旅に出ろ
108話 旅に出ろ
とりあえず、美味いものを食べれるのならと、庁に。
「来てくれると思いましたよ。私は嬉しい」
知事はニコニコしながら。
「けして、返事が悪くても食事代を取ったりしませんよ。ごゆっくり召し上がれ」
「あたりまえだ。食事とそちらの要件とは別だからな」
「さようで、で、話というのは私は華中国から脱国を考えてる、ソレは華中国に戦をしかけるというわけではない」
「戦のどさくさに独立するつもりか」
「ソレも考えたが領地も欲しい。だから、ワシはトウメン国を攻めようと考えている。あの国がウチの県より先に独立したのは驚いたが、まして華中国へ侵攻するなど……」
「なるほど、この県がトウメン国を攻めるのに我々に兵になれということですかな知事殿」
「そうだ、直属ではなく傭兵部隊としてトウメン国を攻めてもらいたい」
「ふーん。トウメン国をうってココの領地を広げ独立ということか、危なそうなコトはあたしらにか、その坊主使えばいいだろ、なチャオ」
「戦を仕掛けてるトウメン国をおとせば独立もしやすくなるという寸法か知事さん」
「ソレもあるがな……」
「実を言うと、ボクはあの国をなんとかしないといけないと考えているんだ」
「ほう、あなたが……ひとりで?」
「ああ、そうだ坊さん。深い事情は言えないがボクはあの国の戦をやめさせたい!」
「いかなる事情かは聞かぬが、あなたには我々と同じ敵がいるという事になりますかな。で、あなたは我々に協力を……」
「いや、ボクは兵士になる気はない。あなた方にお願いしたい。もし独立したとしてあなた方は戦をはじめないと約束してほしい」
「わしだって戦をせずに領地が増えれば、それにこしたことはない。戦など嫌いだ、平和が一番だ」
「そのわりに、この県は荒れている。違いますかな知事殿」
「そうかのココ、コンナは平和でおだやかな都だが」
「あんたは、他の場所に行ったことあって言ってんのか、お供でも連れてタイホー県内周ってみなよ。あたいが周った県で一番荒れてるよココは」
「そうなのか、ジャダウ?」
「荒れてるとは……おそらく、猛者が多いためかと。はぐれ武術家連中が多く、この県に入ってきますゆえかと」
「この県に入るのに襲われたんだぞ門番に。こんなトコは他にはなかったよ」
「チャオ殿。その門番にやられるような物はこの県には……」
「それだ、そういう県づくりしてっから荒れてんだ。知事わかったか?」
「チャオ殿、あなた方の様な強者を求めているため、わかりますかな」
「納得がいかないねぇ、あんたらの強い軍隊を作るためなんだろが。困ってる平民も沢山居るのを自分の目で確かめてきな! うん、この肉うめぇな。食ってみろウーサイ」
「食ってる、ブタじゃない……」
「面白いジャダウ。ワシ、旅をしてみたくなった。ワシのお供をせんか」
「しかし……」
「そこの若いの、トウメン国をおまえがなんとか出来たら約束しよう。独立後は戦をしない」
ボクらは宿に帰った。
「アロン、本当にあの国を相手に戦うのか」
「国が相手じゃない、僕の敵は魔天の十三魔王だ。まあもういくらもいないがな、ウーサイ。そうだろ」
「だな、おそらくは戦好きのラゴウと陰謀をくわだててるルファは、確実だ」
「ルファって男だか女だかわからん大きな白い羽を持った奴だろ、一度山賊退治したとき話した」
「そうだ、強さはあたいほどではないが悪知恵が、はたらく嫌な奴だ」
「ボクは見た。本当は向こうの、トウメンの
兵士だって戦なんかしたくないんだ」
「どこでもそうさ。百年以上平和が続いていたんだ、知らずに戦に参加して、こりてる兵も沢山居るはずだ。あたいも戦は嫌いだ」
「そのわりにチャオ様は戦う方法を考え創ってるのでは?」
「それは、あんたたちみたいな山賊とか、から身を守るためだ」
イ・オンの横のリーさんが。
「あたしはもう山賊じゃない、あんたや坊さんと同じ武術家だ。いまにリー家剣術派を立ち上げる。まず家族を作らないとな、アロン」
「なんでボクに? リーさん」
「強い子どもを作りたい!」
「リーさん、アロンはダメよ! レイも強いわよ。歳も近いしレイにしてよ」
「そうだ、ピンちゃんはアロンとあわない!」
「なによニュウまで……」
「おまえらナニを言ってるアロンの体はあたいのモンだ」
「アロンさん、モテますすね」
「レイさん、ウーサイのは意味が違うから……」
「ところで十三魔王ってなんです? 新参者の私は何のことやら……」
つづく




