三人再び
18話 三人再び
「さあ、その小娘を渡してもらおうか」
ニュウがマン・ケイの荷からおりてボクの後ろに。
ニュウをねらってた三人組。まだ、こりないのか?
「あんたら、まだニュウを!」
「そこの槍男は、もうチビスケはいらんとか言ってなかったか?」
「なに、ゴージン。それはどういうことだ」
「いや、あのときは姐御……ウンチャンもやられてしまい。つい」
「そなたも、私の下であえいていたではないか。良い声でうめいていたな。『ああ、スゴイ、あなたの素敵』とか……」
「姐御、あのときにそんなに楽しんでたんですか?」
「ナニを言う、ワタシはあのときに行けといったが……。おまえは」
「こうも言ってたな『ああ……素敵、ワタシはあなた以外とはもうしたくない』とか『行かないで、もう離さない』とカニばさみしたではないか」
「そんなコト、言わなかったわ! ソレにカニばさみなんて……」
「姉さん、顔が真っ赤だぞ。まさかその坊主に」
「だまれ、ウンチャン! おい、なんだ坊主。こっちに来るな!」
「そなた……名前を聞いてなかったな」
師匠は女を抱き寄せて。
今にも接吻しそうなくらい顔を女に寄せた。
「顔が近い……わ、ワタシはレアンだ……あっ!」
「姐御!」
「姉さん!」
とうとう師匠は女に接吻をした。
「まあっおとう、あ師匠! 町の往来でそんな、みだらなことを。やめてください!」
「あの女、何者かは知らないがいい女だ師匠がうらやましい……」
「おっと、腰が抜けたか……? ほら、あそこに見える宿があるだろ。今晩はあそこに泊まるから、いつでも来るがいい」
女は道に座り込んでぼ~っとしたままだ。
「アロン、行くぞ。今晩の宿はあそこだ」
もしかして、コレは師匠が言ってた闘わずにして勝つというやつか?
女を見てあ然としている槍男と小太りの男たちを横目に通り過ぎた。
あれ、地面濡れてないか?
「アニキ、あの三人は何者です?」
「アロン、わたしも気になるわ」
「奴らはニュウを殺そうとしてるやからだ。このまえ痛めつけたんだけどなぁ」
しつこい奴らだな。
「師匠はあの女といつ?」
「アロンは知らないの。それにしても、ただならぬ関係だったわよ。あの女と父さん」
「なんでもない。一度抱いてやっただけだ。それよりリァンファ、父さんではないだろう」
「あ、はい師匠……聞こえちゃた」
「師匠、あの女抱いたんですか。アレ、いい女ですよね」
「マンケイ、見る目があるな」
「デヘヘへ」
「しかし、若いなおまえは。アレは怖い女だぞ、マンケイ。気がついたらアレがなくなってるかもな。そういう女だ」
「そ、そんな女なんですか……師匠の前では可愛けど……」
「アロン、師匠が言った『アレ』ってなんだ?」
「アレはアレだ。ニュウにはないものだ」
「なんだ? アロン、なぞなぞか……マンケーに有ってニュウに無い物か……大きな……お腹かなぁ?」
「おっなんだ? 兵隊の行進か? ぞろぞろと」
そういえばこの町、兵隊が多いなぁ。なにかあったのかな?
「物騒だね……西方の砂漠で戦が始まったらしいよ」
「こっちにこなければいいね」
と、町の人の噂話を聞いた。
西方だって。
ボクらが目指す方だ。
「ウソ、やだ戦だって……怖いわ」
「だな、戦は寝台の上だけでいい……」
「いえてます師匠!」
某飯店内。
「姐御、大丈夫ですかい?」
「う〜んまだぼ~っとする。あのクソ坊主、ワタシのツボを突いて……恥ずかしめやがった」
「ツボを……そうか、それで姉さんは失禁……」
「言うな! ウンチャン。で、ゴージン、まだやる気あるんだろうね?」
「それは、もう。な、ウンチャン」
「あ、ああ……あのガキが、魔導引の法で小僧をバケモノに変えやがって。姉さん、ハッキリ言って手が出せねぇ……やる気だけはあるんだが」
「そんなことを言ってたね……さっきのでもわかった。あんたら、もうだめだわ。このままではワタシらだけではあの小娘は始末出来ないよ天師様に相談しようかしら……」
「レアン、こんなトコにいたのか」
「これは、モウ・ティンソー様!」
「申し訳ございません。仕事がおくれてまして……」
「らしいな、父が魔天が動いたと……」
「それは……多分」
「多分……なんだ言ってみろゴージン。何があった?」
「最後の家族を始末したまでは良かったのですが、そこの小娘を取り逃がし……」
「その小娘をかばった妙な坊主のために仕事が……モウ様、おゆるしを……」
「妙な坊主?」
「はい、坊主のくせに女好きで滅法強い……ワタシら三人でも……」
「女好きで強い坊主が……魔天を動かしたと?」
「いや、魔導力を使ったのは小娘で、坊主の弟子の小僧に術をかけバケモノに変えたんです」
「小僧を魔導力でバケモノに変えたと……。その小娘とやらは、いくつなんだ? その術は降魔導引の法では……」
「小娘はまだ、十にもいかないガキです。あなどってました」
「ゴージン、なんと言った。また十にもならない小娘だと、その娘は……」
「まだ、坊主たちと同行してます」
「早く始末しした方が良いかもな……ドコに」
「三軒先の宿です……」
「はあ? そんな近くに」
つづく




