山賊の後始末
17話 山賊の後始末
「はあ……? 小僧、武器を捨てるのか」
「持ってても振りまわすだけしか出来ない。なら、持ってるだけ邪魔だ」
「はあっこりゃ驚いたぜ小僧。俺に素手で……おまえはバカか、それとも俺をバカにしてるのか!」
山賊の頭が、大刀を振り上げ斬り込んで来たのをかわして後頭部に拳を打ち下ろした。
頭は何も言えず倒れた。
女たちから、離れアロンの加勢に戻ったが宴場はには。
「アロン……頭を一撃で倒した!」
アロンって。
強い。
あら、変なのが出てきた。
「あれま、頭。簡単に……人間は、もろいわね。こんにちは、ツァンレン」
なんだ、こいつ。
女みたいな格好してるが、女ではないみたいだ。かと言って男じゃない。のか?
ボクをツァンレンと呼んだ。
と、いうことはあの狐女の仲間か?
でも。
「綺麗だ。あんた……」
「ありがとうツァンレン。私を綺麗と言ってくれるなて、嬉しいじゃないか……」
「おまえはなんだ?」
「忘れたのかツァンレン」
「ボクは、そんな名じゃない! アロンだ。覚えておけ」
「ホントに……。まあいい。私はセラフィトのルファだ。今は、やり合う気はない」
え、ルファと名のった男女は背から羽を出して宙に浮いた。
やはり、こいつも狐女同様。
「では、次は戦場で」
バケモノだ。飛んでいった。
戦場? この平和な時代のドコに。
「アローン!」
「ポォ師匠!」
「今のはなんだ? 羽が生えて飛んでったよね。妖怪?」
「何かな……バケモノなのは間違いないだろ。あ、ここの後始末をしないと」
「ポォー!」
「ビンたちだ……後ろの連中は兵隊?」
「師匠も!」
「坊主の横に……」
「ポォー!」
「お祖父ちゃんだ、ヤバい怒られる!」
ニュウの話を聞いて、村長の手紙を読んだ師匠とポォのお祖父ちゃんは、役人のトコへ行き兵隊を連れて駆けつけたんだ。
聞けばポォのお爺さんは、元このあたりを仕切ってる将軍の軍隊の武術指南役だったとかで兵がすぐに動いたらしい。
村長がポォのお爺さんに助けを求めたのは正解だったようだが。
先に手紙を読んだのがポォだったから、こういう山賊退治になった。
ポォが師匠であるお祖父ちゃんにこっぴどく怒られたのも当然か。
しかし、ポォが来たおかげでビンとゴウの好きなシャオメイは山賊どもに酷いことされずに助け出した。
山賊どもは兵隊に捕まり町に。
「アロン、あんたがいたおかげで助かったよ。ありがとう」
「いや、ボクなんてろくに棒も使えず……ポォ師匠、今度はゆっくりと棍術を」
町を出た。
「師匠、武術大会のある西方の町までは、あとどれくらい?」
「あと、山を一つ二つ越した先だ。この調子で歩いて行くとギリギリかな……大会、始まってるかもな」
「けっこう遠いんだな……腹が減る」
「マンケイ、歩け。下手に走るより体にいい。歩き方も大事だ、教えよう……」
とある北方都市と東方の辺境にある都市トウメン。
「早速ツァンレンと、やり合ったそうだがツオンミン。尻尾を巻いて逃げて来たらしいじゃないか」
「誰がそんなコトを。人間体と思って油断しただけだ」
「油断して命をとられたら、もともこうもないぞ。わしはうまく動いて一国を手に入れたぞ」
「そうらしいな、でも私は王とか国とかには興味はないんだ。戦がしたければ、するがいい。私はヤツを……。しかし、こんなへんぴな場所を……」
「こういう小国から中央へ攻め込んで行くのが楽しいんだよ遊技盤をするようにな。周りから中央をじわじわと攻めるクフフフフ」
「あんたらしいよ、ラゴウ。ちょっと休ませてもらうよ」
「すきなだけ居るがいい」
アーロンたち一行、ある町の入口。
「師匠、町が。リァンの居た町みたいに立派な町だ」
「アニキ、イイ女いますかね」
「マン・ケイは、食べ物と女しか頭にないの」
「だよね!」
「こら、チビ。もう乗せないぞ! 私だって夢がある。華中一の料理人になることだ」
「料理……ホラッやっぱり食べることじゃないの」
「そ~だ、そ~だ!」
「欲も大切だ。欲のない人生などつまらん」
「ですよね師匠! 姉弟子、聞きました」
門の前には役人が立ち、出入りしている人たちをいろいろ調べている。
「おい、止まれ……おまえたちは?」
「私は修行中の放浪僧だ。怪しい者では」
「修行僧か? しかし、子供と女がいるぞ」
「彼らは私の親戚でな、行き先が一緒なので同行している。可哀想に若いのに旦那に死なれてな、娘を連れて故郷に帰るとトコだ。後ろの太ってるのはその使用人の荷物運びだ。若い男は私の弟子だ剃髪はしていないがな……」
「なるほど……いいだろう通れ。次、何だぁその武器はおまえ怪しいなぁ……」
「なんですかね、やけにうるさい役人だ」
「父さん、私を未亡人に……まだ結婚もしてないのに、おまけにニュウの親なのわたし」
「私は使用人ですよ……本当は肉屋の若旦那なんだがなぁ」
「べつに帰ってもいいぞマンケイ。私は困らない」
「すみません師匠。聞き流してください」
「師匠、なんか後でもめてるわ?」
「うるさいね、私らはちゃんと通行状を持ってるのよ!」
なんか、聞いたことあるこえだなぁ。
「あ、おまえたち!」
あの三人が。
つづく




