たときは、わからなかったが、あの娘はいい胸にいい尻してたなぁ」

「好き者がぁ……。よだれたれてるよ」


「オレ、あの娘をものにするぞ。そうだモウ様、オレにあの突き技を教えてくれ!」


「アレは門外不出だ。おまえには教えぬ。特におまえのような男には」


「そんなぁお願いします」


「土下座は、やめろ。そんなに……なら条件付きで……」


「門外不出じゃないのかしら……」


「ちょっと、耳をかせウンチャン。ん、この耳たぶは?」

「あの坊主に……」

「そうか……。技を得てもあの娘に使わないと誓  え」

「え、だと意味がねぇ……が、いいです。あの娘はモウ様に」


               つづく 

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